2019.1.10
リーダーとしての役割は、実務に携わるだけでなく、チームをまとめていく能力が非常に重要です。チームのメンバーがそれぞれスキルを活かし、大きな成果を上げるにはリフレクションが大きなカギを握ります。
リフレクションとは?
リフレクションとは、日本語で「内省」を意味します。仕事・業務について、一旦少し離れた状態で振り返り、考え方や行動などを客観的な視点でみることです。
具体的には、リフレクションの対象(プロジェクトなど)を選定し、それぞれを工程ごとに分類し、行動・考えについて振り返ります。各工程においてできていたこと、改善すべきこと、さらにできると思われることを分析し、ベストな方法をまとめ次に活かすのがリフレクションの主な流れです。
リフレクションによく似た言葉で「反省」がありますが、この場合は主に失敗に対し、間違いを正しくすることに着目します。リフレクションは、いいことも悪いことも含めてじぶんの行動や考えを静かに振り返ることが、次の行動に活かすきっかけへとつながります。
「反省」は過去を振り返り、ミスに焦点をあてるため、ややネガティブな印象を与えます。一方でリフレクションは、次の新しいやり方・考え方に気づくきっかけにもなるため、ポジティブな傾向にあるのが特徴です。
リーダーに「リフレクション」が重要な理由
リーダーにとってリフレクションが成功のカギを握る理由は、前例や現状のレベルに甘んじることなく、常に新しい考えを組み込んでいけるためです。結果として、常に経験から何かを学び取り、成長していける可能性が広がります。
職場では毎日が慌ただしく、行動や考えを振り返る余裕がないという場合もあるでしょう。しかし、忙しさにかまけていつも同じ行動を続けていれば、同じ結果しか得られないのではないでしょうか?
リフレクションを行なわないと、日々の行動に注意を向けることなく怠慢になりがちで、仕事を「ただこなすだけ」になってしまう恐れもあります。そうなると、仕事に対する新鮮さややる気も減少し、職場全体から活気が失われてしまうでしょう。
職場全体を活性化するには、リーダーとして新しい空気を注入する施策が必要です。リフレクションは、リーダー自身の行動だけでなく、チーム全体の行動や考えにも大きな影響を与えるはずです。
リフレクションで大切な3つのポイント
リフレクションでは、注目すべき3つのポイントがあります。
・実際に起こったできごとの内容
・他者などを含めたまわりの環境
・自分自身のこと
・実際に起こったできごとの内容
・他者などを含めたまわりの環境
・自分自身のこと
リフレクションで注意したいのは、他者など外的環境に問題があったのだと批判的な感情に走ってしまうことです。まわりのせいにしてしまうと、ついつい感情で判断してしまい、本来必要なリフレクションをはじめ、ベストな改善策を導けなくなってしまいます。
リフレクションでは、「誰が悪いか」に注目するのではなく、「どうしたらもっと良くなるのか」その方法を具体的に考え実行することを目指しています。
そして「間違い・失敗」にとらわれるのではなく、目指す理想像と実際の結果にどのような「違い」があるのかを見極め、ポジティブで建設的・客観的に判断することがポイントです。
リフレクションがリーダー職にもたらす効果
リフレクションは、リーダー職としてさらなる活躍をするうえで大切な取り組みです。自分自身の行動を改善する手段となるだけでなく、チーム全体やスタッフ個人に対して客観的に判断する「くせ」がつくようになります。
また、結果だけで相手を評価することがそれほど有益だと感じなくなるでしょう。リフレクションを行うことで、同じ結果をくり返す理由がわかるとともに、どの業務・どの工程で調整が必要なのかがわかるようになります。
たとえば結果がよくても、業務内容をみてみるといくつも改善の余地がある場合もあります。一方で、結果が悪かったとしても、大きく改善すべき点は1つだけで、その他はベストな場合もあり得るのです。
昨今では、多くの業界で深刻な人材不足に陥っています。その影響もあり、ダイバーシティなど多様な働き方が推進されているのが現状です。チームのあり方は、企業やスタッフの個性によってさまざま。そのチームを束ねるリーダーにとって、リフレクションは好影響を与えてくれるでしょう。