2018.2.22
日々忙しく働き、実績を出しているにもかかわらず、思うように評価されないと感じているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。もしかして、自分がいないとできない仕事になっていませんか? たった一つのテクニックを身につけるだけで、評価が飛躍的に上がるお話です。
達人のいるレストランの話
ある街に、おいしいハンバーグを出す小さなレストラン「ビッグ」があります。この店には達人シェフがいて、他には真似できない絶品のハンバーグを作ることができます。「ビッグ」には若いシェフもいて達人が彼を指導していますが、同じレベルにはなかなか届きません。達人の作る絶品ハンバーグで店は繁盛していましたが、店舗を増やすなど発展はなさそうです。
一方、同じ街にファミリー向けの「キッチンスマート」がありました。この店の調理は主に学生アルバイト、味も達人の店にはかないません。しかし、この店では誰が作っても同じ味になるようマニュアルがあり、アルバイトはしっかり研修を受けて調理法や味付けを覚えています。「キッチンスマート」は近隣のエリアに順調に店舗を増やし続けました。
そんなある日、達人シェフが「キッチンスマート」にスカウトされ転職することになりました。それによって、達人シェフのハンバーグはアルバイトでも作れる簡単なレシピに落とし込まれ、すべての店舗で人気メニューになって大繁盛。一方、達人シェフを失った「ビッグ」は、閑古鳥が鳴くようになり…。ビジネスはなかなかシビアなものですね。
誰でも同じ成果が出せる「仕組み」
この2つの店の明暗を分けたのはなんだったのでしょうか。
それは、「仕組み化」です。「仕組み」とは「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」のこと。
「ビッグ」は達人シェフがいたにもかかわらず、その技術は結局、達人シェフだけのもので終わりました。他方、達人シェフが転職した「キッチンスマート」は、達人ハンバーグレシピをマニュアル化し誰でも作れるようにしたことで、「シェフの味」を「店の味」にすることができていたのです。
「仕組み」を作ることのメリットは3つあります。①店の料理の味が良くなること、②同じく料理の味が安定すること、③達人シェフの才能をより活用できるようになることです。「仕組み」がなければ、達人シェフは看板メニューのハンバーグを毎日焼き続けなければなりません。でも、アルバイトが同じ味のハンバーグを焼いてくれるようになれば、達人シェフは新メニューの考案や後進の育成など、ほかのことに力を使えるようになり、店は次のステージへと進むことができる。一個人の能力だけでは、ビジネスは成長も安定もしないものなのです。
能力を「仕組み化」できるのが一流のビジネスパーソン
これは、ビジネスパーソンにもあてはまります。実は、「できる」ビジネスパーソンは「仕組み」づくりが上手です。能力が高いだけでは、できるビジネスマンとは言えません。
たとえば、3万円の商材を扱ってる販売会社で、毎日コンスタントに10件の契約をとってくる営業マンAさんがいるとします。1人で1日30万の売り上げで個人の営業スキルの高さと実績だけで見れば、彼はかなり優秀です。しかし、Bさんは1日24万の売り上げでAさんには及びませんが、自分の営業成績を上げるだけでなく、そのノウハウをマニュアル化するなどの「仕組み」づくりを行っています。毎日コンスタントに8件の契約をとれる部下が10人育ち、結果、Bさんは会社に240万の売り上げをもたらすことになりました。
会社がどちらの営業マンを高く評価するかは、明らかですよね。能力があり、なおかつそれを「仕組み」にすることができるのが一流のビジネスパーソンなのです。
「仕組み化」は、一個人の能力を何倍の成果に繋げることができるテクニック。実績に見合った評価を受けていないと感じているならば、いますぐ、「仕組み化」に取り組んでみることをおすすめします。