お金持ちは「節約」でなく「倹約」している!資産を増やす鉄則とは

お金持ちの多くが「倹約」を心掛けています。質素に生活するお金持ちが少なくないということは、広く知られるようになってきました。それでも、「節約」と「倹約」との違いはあまり知られていません。お金持ちが「倹約」によって資産を増やす心得を紹介します。

2019.10.24

お金持ちがやるのは「倹約」!節約ではない!その違いは?

お金持ちの多くが倹約家であることは、今やよく知られているところですね。広辞苑によれば、「倹約」とは、費用を切り詰めて無駄遣いしないこと。「節約」とは、無駄を省いて切り詰めることです。「倹約」と「節約」との違いは、フォーカスする目的の違いかも知れません。
「倹約」は、無意味な、不要な出費を抑えることに主眼を置くのに対し、「節約」は、切り詰めることそれ自体に主眼を置く感じでしょうか。「節約」の場合、光熱費・食費・交際費など心地良く生活するための必要経費すらも無理して削るような印象があります。このため、「節約」には大きなストレスが伴い、長く続けることは厳しい、というイメージが付きまといます。
他方、「倹約」であれば、無意味なこと、不要なことにお金を投じないことですから、必要経費や、有意義な出費まで削って出し惜しみする必要はありませんね。お金を使う対象を吟味して、メリハリを付けて出費を行うことが「倹約」だと言えそうです。

お金持ちが「倹約」を心掛ける3つの理由とは?

お金持ちには倹約を心掛ける方が多いのはなぜでしょうか。例えば、世界三大投資家の一人である米国のウォーレン・バフェット氏は、AMEXグリーンカード(一般カード)のホルダーであり、SUBARUを愛車にしているそうです。意外に感じる方が多いと思いますが、本物のお金持ちにはこの手の倹約家が珍しくないのですね。

1.投資元本を継続的に増やせるから

投資の成果=元本×利回り×投資期間、となります。倹約に努め、毎月・毎年お金を余る状態にしておくことは、投資元本を継続的に増やせることを意味します。これが何十年間も続けば、年収差よりも遙かに大きな投資成果の差を生むのですね。私の知人でも、年収レベルが必ずしも高くないにも関わらず、それなりの資産を自力で築いているタイプが何名かいます。恐らく、このポイントを理解しているのでしょう。

2.物質的な豊かさはすぐに飽きるから

物質的な満足感は飽きが早く、欲求に任せて買い物を繰り返しても、満たされるのは一時だけです。高級外車も、高級腕時計も手に入れれば、即それがあって当たり前の環境になります。中長期にわたり心を満たすことは不可能ですね。
成功して数年間は派手な生活を送っても、多くのお金持ちが物質的な豊かさの限界を理解し、浪費を止めてしまうようです。私の見る限り、起業して成功し、結果お金持ちになった経営者も例外ではありません。

3.お金持ちであることを自らアピールする必要がないから

ある程度年収の高いビジネスパーソンや、士業での成功者など(いわゆる小金持ち)に多いのですが、成功してお金持ちである自身を周囲に認知してもらいたいがために、必ずしも必要でない高級外車や高級腕時計などの購入に走りがちです。
本物のお金持ちは経済力に自信がありますので、自らの経済力を殊更に誇示する必要を感じません。むしろ、倹約をアピールする方が多い印象を受けるほどです。

お金持ちになるための5つの「倹約」のコツとは?

お金持ちの倹約について、米国1万人の富裕層の調査をベースに上梓された「となりの億万長者-成功を生む7つの法則」(トマス・J・スタンリー、ウィリアム・D・ダンコ共著、早川書房)があります。
実際のお金持ちがどのような消費行動をとっているのか、どのように倹約・蓄財してきたのかなど、具体的数値や実例に基づいて分析されている良書です。こちらを参考に、お金持ちを目指すための倹約のコツを纏めてみましょう。

1.「欲しいもの」より「必要なもの」にお金をかけること

「なぜ買いたいのか?」「これは投資/消費/浪費のいずれなのか?」都度自問して、納得したものには必要十分なお金をかけましょう。

2.ノンブランド品で流行に左右されない上質なものを購入すること

商品価格の内、ブランド費は過大な利益のベースになっていることを知りましょう。ブランド名に関係なく、流行に左右されない上質なものであれば、長く大切に使うことが可能です。

3.日々の小さな浪費に敏感になること

日々の小さな出費には、誰しも無頓着になりがちです。1日100円の無駄な出費があれば、1年では3万6500円、10年では36万5000円の浪費です。これを投資に回すことを考えましょう。

4.居住空間は清潔かつシンプルな環境を維持すること

部屋にモノが多く、乱雑になっている方は、不必要なモノを衝動買いするきらいがあるようです。衝動買いによる浪費を避けるためにも、部屋は常に清潔かつシンプルに保ちましょう。

5.保有するクレジットカードは年会費無料の一般カードにすること

ブラックカード、プラチナカード、ゴールドカードなどを保有しても、高額の会費負担に見合うサービスを活用できていない方が多いです。見栄のためのコスト負担であれば、即ち浪費です。
このように見てくると、お金持ちは特別な倹約ノウハウを駆使している訳ではないことが理解できますね。合理的な、キチンとした思考をした上で、日々お金を払う対象を決定するという、堅実な行動様式をとっているに過ぎないのです。
Kenneth S

Kenneth S

総合商社のIT戦略担当からIT系ベンチャー企業の経営補佐などを経て、現在は海外在住の個人投資業。時折、物書きもしている。
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