2015.3.25
先月、長年お付き合いさせていただいているご夫婦から、“たまにはいつもと違う場所でお会いしましょう”というお誘いを受けて、冬の京都を満喫してきました。
その日はあいにくのぐずついた天気でしたが、街は国際色豊かな観光客で賑わっており、外国人訪日旅行者が2015年には推定1500万人を超えるとの報道を改めて実感しました。翌日、朝から鴨川沿いを散歩して、まさに“純日本”といった景色を楽しみ、二日間で、そのコントラストを通じてグローバル社会を感じた有意義な時間となりました。
ところで、私はこれまで約10年にわたるプライベートバンカーという仕事を通じて多くの「富裕層」と呼ばれる方々とお付き合いをさせていただいてきましたが、その中で確信した、ある共通の「習慣」があります。そこで今回は、富裕層が豊かな人生を引き寄せるためにやっている「3つの習慣」を紹介してみたいと思います。
01.“こだわり”と“細かな気づき”
今回の京都でも、私がその土地に詳しくないことをご存知でしたのでしょう、大変美味しいお店で食事をご一緒させていただき、また隠れた名店的なお土産屋さんをご紹介いただくなど大変な配慮をいただき、まさに満腹満足の二日間でした。仮に、私が京都に詳しかったとしても、今回ご紹介をいただいたお食事処やお土産屋さんは知らなかったのではないかと思います。やはり、ビジネスや資産形成などで成果を収められた方の共通の特徴である、“人とは違うこだわり”と“細かない気遣い(気づき)”をこの方にも見ることができました。
02.どこにいても思考の時間を確保する
今まで多くのお金持ちの方と旅行をご一緒しましたが、共通して思考の時間を大切にされています。日常生活でもそうですが、旅行中でも同じように確保される方がほとんどです。
もっと極端にいえば、環境が違う時ほどそのシュチエーションを大切にし、新たなひらめきを求めているようです。今回も、夕方の鴨川散歩、大浴場での時間、早朝の散歩、そして朝食後の数十分とかなりの時間を思考の時間に割かれていました。
ある本に、向上心に溢れる子どもに育つ条件として、10歳までに“なるほど”を3000回は積み上げることが大切だとありました。この方も、このたった2日間の私との会話の中で”なぜ?””なるほど!”を相当な回数、繰り返されていました。
03.どんなことからでもヒントを得る情報感度の高さ
滞在中の会話で一番記憶に残っているのは、「ロシア情勢はどうなるのでしょうか」、「プーチン大統領はどういうゴールを想定しているのでしょうか」、「プーチンさんは頑張りますね」といったロシア情勢に関してのものでした。
日本では一時期よりロシア情勢に関する報道は下火になった感もあり、正直なところ、私もこの時点ではロシア情勢は少し落ち着いていると認識していました。しかし、その方の心配されていた通り、その後2月20日にムーディーズインベスターサービス格付け会社により、ロシアのソブリン格付けは「Baa3」から投機的レベルとなる「Ba1」に引き下げられました。
京料理と同じような繊細な感覚を持ったこの方は、京都の町が多くの国々の観光客で賑わっているように、ここ数年の世界経済の繁栄は、世界の国々の連携により築き上げられもので、一国の経済問題が世界に及ぼす影響が以前にも増していること忘れてはならないと京都の町を眺めながら感じたのかもしれません。
今回、私もこの方から3つの習慣を”なるほど”と学ばせてもらいました。これが今回一番のお気遣いだったのかもしれませんね。