誰もが平和的な決着になることを望みながらも、もしも、軍事衝突が起きたならばというワーストシミュレーションを想定しておくことは富裕層にとって不可欠です。それは、自分の資産を色々な通貨に分散していることも関係しています。今日は、俯瞰的に世界を見ている富裕層の目線をお伝えします。
予想はできなくても起こりうる可能性を考え尽くす
為替の見通しを立てるのは、外国為替の専門家でも難しいと言われています。それなので、いくら富裕層とはいえ、為替見通しをバッチリ当てることは容易ではありません。しかし、資産を長く守ってきた経験から、富裕層が為替相場の見通しを立てていくときの思考の過程は非常に参考になります。
今回のケースについていえば、武力衝突=有事になった際、具体的にどこの国がダメージを受けるのかを考えるようです。そして、その結果、その国の通貨から、資金が流出するのか、流入するのかをイメージしています。
まずは、投資資金の流れ。もし、もしもですが、最悪なことに日本が被害を受ける事になったとします。絶対に想像したくないですが……。
さて、そうなると日本の街は残念がら被害を受け経済は混乱します。その結果、日本の株を3割程度保有する外国人投資家は、日本をどのように見るでしょうか。多分、「経済が低迷しそう、復興に時間がかかりそう、他の国と比べると成長が低くなりそう」というように彼らの目には映るのではないかと思います。
そのように感じた海外の投資家は、「日本の株を売って資金を引き上げよう」と考えるわけです。これにより資金が日本から流出し、円の資産を外貨に替えるため、多くの円売りの経済活動が起こり、結果円安の傾向になるとまずは考えるわけです。
そのように感じた海外の投資家は、「日本の株を売って資金を引き上げよう」と考えるわけです。これにより資金が日本から流出し、円の資産を外貨に替えるため、多くの円売りの経済活動が起こり、結果円安の傾向になるとまずは考えるわけです。
まさに自分が投資を行っている富裕層だからこそ最初に考える観点です。
ただ、経済ニュースでも概ね同じ意見を見かけます。富裕層はこれでは考えを終えることはありません。
ただ、経済ニュースでも概ね同じ意見を見かけます。富裕層はこれでは考えを終えることはありません。
富裕層は、自身の身に置き換えて考える
富裕層が次に着目するのは、日本の低金利です。金利の安い円を借りて海外資産へ投資をしていた投資家、または企業はどう行動するのだろうか考えるようです。富裕層たち自身がそのような行動をしているからこそ考えつくともいえますね。
それはさておき、では実際に、日本が被害を被ったとしたら。街が壊滅的な被害を受けたら、富裕層はどのような行動をとるでしょうか。
それはさておき、では実際に、日本が被害を被ったとしたら。街が壊滅的な被害を受けたら、富裕層はどのような行動をとるでしょうか。
日本が復興するためには相当な円が必要になります。そうなると、海外にあるお金が日本に還流してくると仮説を立てます。しかも、富裕層は自身のことに置き換えて考えてもみるようです。
仮に、自分の日本の自宅が被害を受けた。建て直すとなればかなりの費用がかかる。でも、銀行が貸してくれるかわからないので、自分の海外の資産をいざというときのために円に替えておこう。自分だけじゃない。自社ビルや工場を持っている企業も同じ行動を取るだろう。そうなると、多くの人が、外貨で持っている資産を売って円を買う行動をとるだろう。ということは、円買い&外貨売りになるので、これで円高になるかもしれないと想像するわけです。
仮に、自分の日本の自宅が被害を受けた。建て直すとなればかなりの費用がかかる。でも、銀行が貸してくれるかわからないので、自分の海外の資産をいざというときのために円に替えておこう。自分だけじゃない。自社ビルや工場を持っている企業も同じ行動を取るだろう。そうなると、多くの人が、外貨で持っている資産を売って円を買う行動をとるだろう。ということは、円買い&外貨売りになるので、これで円高になるかもしれないと想像するわけです。
さて、この時点で円安と円高のシナリオが想定できました。しかし、まだまだ見通しの最終判断には至りません。さらにもう一歩踏み込んで、米国が被害にあったときのことも想定しにいきます。