2019.5.13
アメリカの高級ホテルは富裕層向けクレジットカードがないと泊まれない?
アメリカの富裕層はクレジットカードにステータス性を求める傾向が強いのですが、社会的にも富裕層向けクレジットカードのホルダーには高い信用力がある、と看做される傾向が強いです。一例を挙げれば、アメリカのラグジュアリークラスのホテルに宿泊したい場合、富裕層向けのステータス性が高いクレジットカードを提示できないと、利用を断られるケースすら散見されます。「お客さまは神さまです!」の精神で営業している日本のホテル業界の感覚からは、なかなか理解されないことでしょう。
アメリカのホテル業界で言うところの富裕層向けクレジットカードとは、VISA・Masterならば最低でもゴールドカード以上、AMEX・Dinersならば一般カード以上を指す、と考えておけば良いです。つまり、アメリカのラグジュアリークラスのホテルに宿泊したければ、このレベル以上のクレジットカードを提示できる必要がある訳です。もちろん、エグゼクティブクラスでない出張者・旅行者が日常使いするクラスのホテルであれば、VISA・Masterの一般カードの提示でも宿泊可能です。ただし、クレジットカードを保有していない、持参を忘れてしまったなどの理由で提示できない場合、アメリカでは一般クラスのホテルですら宿泊を拒否されることはザラにあります。
仮に許されても、現金での高額なデポジットを求められるはずです。クレジットカードを保有できないのは貧困層など社会的信用力が極めて低い人間である、という社会通念があるためですね。ちなみに、JCBはハワイ・グアム以外のカバー率が低く、アメリカ本土へ行く方が持参するクレジットカードとしてはオススメできません(JCBはDISCOVER・AMEXと提携しており、いずれかの加盟店では使用可能の建前ですが、実際には店頭で断られるケースが多発します)。
アメリカ富裕層に鉄板人気!クレジットカードのトップ3ブランドは?
まず筆頭は、「American Express Centurion Card(通称:AMEXブラックカード)です。AMEXの最上級ブランドであり、アメリカでも最上位のステータス性を誇ります。アメリカ富裕層向けクレジットカードのトップブランド、と言って差し支えありません。この点は日本も同様ですね。カードホルダーは入会金5,000米ドル(約55万円)、年会費2,500米ドル(約27万5,000円)を負担する必要があります。既にAMEXプラチナカードのホルダーになっており、年間25万米ドル(約2,750万円)以上の利用実績がある会員の中から、AMEXが候補者を絞り込み、招待状を送る方式です(自分からは申込み不可)。
次点は、「American Express Platinum Card(通称:AMEXプラチナカード)」です。年会費やステータス性はAMEXブラックカードに及びませんが、ブラックカードと同レベルの特典を受けることが可能です。年会費は450米ドル(約4万9,500円)です。AMEXグリーンカード(一般カード)・ゴールドカードのホルダーの中から、AMEXが年収・勤務先・資産状況などの要件で候補者を絞り、こちらも招待状を送ってきます(自分からは申込み不可)。我が家は30代半ばで、一般企業のサラリーマンという属性でこのカードホルダーになりましたので、要件レベルは実際そこまで高くないと思われます(日本国内発行の場合)。
三番手は、BARCLAYS銀行発行の「Visa Black Card」で、AMEXブラックカードに対抗して比較的最近誕生したものです。年会費450米ドル(約4万9,500円)と、AMEXプラチナカードと同水準に抑えられています。富裕層向けクレジットカードとしての高いステイタス性を維持するため、年間5万米ドル(約550万円)以上の利用が見込まれ、かつアメリカ全人口の1%以内の方にのみ発行される、と発表されています。カードホルダーに求める要件レベルは高いですが、申込み自体は誰でも、富裕層でなくとも可能です。
アメリカ富裕層向けのステータス性が高いクレジットカードは他にも?
上で紹介したトップ3ブランド以外にも、アメリカには富裕層向けのステータス性が高いクレジットカードがいくつか存在します。例えば、「Bank of America Accolades」というクレジットカードのブランドがあります。AMEXとの提携カードであり、年間59万5,000米ドル(約6,545万円)以上の利用で、AMEXブラックカードと同レベルの特典を受けることが可能です。年会費295米ドル(約3万2,450円)と、富裕層向けクレジットカードとしては低めに設定されています。Bank of America銀行に10万米ドル(約1,100万円)以上の資産を預けている前提で、高いレベルの審査要件をクリアできないと発行されません。
アメリカ富裕層から支持されるクレジットカードとしては、「Citi Chairman Card」も外せないブランドです。こちらもAMEXと提携しており、年会費500米ドル(約5万5,000円)とAMEXプラチナカード並みの維持コストで、AMEXブラックカードと同レベルの特典を受けることができます。元来はシティ・グループの証券部門としての名門であるスミス・バーニーの顧客向けに発行されていたクレジットカードであり、ステータス性の高さでは一目置かれる存在ですね。
最後に個性的な、そして、最近アメリカの富裕層からアツい注目を浴びるクレジットカードのブランドを紹介しましょう。「Stratus Rewards Visa Card」がそれで、小規模でありながら独自のマーケットを有します。カードホルダーに求められる要件や発行枚数など、具体的な情報は非公開です。年会費は1,500米ドル(約16万5,000円)と、アメリカの富裕層向けクレジットカードの中でも高額であり、AMEXブラックカードに次ぐ水準ですね。入会は既存会員からの招待に限定されます(自分からは申込み不可)。プライベートジェットによる海外旅行など、ステータス感溢れる独自特典が用意されています。