理想はふところの深いコミュニティ
――そんなコミュニティ運営で、野村さんが大切にしていることはどんなことですか。
ふところの深さです。コミュニティには、色々なモチベーションの人がいます。アクティブに動く人も、そうでない人も。「コミュニティに入ったのだから動かないとダメ」ということを強制するのではなく、そこにいて、コンテンツを見るだけの人がいてもいい。どちらかに振れすぎることがないように、常に気を配っています。
――それは参加者の特性に依存するので、アンコントローラブルな要素があるというか、難しいところではありますよね。
そうですね。そこは主催者側がある程度介入することにしています。もし「動かないとダメ」という雰囲気に染まりそうになったら、主催者として「居るだけでもいいんですよ」というメッセージを、手をかえ品をかえ出していくことにしています。
これは、経営者が会社のビジョンを繰り返し言っていく必要があるのと同じで、何度も、色々な表現で発信するほかないと思っています。
――ただ、人と人がいる以上、どうしても感情的な対立が起きるし、ヒエラルキーができてしまうこともありますよね。それにはどんな風に対応していますか。
「役割としてのヒエラルキー」については、あってしかるべきものだと思っています。ですが、それが「人間関係としてのヒエラルキー」に転嫁するとまずいです。
そういう時は、ヒエラルキーの外にいる自分が、ヒエラルキーの下位にいそうな人達の意見をひろっていく。そうすることで、周りの人が「その意見は傾聴に値する」と思うようになり、人間関係のヒエラルキーが固定化してしまうのを未然に防ぐことができます。
――方法論をお持ちなのですね。それと同時に、ものすごい労力と気力を投入されていらっしゃいますが、野村さんがここまでコミュニティ運営にかきたてるモチベーションはどんなところなのですか。
ふところの深さです。コミュニティには、色々なモチベーションの人がいます。アクティブに動く人も、そうでない人も。「コミュニティに入ったのだから動かないとダメ」ということを強制するのではなく、そこにいて、コンテンツを見るだけの人がいてもいい。どちらかに振れすぎることがないように、常に気を配っています。
――それは参加者の特性に依存するので、アンコントローラブルな要素があるというか、難しいところではありますよね。
そうですね。そこは主催者側がある程度介入することにしています。もし「動かないとダメ」という雰囲気に染まりそうになったら、主催者として「居るだけでもいいんですよ」というメッセージを、手をかえ品をかえ出していくことにしています。
これは、経営者が会社のビジョンを繰り返し言っていく必要があるのと同じで、何度も、色々な表現で発信するほかないと思っています。
――ただ、人と人がいる以上、どうしても感情的な対立が起きるし、ヒエラルキーができてしまうこともありますよね。それにはどんな風に対応していますか。
「役割としてのヒエラルキー」については、あってしかるべきものだと思っています。ですが、それが「人間関係としてのヒエラルキー」に転嫁するとまずいです。
そういう時は、ヒエラルキーの外にいる自分が、ヒエラルキーの下位にいそうな人達の意見をひろっていく。そうすることで、周りの人が「その意見は傾聴に値する」と思うようになり、人間関係のヒエラルキーが固定化してしまうのを未然に防ぐことができます。
――方法論をお持ちなのですね。それと同時に、ものすごい労力と気力を投入されていらっしゃいますが、野村さんがここまでコミュニティ運営にかきたてるモチベーションはどんなところなのですか。
“コミュニティ”に向かう原動力
―――「やる気に基づいたリソースの出し合い」をする組織とはどういうことなのでしょうか。
既存の会社組織と同じようにビジョンやカルチャーは共有されているべきです。だけど、それに100%共感していなくても、「やりたいことができるからそこにいる」という人がいるという状態です。
全員が一つのカルチャーに染まる必要はなく、染まらない人も包含する。これは、「街」のイメージに近いかもしれないです。それぞれ目指していることがあって、アウトプットをしつつ、ゆるやかにつながっているというイメージです。
―――最後に、野村さんが考える理想のコミュニティとはどのようなものでしょうか。
所属する場所を複数持つということでしょうか。
居場所が一つだけだと逃げ場がないと思うのです。学校のいじめ問題も、つきつめると居場所がひとつということに原因があるのではないでしょうか。
いくつか居場所を持っていると、ひとつがダメでも、別の場所があるからいいやと思える。それが心の平安につながるはずです。
――そんなコミュニティが社会に広がっていったら素敵ですね。今日はありがとうございました。
既存の会社組織と同じようにビジョンやカルチャーは共有されているべきです。だけど、それに100%共感していなくても、「やりたいことができるからそこにいる」という人がいるという状態です。
全員が一つのカルチャーに染まる必要はなく、染まらない人も包含する。これは、「街」のイメージに近いかもしれないです。それぞれ目指していることがあって、アウトプットをしつつ、ゆるやかにつながっているというイメージです。
―――最後に、野村さんが考える理想のコミュニティとはどのようなものでしょうか。
所属する場所を複数持つということでしょうか。
居場所が一つだけだと逃げ場がないと思うのです。学校のいじめ問題も、つきつめると居場所がひとつということに原因があるのではないでしょうか。
いくつか居場所を持っていると、ひとつがダメでも、別の場所があるからいいやと思える。それが心の平安につながるはずです。
――そんなコミュニティが社会に広がっていったら素敵ですね。今日はありがとうございました。
そうですね。色々なモチベーションがまざっていますが・・・バカみたいな言い方ですが、「新しい」から、でしょうか(笑)。
これまでのヒエラルキー型の会社組織と、「お金」をインセンティブとする社会の仕組みは、今、どう考えても行き詰っているなと感じています。経済成長も停滞しているし、「お金」が働くことのモチベーションにならない人も増えてきています。
これからは、よりフラットで、「やる気に基づいたリソースの出し合い」をするメンバーと何かをやっていくという形に、組織が変わらないといけない。
そういったことを最先端でやっているのが、NewsPicksアカデミアであり、「畳み人サロン」なわけですが、世の中でまだ正解がないことを、自分がかきわけていく。これはおもしろいです。
これまでのヒエラルキー型の会社組織と、「お金」をインセンティブとする社会の仕組みは、今、どう考えても行き詰っているなと感じています。経済成長も停滞しているし、「お金」が働くことのモチベーションにならない人も増えてきています。
これからは、よりフラットで、「やる気に基づいたリソースの出し合い」をするメンバーと何かをやっていくという形に、組織が変わらないといけない。
そういったことを最先端でやっているのが、NewsPicksアカデミアであり、「畳み人サロン」なわけですが、世の中でまだ正解がないことを、自分がかきわけていく。これはおもしろいです。