2018.3.1
そんな彼女がタイトルに選んだ言葉『LEAN IN』とは日本語で「一歩踏み出そう」という女性に向けたメッセージ。彼女自身が様々な体験や失敗をしながらたどり着いた「働く女性が一歩踏み出し、そのキャリアを好転させる方法」を紹介しています。
しかし本書は、女性のためのアドバイスを伝えると同時に男女の考え方の違いで起こる様々な問題にも触れていて、なおかつ女性の権利を一方的に主張するものでもないので、男性にも読み易く新たな気づきを与えてくれるでしょう。では、あのマーク・ザッカーバーグも絶賛する本書の内容に迫りたいと思います!
女性が踏み出すための第一歩は「同じテーブルに着く!」
アメリカで絶大な人気を誇るプレゼンショー『TEDカンファレンス』に登場し、「なぜ女性リーダーは少ないのか?」と題したスピーチで絶大な支持を得た彼女ですが、この問題に取り組むようになったきっかけのひとつを紹介しています。
それは、彼女がフェイスブックにビジネスパートナーたちを招いてランチミーティングを開催した時の事。メインゲストの男性は4人の女性アシスタントを連れて参加したそうですが、ミーティングを始める際、女性は4人とも当たり前のように部屋の隅にある椅子に着席。テーブルに同席するよう呼び掛けても戸惑うばかりだったそうです。一見、日本の会社でもよくある光景ですが、彼女はこの4人の消極的な行動に「女性の内なる障壁」の存在を強く感じます。
実は、この4人が同じ場に呼ばれながら遠慮したように、十分に実力がありながら理由もなく自信を無くしてしまう症状には「インポスター・シンドローム」という名前がついており、男性よりも女性に顕著に現れるのだといいます。人事を担う著者の実体験でも、女性よりも男性の方がチャンスに飛びつくスピードが速い傾向があり、女性はほとんどの場合自己評価を低く見る傾向にあるといいます。
女性には取り巻く環境や社会制度といったハンデもありますが、正当に評価されることに罪悪感を感じてしまう「内なる壁」を自分で作り出してしまっている。心当たりがある場合はこれを自覚し、小さなことからでも行動に移す(同じテーブルに座る)ことが大切ですね。
「できる女は嫌われる」は本当なのか?
第3章では興味深い心理学実験の結果を紹介。コロンビア大学とニューヨーク大学の共同実験では、ある起業家が成功するまでのストーリーを2グループの学生に読ませる実験を行いました。そのストーリーはどちらも「強烈な個性の持ち主で…ハイテク分野の著名な経営者に顔が広く…」というように同じ内容ですが、唯一異なるのはそのストーリーの主人公がハイディ・ロイゼンという女性か、ハワード・ロイゼンという男性か、というものでした。
仕事における男性像と女性像の違いを調べるために行ったこの「ハイディ・ハワード」検証実験。その結果はというと…2つのグループの学生たちは、能力面では両者を同等に評価したのに「一緒に働きたいですか?」という質問に対しては真っ二つ!男性のハワードとは一緒に仕事をしたいという声が集まったのに対して、女性のハイディには「一緒に働きたくない」「自分が経営者だったら採用しない」という声が集まったのです。
ニューヨーカーの心を動かす「47の言葉」!前向き名言集!

書籍の人気ジャンルのひとつでもある「格言・名言集」。ネット上にも格言をテーマにした「○○なときに心に響く格言集」などが非常に多い事からもその人気を伺い知ることができます。そんな中、ちょっと興味深い切り口の本があったので手に取ってみました。タイトルは『ニューヨークで学んだ「私を動かす」47の言葉』。