仕事の面白さに目覚める5つの映画

カルチャー
人間だから、たまにはスイッチが落ちることもあります。そんなときにスイッチが入る映画を5つご紹介したいと思います。
2017.2.13

最近みなさんの耳に残っている一番の言葉はなんですか? もしかしたら、これではないでしょうか。
“From this day forward, it’s going to be only America first – America first! ”
──今日から「米国第一主義」だけ実施する。米国第一主義。

2017年1月20日に行われたトランプ大統領の就任演説からの引用です。“〇〇第一主義”と聞くと、横柄で自己中心的だなぁと思う人も多いのではないでしょうか。でも、私はもう少し大きくこの言葉をとらえて、アメリカが再び富国を目指し自分たちの強みを高めていくことだと考えてみました。おや、良くとらえすぎでしょうか?

さて、矢継ぎ早にTPPからの脱会なども宣言され、これからの国際情勢は、ますます不透明になりそうです。そこで、思い切って私たちも「自分第一主義!」を宣言してみませんか。これは、どんな環境でも力強く生きるために自分の能力を高めるということを目指したものです。

ということで、自分にスイッチを入れて今まで以上に仕事に対してテンションを上げていく必要があります。でも、人間だから、たまにはスイッチが落ちることもありますよね。本日はそんなときに観てほしい、スイッチが入る映画を紹介します。

1. 自分の信念で道を開いた良心ストーリー

トランプ大統領の演説に関して、「アメリカの良心」というフレーズをニュースで見かけました。私の中でアメリカの良心としてイメージできる俳優といえば、トム・クルーズです。名前を知らない人はほとんどいないはず。そのトム・クルーズが「良心と信念」を心に秘めて仕事と向かい合った映画をご紹介します。
作品:「ザ・エージェント」(原題「Jerry Maguire」)
主演:トム・クルーズ、レネー・セルビガー(ブリジットジョーンズの主演女優)
制作:1996年(米国)
主人公のジェリー・マグワイア(トム・クルーズ)は、全米屈指のスポーツエージェンシーSMIに所属する有能なエージェントです。若くて仕事もできて有望。ただし、SMIは、クライアント(スポーツ選手)のことなど一切考えずに移籍金による金儲けのことばかり。誰も、選手のケアなど考えていませんでした。ある日、マクガイアは「良心」に目覚めます。クライアント思いの会社になろうと、思い切って会社に提案しました。でも、マグワイアは会社を追われることに。苦悩と良心のせめぎ合いを経て、最終的に彼は……。現状に流されることなく、あるべき信念を貫きながら、人のために尽くす仕事をして、家族と友人とも絆を深めていくアツ〜い映画です。

2. 明日からスカッと爽快に信念を貫きたくなる映画

次に紹介するのは、こちらも「信念貫き系キャリアウーマン」映画。キャリアウーマン系の映画は多数ありますが、やはりこの映画は秀逸です。アン・ハサウェイの演じる芯が強く、キュートな女性は、もちろんロールモデルになります。加えて、シーンを彩るNYの素晴らしい町並みがさらにテンションを上げてくれること間違いなしです。
作品:「プラダを着た悪魔」
主演:アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ
制作:2006年(米国)

主人公の上司が、とにかく「鬼」です。でも、憧れのジャーナリストになりたい。とにかく頑張るというストーリーですが、「鬼」相手に主人公がもがいてもがいて成長していく姿勢にビジネスのヒントが満載です。まさにロールモデル。例えば、相手の気持ちを考えて先回りして……など。あなたは何個、ビジネスのヒントを見つけ出せるでしょうか。そして主人公が最後に選んだ自分の道は……。 女性のみならず、男性が観ても、明日から「自分も頑張らなくては!」という気持ちになるはずです。

追加情報です。鬼上司役のメリル・ストリープは、2017年1月のゴールデングローブ授賞式で、痛烈なトランプ批判をしていましたね。

3. 人の言葉に流されて無心にトライしてみたくなる映画

3本目に紹介するのは、アメリカンドリームを実現させた実在する人を描いた映画です。一度事業で失敗した男が見事に復活します。ベタですが、実在なのでテンションが上りますね。
作品:「幸せの力」(原題「The Pursuit of Happyness」)
主演:ウィル・スミス、ジェイデン・スミス(ウィル・スミスの実際の息子。リアル〜)
制作:2006年(米国)
医療関連事業で失敗してホームレスになるところから始まります。その後、株のトレーダー養成コースを経て、一流証券会社勤務で成功したという映画です。ここでのビジネスヒントは、「流される力」ではないでしょうか。お金に苦労した主人公が、ある男の言葉を素直に信じて無心に取り組む。これこそ人間の成長に欠かせない能力です。どのシーンでしょうか? 是非、そのシーンをお見逃しなく。

4. 日本のお父さんたちお母さんを改めて尊敬したくなる映画

4本目にご紹介するのは、待っていました!日本の映画です。いや〜、自分で選んでおきながら、洋画ばかりでどうなることかと思いましたが、日本にもテンションが上がるものはいっぱいあります。さて、戦後の日本を引っ張った産業といえば、そう製造業
ですね。この映画は、メーカーを支える技術者が、自分の信念を貫き通し成功を収めたすごく素敵な話です。
作品:「陽はまた昇る」
主演:西田敏行、渡辺謙、緒形直人
制作:2002年(日本)
VHSの開発をめぐり、家電メーカーである日本ビクターをモデルにした映画です。経営陣と対立しながらも、自分の信念を貫き通した話ですが、何度観てもスカッとします。カッコいいです。主人公はリストラで左遷、会社の支援もほぼなし、でも愚直に開発して、ついに……。
保護主義が世界を席巻するかもしれない今だからこそ、日本の先輩ビジネスマンがどういった気持ちで日本経済を支えていたのか見ておくべき一本です。

5. 国と国民が一致団結するとなん〜でもできそうに思る映画

最後の5本目は、スポーツ映画から。みなさんは、スポーツがビジネスに使えるのは、「根性」だと思っていませんか。是非、この映画からは「リーダーシップ」を感じ取ってほしいです。
作品:「インビクタス」
主演:マット・ディモン、モーガン・フリーマン(監督は、クリント・イーストウッド)
制作:2009年(米国)

この映画は、ネルソン・マンデラ、アパルトヘイト、ラグビーの話です。ちなみに「インビクタス」は、征服されない者という意味です。ネルソン・マンデラと南アフリカ・ラグビー代表がスクラムを組んで国が団結しますが、それまでのマンデラとキャプテンの「リーダーシップ」が半端じゃありません。凄すぎます。「人の心を動かすには」と考えると、つい明日から会社で力が入りそうです。そして、今の時期だからこそ、One Nationについて考えさせられる映画です。マンデラ大統領がキャプテンに尋ねます。「人の心を動かすのは」──その答えとは。

ということで、仕事の面白さに目覚める5つの映画をご紹介しました。ご存知の映画も多かったはずですが、ビジネス目線でもう一度見てみると新たな発見と、明日へのモチベーションになるのではないかと思います。

渋谷 豊

ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所(FAG総研) 代表 ファイナンシャルアカデミー執行役員

シティバンク、ソシエテ・ジェネラルのプライベートバンク部門で約13年に渡り富裕層向けサービスを経験し、独立系の資産運用会社で約2年間、資産運用業務に携わる。現在は、ファイナンシャルアカデミーで執行役員を務める傍ら、富裕層向けサービスと海外勤務の経験などを活かし、グルーバル経済に関する分析・情報の発信や様々なコンサルティング・アドバイスを行っている。慶応義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
ファイナンシャルアカデミー http://www.f-academy.jp/

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