2017年9月10日 更新

富裕層の考える軍事衝突後の為替シナリオ

富裕層は、世界の様々な資産に分散投資をしています。これは、アセットアロケーションと呼ばれる資産防衛の伝統的な手法です。今、富裕層にとって想定をしておかねばならないことがあります。それは、現在、緊張感が高まっている朝鮮半島の軍事衝突についてです。

誰もが平和的な決着になることを望みながらも、もしも、軍事衝突が起きたならばというワーストシミュレーションを想定しておくことは富裕層にとって不可欠です。それは、自分の資産を色々な通貨に分散していることも関係しています。今日は、俯瞰的に世界を見ている富裕層の目線をお伝えします。

予想はできなくても起こりうる可能性を考え尽くす

為替の見通しを立てるのは、外国為替の専門家でも難しいと言われています。それなので、いくら富裕層とはいえ、為替見通しをバッチリ当てることは容易ではありません。しかし、資産を長く守ってきた経験から、富裕層が為替相場の見通しを立てていくときの思考の過程は非常に参考になります。
今回のケースについていえば、武力衝突=有事になった際、具体的にどこの国がダメージを受けるのかを考えるようです。そして、その結果、その国の通貨から、資金が流出するのか、流入するのかをイメージしています。
まずは、投資資金の流れ。もし、もしもですが、最悪なことに日本が被害を受ける事になったとします。絶対に想像したくないですが……。
さて、そうなると日本の街は残念がら被害を受け経済は混乱します。その結果、日本の株を3割程度保有する外国人投資家は、日本をどのように見るでしょうか。多分、「経済が低迷しそう、復興に時間がかかりそう、他の国と比べると成長が低くなりそう」というように彼らの目には映るのではないかと思います。
そのように感じた海外の投資家は、「日本の株を売って資金を引き上げよう」と考えるわけです。これにより資金が日本から流出し、円の資産を外貨に替えるため、多くの円売りの経済活動が起こり、結果円安の傾向になるとまずは考えるわけです。
まさに自分が投資を行っている富裕層だからこそ最初に考える観点です。
ただ、経済ニュースでも概ね同じ意見を見かけます。富裕層はこれでは考えを終えることはありません。

富裕層は、自身の身に置き換えて考える

富裕層が次に着目するのは、日本の低金利です。金利の安い円を借りて海外資産へ投資をしていた投資家、または企業はどう行動するのだろうか考えるようです。富裕層たち自身がそのような行動をしているからこそ考えつくともいえますね。
それはさておき、では実際に、日本が被害を被ったとしたら。街が壊滅的な被害を受けたら、富裕層はどのような行動をとるでしょうか。
日本が復興するためには相当な円が必要になります。そうなると、海外にあるお金が日本に還流してくると仮説を立てます。しかも、富裕層は自身のことに置き換えて考えてもみるようです。
仮に、自分の日本の自宅が被害を受けた。建て直すとなればかなりの費用がかかる。でも、銀行が貸してくれるかわからないので、自分の海外の資産をいざというときのために円に替えておこう。自分だけじゃない。自社ビルや工場を持っている企業も同じ行動を取るだろう。そうなると、多くの人が、外貨で持っている資産を売って円を買う行動をとるだろう。ということは、円買い&外貨売りになるので、これで円高になるかもしれないと想像するわけです。
さて、この時点で円安と円高のシナリオが想定できました。しかし、まだまだ見通しの最終判断には至りません。さらにもう一歩踏み込んで、米国が被害にあったときのことも想定しにいきます。

幅広い視野と教養でさらに深化

22 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

富裕層から学ぶアセット・マネジメント〜分散編〜

富裕層から学ぶアセット・マネジメント〜分散編〜

200年に渡り資産を築く富裕層は戦術と戦略が徹底されていることを前回お伝えしました。今回は、分散を活かして富裕層はどんな時も資産を増やし守り続けることをお伝えします。
富裕層から学ぶアセット・マネジメント〜戦略と戦術編〜

富裕層から学ぶアセット・マネジメント〜戦略と戦術編〜

200年に渡り資産を築く富裕層はリスク管理を徹底していることを前回お伝えしました。今回は、この富裕層はどんな時もある戦術で資産を増やし守り続けることをお伝えします。
富裕層から学ぶアセット・マネジメント〜リスク編〜

富裕層から学ぶアセット・マネジメント〜リスク編〜

200年にも渡り世代を超えて大きな資産を守りながら増やしていく富裕層の資産運用術。その運用術には、勘に頼らないしっかりと裏付けがあります。学べば誰でも使える極意を数回に渡り読み解きます。今回はリスク編。
1本100万円のワインはなぜ生まれるのか

1本100万円のワインはなぜ生まれるのか

かの有名なロマネ・コンティが100万円のワインであるということは誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。では、ロマネ・コンティをはじめとした超がつく高級ワインはどんな富裕層が購入しているのでしょうか。
富裕層の関心は常に一歩先を行っている

富裕層の関心は常に一歩先を行っている

今年に入り新型肺炎が拡大しています。その拡大や状況についていは逐一ニュース番組や新聞で報告され、多くの人が関心を持っていますが、もちろん富裕層もその拡大可能性や被害者に対して心配を持ちつつ、それだけでなくそれに加えて一歩先の展開に関心を持ってることがわかりました。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

渋谷 豊 渋谷 豊
お金の教養講座
お金と投資のセミナー情報(無料)

お金の教養講座

おすすめ

お金の教養講座

⼤⼈として知っておきたいお⾦の知識。
⼈⽣そのものを充実させるためのお⾦の基礎講座

月5万円で資産1億円を目指すゴイチセミナー

1億円を作った人が実践してきた「資産運用のルール」を真似しよう


ファイナンシャルアカデミー公式SNS