2018年6月4日 更新

「実行」こそアート。NewsPicks編集者 野村高文氏が運営する「既存の組織を超えて実行力を高めるコミュニティ」

ソーシャル経済メディアNewsPicksの編集者でありながら、ビジネスパーソンのコミュニティ「NewsPicksアカデミア」のプロジェクトマネージャーを務め、個人でもサロンを運営する野村高文氏。既存のマスメディアの枠組みにとらわれず、かろやかに新しいことに取り組み、周囲の信頼を実行に変えるその人柄には特別なスマートさを感じます。そんな野村さんの原動力とコミュニティ運営の思いについて、お話を聞きました。

2018.6.1

既存の組織ではできないことができるコミュニティを作りたい

――野村さんの本業は編集者ですが、最近は、ビジネスコミュニティ事業のマネジメントや、ご自身のサロン運営など、コミュニティの活動に積極的に取り組まれていますね。コミュニティ活動を行うようになった経緯を教えていただけますか。

最初は、昨年4月に立ち上げた「NewsPicksアカデミア」でした。NewsPicksアカデミアでは、講義形式で最新のビジネス知識を学ぶ場ですが、ただ学ぶだけでなく、「交流」から次のアクションにつなげていただくことを目的にしています。

次のアクションとは、本業の視野を広げることでもいいし、新しいビジネスを始めること、あるいは次のステージに羽ばたいていくことであってもいいと思っています。

要は、「既存の会社組織に閉じていたらできなかったことが、ここに参加するとできる」。そういう場を提供することを基本コンセプトにしています。

NewsPicksアカデミアは、イベントコンテンツに関しては質の高いものが提供できていると思っています。ですが、「交流」に関してはまだまだ発展途上だと考えています。
――発展途上というと?

これは日本人の特性かもしれませんが「場」を用意しただけでは、自発的な交流はなかなか生まれません。

運営が何かしらの手を入れていかなければいけないのですが、とはいえ、わざとらしく「名刺交換しましょう」とか「自己紹介しましょう」というのは違うのかなと。ではどうしたら熱量の高い場を作ることができるのか。維持するにはどうしたらいいのか。そういうことを日々の仕事として考えてきました。

そこで「交流」を生む起爆剤として、昨年 10月、「アンバサダー制度」を開始しました。
――アンバサダー制度とはどのようなものでしょうか?

アンバサダーは、コミュニティを活性化するための、運営と会員の「媒介役」です。アンバサダーにより、わざとらしくなく、自然な形で場の熱量が上がっていくことを期待しています。

とはいえ、アンバサダー制度発足当初は、「アンバサダーが何をしたらいいかわからない」と多少混乱した時期もありました。

ですが最近では、アンバサダーの方々が自走し始めていると感じています。ブログ投稿や自主イベントなど、アンバサダーの自発的な活動が起点となった交流が、徐々に増えてきている感触を得ています。

熱量の高い場をどう作るか――検証のためサロンを立ち上げた

――野村さんは、ご自身でも「風呂敷 畳み人サロン」というコミュニティを立ち上げていますね。どんな経緯で始めたのでしょうか。

NewsPicksアカデミアはあくまで会社としてやっているものです。そのため、個人の責任で思い切ったことを試す場が欲しいと思っていました。

こと「コミュニティ」については、正解がありません。一見正解ではないと思えるアイデアも、やってみるとうまくいくこともあります。

正解がないものを作り上げるためには、手数を打たないと、何が正しくて何がダメなのかわからない。なので、自分でサロンをやって手数を打つのもありだなと思うようになりました。昨年の年末の話です。
そんな時、幻冬舎の設楽悠介さんから、「畳み人」というキーワードでサロンをやらないかとお話をいただきました。

――いい流れですね。

はい。ですが、普通のサラリーマン二人が突然サロンをやっても人が集まらないのでないかということが気になっていました。そのため、まずVoicyで「畳み人ラジオ」を配信し、コンセプトが受けるかどうか確認することにしました。

始めてみると、ラジオはなかなか好調で、初回の放送はVoicyのデイリーランキングで初登場3位、その後も放送するたびに10位前後にランクインできています。

――ニーズがあることを確認されたのですね。

はい。その流れで、今年3月に「畳み人サロン」を開設しました。

――すごいスピード感ですね。

実行力こそアート

――「風呂敷 畳み人」とはどんなコンセプトなのですか?

「実行力を高める」ことをコンセプトにしています。

私は、ビジネスにおいてはアイデアを出す人よりも、実行する人次第でそのスピード感や競争力が決まると思っています。

ピーター・ドラッカーの言葉で、“Strategy is a commodity, execution is an art.”(戦略はコモディティーで、実行はアート)というものがあるのですが、これは私も本当にそうだと思っています。

――一般的には、逆のように捉えられていますよね。

はい。戦略は、つきつめていくと誰が考えても差がつかなくなります。ビジネスアイデアもGoogle検索できてしまう時代です。

ですが、それをやり抜くところに、その企業独自のものや、簡単にはコピーできないものがあるはずです。アイデアを実行するために、どうメンバーを集め、推進するか。それこそがビジネスを決めるのではないでしょうか。

そういうことを突き詰める仲間で集まって、実行力を高めていく――これが「畳み人サロン」のコンセプトです。

――なるほど。サロンでなく、事業会社を立ち上げて実行力を高める方法を検証するというような選択肢はなかったのでしょうか。

将来的に「畳み人サロン」の人気が出たら、会社を作ることもあるかもしれません。ですが、私は「リーン・スタートアップ」を大事にしています。会社になると60人集めるのはたいへんなことです。でもサロンだとすぐに集められる。すぐに手を動かし始められるということに意味があります。

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