2020年2月13日 更新

経済状況は悪くないのに、日本の消費者意識が楽観的にならない理由

消費者信頼感指数(日本は消費者態度指数)の数値は、日本は主要各国と比べて悲観的です。雇用や物価や企業業績への不安感は薄くても「可処分所得」の伸びがマイナスになった影響が大でした。「結果の数字」も大事ですが、「空気感」もおろそかにはできません。

2020.2.13

「消費者信頼感指数」を国際比較すると

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「消費者信頼感指数」という経済指標があります。英語ではConsumar Confidence Index、略して「CCI」で、日本では内閣府が「消費動向調査」の一部として「消費者態度指数」という名前で発表しています。主要国の政府は毎月公表していますが(ロシアは四半期ごと)、国によって計算の方法や数値の表し方が違うので、単純に国際比較はできません。
日本の消費者態度指数は、消費者の景気への意識、個人消費への意欲を示す経済指標で、調査員が実際に消費者に「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」について聞き取り調査を行って集計し、数値が50より上なら楽観的、50を下回れば悲観的とされています。
経済産業省の「商業動態統計」の「小売業販売額」は、小売店で商品が実際どれだけ売れたかという結果の数字ですが、消費者態度指数は消費意欲という人間の心理、気持ち(センチメント)を測るので「センチメント指標」と呼ばれています。
世界の主要各国の2019年10月の消費者信頼感指数(消費者態度指数)の数値を、ちょうど1年前、2年前のそれと比べてみると、各国の消費者の消費意欲の変化がわかります。
ヨーロッパ主要国は一進一退で、アメリカ、カナダ、韓国、中国はほぼ横ばい、日本は44.5→43.0→36.2で、2008年のリーマンショック以来50を超えない「悲観的」な数字が続く上に、2019年9月まで22ヵ月もマイナスか横ばいで、10月、久しぶりに上昇しました。その悪化ぶりは、石炭など資源価格の下落で景気が下向きのオーストラリアや、隣国シリアの戦乱に巻き込まれて治安が悪化し、市民生活がアメリカの経済制裁に脅かされているトルコに匹敵します。

経済状況は悪くなくても悲観的な日本人

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もっとも、2019年10月のトルコの失業率は14.0%もあり、オーストラリアの失業率は5.3%でしたが、日本は2.4%で1年前と同じでした。2年前の2.8%と比べ改善しています。アメリカの3.6%、欧州連合全体の6.3%、ドイツの3.1%、フランスの8.5%、イタリアの9.7%より低く世界最低水準です。有効求人倍率は1.57で、求職者2人に対し求人は3人分以上あります。食料品の値上がりは社会不安を呼び過去の革命や暴動の引き金になった歴史がありますが、日本の食料品の消費者物価指数は消費税率が8%に据え置かれたこともあり、安定しています。
GDP成長率は4四半期連続プラスで、株価も為替レートも安定。選り好みしなければ働き口、収入源は必ずあり、食料品の高騰に生活を脅かされることもなく、戦争にも内乱にも経済制裁にも直面してもいない日本人は、なぜこんなにも悲観的で、消費意欲が低下しているのでしょうか?
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