2018年5月29日 更新

フェイスブックCOOが考える女性活躍社会! 『リーン・イン』に学ぶ!

2017年の時点で、全世界で160万部を突破。日本でも12回目の増刷をするまで売り上げを伸ばしている『LEAN IN(リーン・イン)』。著者はグーグルのスタートアップにも関わり現在はフェイスブックで最高執行責任者(COO)を務める女性、シェリル・サンドバーグ氏。フォーチュン誌が選ぶ「世界で最も有力な女性50人」などにも選出されているシリコンバレーの超有名人です。

「ハワディ・ハワード実験」が示した残酷な結果

実験が示したのは、成功と好感度は男性の場合には正比例し、女性の場合には反比例するということ。つまり「できる女性は嫌われる」。女性は献身的であるべきというようなステレオタイプが男性に、そして女性自身にも浸透した結果、働く女性が一歩踏み出すことは難しくなっているようです。

この問題を今すぐに解決するのは難しいですが、著者の体験としての解決策も紹介。それは、男性上司に意見を言う場合や交渉する際に、「私はそう思う」と個人として主張するよりも「私たちにとって有益」という集団のメリットを訴える言い回しをする方法。はっきりとモノを言い競争をする姿勢を和らげることで、いい結果を得るという手段です。
これは最初に紹介した「同じテーブルに座る」考えと相反するようにも思え、実際には微妙なさじ加減が必要なのかもしれません。ですが、女性に対するステレオタイプなイメージがすぐには改善されない以上、職場の男性との関係性に困っている女性は検討する価値があるのではないでしょうか?また逆に、男性は女性に期待する古いイメージを取り払い、フラットに接するように心がけたいものです。

出世は梯子ではなくジャングルジム!

よく出世は階段や梯子(はしご)に例えられますが、社会状況や転職率の上昇などを見ても、ひとつの仕事で人生を全うする人は少なくなっていくでしょう。そこで、女性はもっと自分が成長できるチャンスと感じたら飛びつく勇気を持ってほしいと著者は訴えます。
イメージは、登るルートがひとつだけの梯子ではなく、ジャングルジムのようにいろんなルートを経験しながら上を目指すこと。時にはリスクをとりながら自分の成長に賭けてみることも大切だといいます。
この例えは非常に秀逸。男性の自分にとっても参考になる言葉として、今後大きな決断に迫られたときなどに思い出したいと感じました。

いま日本は『女性活躍社会』を推進し働く女性のための法整備も進んでいますが、その一方で「女性が輝く社会へ」などのキャッチコピーに嫌悪感を抱く女性も多く存在するそうです。本書ではこうした微妙な男女の考えのすれ違いの原因についても考察しているので、男性にとっても非常に興味深く読むことができる内容だと感じました。

横山ケン太

趣味は財テクとアウトドア。フリーの作家として活動中。
28 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

「新型コロナ不況」が来ても、かつてのような就職氷河期は再来しない理由

「新型コロナ不況」が来ても、かつてのような就職氷河期は再来しない理由

新型コロナ不況で企業の採用が激減し、就職氷河期が再来するのでしょうか? 少子化で新卒者の人口は減る一方で、採用を絞ると後が怖いのです。また、就職氷河期と比べると企業内の人口構成が変化し、不況が来ても新卒採用を維持できる余裕も生まれています。
経済 |
新型コロナで株価が大きく下がっても、日本の年金が破たんしない理由

新型コロナで株価が大きく下がっても、日本の年金が破たんしない理由

今年、新型コロナ肺炎大流行の影響で日経平均株価は最大32.2%下落しました。年金資産は株式でも運用しますが「年金制度が破たんするのではないか?」という心配は無用です。なぜなら年金積立金は約120兆円で、運用益の蓄積も約75兆円と大きいからです。
経済 |
大暴落相場では何を目安にすればいいのか。PBRに着目

大暴落相場では何を目安にすればいいのか。PBRに着目

今回のような歴史的な暴落相場では、PERといったファンダメンタル指標や、騰落レシオといったテクニカル指標はあまり当てになりません。とくに騰落レシオは、これまで想像もしたことがない異常値が出現しました。
【原油先物大暴落】目を背けず波乱相場の中からヒントを探す

【原油先物大暴落】目を背けず波乱相場の中からヒントを探す

2月下旬から激しさを増す投資環境。長らく強気相場が継続していたことからすきを突かれたと感じた投資家も多かったはずです。だからこそダメージも大きいはず。しかも、質の悪いメディアはこの波乱相場をできるだけドラマ仕立てにしてあおりますが、投資家たるものここは冷静にfactfulnessで判断すべきです。市場がザワついている時こそヒントを冷静に探り備えることが大切です。
今は1年に1回の大きなチャンス

今は1年に1回の大きなチャンス

日本株がここ1週間で急激な下げに見舞われています。日経平均は2月25日に2万3,000円、27日には2万2,000円を下回り、3月2日には2万1,000円を割り込む局面があったほどなのです。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

STAGE編集部 STAGE編集部
お金の教養講座
お金と投資のセミナー情報(無料)

お金の教養講座

おすすめ

お金の教養講座

⼤⼈として知っておきたいお⾦の知識。
⼈⽣そのものを充実させるためのお⾦の基礎講座

月5万円で資産1億円を目指すゴイチセミナー

1億円を作った人が実践してきた「資産運用のルール」を真似しよう


ファイナンシャルアカデミー公式SNS