2018.4.19
名前は、稲垣えみ子さん。名前を聞いてもピンとこない人も多いかもしれませんが、テレビ朝日の番組『報道ステーション』で解説員として出演したアフロの女性と言えばイメージできる人もいるのではないでしょうか? 一部では有名な話だそうですが、あの彼女がなんと月々200円以下の電気代でマンション暮らしをしているというのです。一体なぜ? どうやって? 疑問は尽きないので、彼女が自身の生活について綴った『寂しい生活』を手に取った次第です。
その内容を読んでみると、タイトルの「寂しい」とは裏腹に電気代の節約を楽しみ、逆にこれまで失われていた感性を取り戻す様子が克明に描かれていました。ものを持たないミニマリストとも若干異なる、超節約生活を覗いてみましょう!
きっかけは「原発事故」!節電にハマる!
一橋大学を卒業後、新聞記者となった稲垣さん。報道に携わる中で2011年3月11日を迎えます。当時は大阪に勤務していたそうですが、そこで福島第一原発の衝撃的な事故映像を目の当たりにします。こんな時、マスコミは必ず次のトラブルを防ぐ意味でも「責任者は誰だ?」と追求しますが、その中で「もしかして原発のことを知らなかった自分に責任があるのでは?」という言い知れぬ感情が芽生えたのです。
そして、自分の価値観をリセットする意味で決意したのが「個人的脱原発」。月々の電気代を現在の半分に減らす努力をしてみたのです。家電の待機電力をカットしたり、お風呂場の換気扇を回す時間を大幅に減らしてみたり。しかし、元々の電気代も2,000円程度とかなり低めだったこともあり、削れる部分がそれほどない…。作戦は早々に頓挫してしまいます。
松下幸之助流の発想の転換!暗闇生活のスタート!
まるで乾いた雑巾を絞るような「努力の節電」をしていた稲垣さん。しかし限界がありました。そんな時に思い出したのが「経営の神様」松下幸之助氏のエピソード。
実は松下電器が経営不振に陥った際「電気代を1割減らす」という目標を立てたものの上手くいかなかったことがあったのだそうです。その時、悩む幹部たちを前に幸之助氏が伝えた一言。それは「それでは目標を変えて、1割減ではなく半減を目標にしましょう」というものだったのです。
普通なら目標を小さく設定してみようと考えるところ、幸之助氏は真逆の提案。しかも、半減という途方もないレベルの提案です。しかし、これには1割を減らすために思いつくことはたかが知れている。もっと根本的な発想の転換が必要だというメッセージが込められていたのです。
このエピソードに感化された稲垣さん。なんと「電気代を半減」という目標から「電気代の全滅」を目指すことに!それからというもの、電気はないものと頭を切り替えます。マンションのエレベーターも使わず、夜仕事から帰ってまずすることは「目を暗闇に慣らす」。その徹底ぶりに思わず笑ってしまいましたが、この大胆な生活の切り替えが思わぬ恩恵をもたらしてくれることになるのです。
世界幸福度No.1デンマークに伝わる魔法の言葉 『ヒュッゲ』とは⁉

デンマークと言えば、国連の世界幸福度調査で何度もNo.1になってきた常連国で、世界最高レベルの社会保障が受けられることで有名な国。しかし、その分税金は世界最高レベル、天候は雨や曇りが多くどんよりした気候。他の欧州の国々と比べて環境面で優れているとは言えないのです。そこで、研究者たちが注目したのがデンマーク独自の価値観『ヒュッゲ』だったのです。