2018.11.7
市内には、17世紀に作られた運河が網の目状に流れていることで知られ、その歴史的・文化的な意義から世界遺産リストにも登録されています。さらには美術館や広場など“フォトジェニック”なスポットが多いことでも、近年話題を呼んでいる都市の1つです。
そこで今回は、いつかアムステルダムで暮らしてみたいという人のために、実際に暮らす上で必要な生活費などを紹介します。一体どのくらいのお金がかかるのか? 日本の暮らしとどんな点が異なるのか? 今後の人生設計の参考にしてみて下さい。
(※ 記事では、1ユーロ(EUR)=130円として計算しています)
世界遺産都市の物件は少々割高
オランダの都市は、全体的に家賃が上昇していると言えます。特にアムステルダムは人気の都市ということで物件入居の競争率も激しく、1ベッドルームでも家賃の相場は1,000ユーロ(約13万円)を下回らないことが多いです。
そのため、家賃を抑えるために、シェアハウスの個室を賃貸するという選択肢も一般的です。共有のキッチン・トイレ・バスなどが付いて、上記の半額程度の相場で探すことができます。近年は女性限定の物件なども増えていることも、治安の面で心強いです。
貯蓄に余裕があり、すぐにでも生活を始めたい場合は、完全家具付きの契約がオススメです。その名のとおり、洗濯機や冷蔵庫、ベッドや机に至るまで賃貸に含まれており、引っ越し作業や買い物の手間が省けます。
家賃に加えて必要な光熱費に関しては、ほぼ日本と同程度の料金と見て問題ありません。インターネット等の通信費は日本より若干安く、街に出れば公共機関などが提供するWi-Fi環境なども充実しています。
移動に欠かせない自転車
オランダでは、自転車が最もポピュラーな交通手段となっており「自転車大国」とも呼ばれています。アムステルダムは、世界有数の自転車先進都市で“市民の数よりも自転車の台数の方が多い”という統計も明らかにされているほどです。
自転車移動のための整備が充実しており、市内のほとんどの道路には自転車専用レーンが設けられています。また、駐輪スペースも街の至る所に設置されており、停める場所を容易に見つけることが可能です。アムステルダム中央駅の裏には、数1,000台もの収容量を誇る世界屈指の大型駐輪場もあり、常に市民の自転車で埋め尽くされています。
市の面積も約220平方キロメートル(東京都の10分の1以下)と狭いため、実際に乗ってみても、十分に移動できることでしょう。乳幼児がいる保護者でも、「bakfiet」という自転車(大きなカゴ付き)を利用すれば、子供数人を乗せて運転することが可能です。
その他、市内の交通手段としては、バスやトラム(路面電車)がありますが、料金は日本と同じか少し高い程度。ちなみに、電車にも自転車を持ち込める(車種による・一部有料の場合もあり)ことからも、市民のライフスタイルに大きく自転車が根付いていることが分かります。
そんな自転車の相場ですが…1台・50ユーロ(約6万5,000円)以上と、日本のディスカウントストアなどで売られているものと比べると少々高め。オランダには、自転車を“一生モノ”として長く乗る価値観があることが、一つの原因として言えるでしょう。
とはいえ、一度購入してしまえば交通費を大きく節約できますし、安く抑えたい場合には、中古やレンタルサービスという選択肢もあります。移住をして長く生活をすることを考えるならば、必ず1台は利用できる環境を整えておくことをオススメします。
スーパーとマーケット(市場)で自炊生活
最後に、生活に欠かせない「食」に関してはどうでしょうか?
オランダ人には、「生きるために食べる」という国民性があり、あまりグルメ・外食を楽しむ文化が無いと言われています。もちろん、レストランなどの外食店はありますが、値段は高く、1食あたり15ユーロ(約1,950円)以上かかってしまうことも珍しくありません。
一方、スーパーに売られている食料品において、野菜・果物・乳製品などは、日本よりも安く購入することが可能です。特に、ビールとワインなどの酒類は圧倒的に安く、有名なハイネケンでも1本あたり1ユーロ(130円)以下、手ごろなワインなら1本あたり3ユーロ(390円)程度で購入できてしまいます。
また、多くの場所ではマーケット(露店市場)も開催されており、食料品以外にも、衣類や雑貨など様々な品が売られています。特にアルバート・カイプ通り(市の南西)で開催されるマーケットの規模は、国内でも最大級の規模・歴史を誇り、連日多くの市民や観光客で賑わいを見せています。
この様に、市内は安く新鮮な食材を手に入れる環境に恵まれています。自炊を心がければ、食費の節約はそう難しくないと言えるでしょう。
以上、アムステルダムでの生活費の目安をご紹介しました。家賃を除けば、現地での出費は日本よりも安く済む印象を受けます。これらを参考にして、移住への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。