前作と同じくたったの5分、1日1ページ読むだけで、多くの教養が身につく。また、本作では世界の歴史に名を残してきた365人分の人生が、伝記のようにまとめられている。
月曜日は「指導者」、火曜日は「哲学者・思想家」、水曜日は「革新者」というように分類されているところも、面白い。自分の関心のあるカテゴリーを読んでいくのも、一つの方法であろう。またそれぞれの人物の紹介と共に、その人に関連するエピソードが豆知識として掲載されているのもとても興味深い。
芸術作品や偉大な発見、大衆を動かしたカリスマ性など、様々な功績が綴られているが、その中でも木曜日に分類されているのは、なんと「悪人」である。イギリス史上一番の悪人といわれた連続殺人鬼「切り裂きジャック」やシカゴのギャング 「アル・カポネ」など、世界中の人々を恐怖に貶めた人物までも掲載されている。
また気になる日本人代表としては、紫式部や西郷隆盛が選ばれている。本シリーズは、ニューヨークタイムズでもベストセラーとなり、世界でも注目されているため、この二人は世界で最も関心を持たれている日本人ということにもなるのだろう。
評者が本書中で興味を持った人物は、レオナルド・ダ・ヴィンチだ。イタリアを代表する芸術家であり「モナ・リザ」や「最後の晩餐」は世界的に有名であり、美術に興味のない人でも、学校で学んだ記憶があるだろう。
またレオナルド・ダ・ヴィンチは、工学、建築、数学、解剖学、天文学、地質学、物理学他様々な分野において業績を残したと言われている。
そして作品は、美術的価値や美しさのみならず、各作品ごとに多くのトリックが仕掛けられているといわれていることも、魅力の一つである。
一時、本物の美術作品をみることに大変興味を持ち、休みの日毎に美術館巡りをしてたくさんの作品をみてきたが、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品に関しては、いくつかの代表作を見るために、イタリア、フランス、アメリカの各美術館に足を運んだことが思い出される。やはり本物は、学校に飾られていたレプリカとは違い、言葉にできないような迫力と歴史が感じられたことを記憶している。
また日本でも過去には『ダ・ヴィンチ~モナ・リザ25の秘密~』という特別展が行われ、モナ・リザに仕掛けられた複雑なトリックに夢中になり、学んだことを覚えている。
本書では、このように世界的に著名な人物について掲載されているため、自分の興味のある人物、または名前は聞いたことがあるが、あまり功績をよく知らないような人物、またその歴史についてもあらためて学ぶことができる。とても優れた作品である。
また、前作をまだ読んでいない人は、そちらもぜひ読んでほしい。本ブログ2018年6月1日投稿分に書評も掲載されている。
作者: デイヴィッド・S・キダー,ノア・D・オッペンハイム,パリジェン聖絵
出版社/メーカー: 文響社
発売日: 2019/04/12
メディア: 単行本(ソフトカバー)
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