2018.9.20
腰で歩く習慣を身につける
まず自分自身がどのような格好で歩いているか確認するところから始めましょう。なぜならば、ほとんどの人は自分の歩き方を知らないためです。悪い部分がわからなければ改善のしようがありません。そのため数十秒間で良いので、自分の姿が確認できるような場所で歩いている姿を正面と横から眺めてみてください。ガラス張りの建物があれば、確認しやすいでしょう。
背中が丸まり、首が前に出て、小走りするような歩き方は誰が見ても「悪い姿勢」とわかります。しかし、胸を張った良い姿勢で歩いていると思っていても、実は「悪い姿勢」になっていることが少なくありません。ミリタリーポスチャーと呼ばれるこの姿勢は、過剰に胸を張ることで腰が不自然に反るため、腰痛の原因になることがあります。
正しい姿勢で歩くためには、ポイントが3点あります。頭頂部を糸で吊るされているかのように自然に背筋を伸ばすこと、あごを引きまっすぐ前を見ること、そして腰で歩くことです。
頭頂部を糸で吊るされているかのように意識することで、猫背の人は背筋が伸び、ミリタリーポスチャーの人は胸を張りすぎない自然な姿勢になります。また、特に日本人は歩いている時に頭部が前に出ることが多いです。そのため、あごを引くことで背骨の上に頭蓋骨を収めることができ、良い姿勢を保つことができます。
そしてもっとも大切なことが腰で歩くことです。股関節ではなく、ヘソ辺りから足が生えている感覚で歩くようにしましょう。上手くイメージできない場合は、ヘソに重心を置き、腰を前に出すことで歩くように意識してみてください。そうすることで骨盤が前傾・後傾することなく、最適な歩幅で、そして正しい姿勢で歩くことができます。このように上半身だけでなく下半身を意識することで、歩く姿勢は格段に良くなります。
椅子に座っている時も姿勢を意識
正しい歩き方ができない人の多くは、椅子に座っている時の姿勢も悪い傾向にあります。この椅子に座っている時の姿勢を正しくすることで、歩く姿勢を良くすることができます。そのためには、体幹と頭、足を意識することが重要です。
椅子は背もたれのないものを用意してください。そして腰を丸めたり反らしたりせずに、頭と体幹が一直線になるように背筋をまっすぐ伸ばします。この時も歩いている時の姿勢と同様に、頭頂部を糸で吊るされている感覚やあごを引くことが大切です。
腹筋や背筋を意識したり骨盤を立てる感覚で座ると、自然に姿勢は矯正されます。足は組んだりせず足の裏をしっかり床に着け、股関節と膝関節が90度になるようにします。肩や首などに力が入ると姿勢が崩れるため、余計な力を入れないようにしてください。
このような正しい姿勢を意識しても、なかなか姿勢を維持できない人や正しい歩き方にならない人もいるでしょう。その原因の多くは、体幹部の筋力不足にあります。体幹部の筋肉とは、体の中心部分にある腹筋や背筋(脊柱起立筋群)、お腹周りのインナーマッスルのことを指します。