心地よい睡眠や食事に対する姿勢、ファッションやメイクに至るまで。
後藤由紀子著『おとな時間を重ねる』 から、おとなになった今だからこそ、新しく工夫すべきことやアップデートしていく考え方のコツをご紹介します。
一人で頑張ろうとしない
わが家ではゴミ出しが、結婚当初からの夫の担当。最近は、お皿洗いと日曜日の掃除機がけもやってくれるようになりました。もともと頼めばやってくれる人ですが、言わずとも気づいてほしいのが主婦というもの。
<044ページより引用>
家事に対する認識は、世代によって大きく違っています。若い夫婦であれば共働きも多く、家事を分担するという意識が高いものですが、ある程度上の世代になると、家事は女性の仕事という雰囲気が夫婦間にも強いようです。
著者の場合は、自分のお店を持ちながら子育てと主婦業を両立してきましたが、夫にいろいろな家事をいちいちお願いするのが面倒だし、自分がやる方が早いと感じていたようです。
自分でやっては疲れてしまうの繰り返しでしたが、40代も半ばになってからは、本当に体力がなくなってしまったのだとか。
仕事が忙しくて休みなしで頑張っているうちに、とうとう倒れて搬送されてしまったのだといいます。
見るに見かねた夫が手伝ってくれるようになり、甘えることで仕事もうまく回るようになったという著者。
なんで今まであんなに頑張っていたのだろうかと思うほどに、心も体も楽になったようです。
今までの習慣を変えることは難しい一面もありますが、体を壊してしまっては元も子もない。人に頼ったり、いい意味で手を抜くことも、ときには必要であるといえるでしょう。
睡眠の取り方を見直してみる
不眠症というほどでもないのですが、昔から寝付きが悪く、朝起きたときにだるいのが続いています。翌日のお弁当の献立とか、仕事の段取りとか、寝る前はいろいろと考えごとをしてしまうせいか、ずーっと脳が働いている感じ。
<102ページより引用>
あれもこれもしなくてはならない状況に置かれていると、常に頭が働いているような感覚になることがあります。
体は疲れているのになかなか寝付けないという状況は、多くの人々が抱いている悩みかもしれません。
若いうちは何とか乗り切ってしまう一面もありますが、やはり睡眠はしっかりととりたいものです。睡眠が浅いという悩みを持っていた著者は、静岡県沼津市で「hal」というお店を経営しています。
センスのいいセレクトや暮らしぶりが雑誌などで人気の人物ですから、睡眠にまつわる素敵な改善策について本著では触れています。
湯冷めしないうちに布団に入る、眠る前にスマートフォンを見ないといった基本的な対応に加えて、いいパジャマを着るという記述があります。
古くなったTシャツやジャージをパジャマにおろしているという人は意外と多いのかもしれませんが、柔らかい素材のパジャマを着ることで良い睡眠を得られるといいます。
背中をさすったりお腹を撫でると気持ちが落ち着くように、寝返りを打って生地が触れる部分が心地よい生地のものであると良い睡眠に結びつく。
体の緊張がほぐれてしっかりとリラックスできるように、寝るときの服装も見直す必要がありそうです。
軽いバッグを持って負担を減らす
出かけた先で一緒にいる人にも足りないものを分けてあげるという著者。ポケットティッシュや絆創膏はもちろんのこと、食事の会計用の小銭や咳が出たとき用のマスクなど。
できる限り人を助けてあげたいという著者の性格が出ているようです。
そんな風ですから、持ち物が実に多いので、バッグの中身はさまざまなポーチを使って小分けにして収納しているのだといいます。
だからこそ、バッグそのものは軽量化。年齢とともに力も体力もなくなっていくため、バッグは手軽に使えて軽量のものを愛用しているといいます。
習慣やスタイルはなかなか変えられないものですが、ほんの少し見直して楽になる方法はいろいろな場面でありそうです。
タイトル:おとな時間を重ねる
著者:後藤由紀子
発行:扶桑社
定価:1,404円(税込)