実はほかにも保険の種類は豊富にあります。今回は、「えっ、こんなものにまで?!」というユニークな保険をいくつかピックアップして紹介します。
旅行中のお天気にかける保険?!「お天気保険」
せっかくの楽しい旅行なのに、雨で出かけられなかった……という経験はありませんか?この日のためにお金を貯めて、予定を組んで、お休みを取ったのに、「誰か、旅行代金を返してよ!」と、誰にともなく言いたくなりますよね。
そんな気持ちに応えてくれそうな保険が「お天気保険」です。とはいえ、「お天気保険」は旅行者自身が申し込みできる保険ではなく、旅行会社が保険付きの旅行プランを紹介しているというもの。旅行プランの中であらかじめ定めた時間分の雨が降れば、旅行会社は旅行者に対して割引・ポイント・旅行券などのいずれかの方法で旅行代金の一部を還元するものです。
降雨時間のプランは3時間、6時間、10時間の3種類。旅行中のお天気は誰にも予測できないだけに、旅行代金が台無しにならないよう、お天気保険のついた旅行プランを選んでみるのもいいですね。
人生の晴れの日を守ってくれる「結婚式総合保険」
幸せを誓い合い、これからの人生を共に歩んでいく2人のための大切なセレモニーとして大切な結婚式。スムーズに佳き日を迎え、最後まで滞りなく結婚式を締めくくりたいですよね。喜び・感動・感慨・緊張などさまざまな気持ちが高まる結婚式。その気持ちの高ぶりが影響しているのかどうかはわかりませんが、実はハプニングも起こりやすいもの。借り物の高価なウェディングドレスを汚してしまったり、式場の設備や備品を壊してしまうという話もよく聞きます。
後々笑い話になるハプニングならまだいいですが、佳き日の思い出とともに弁償やキャンセルなどでせっかく貯めた結婚資金も台無しにしてしまうのは避けたいものです。
そこで、大切な結婚資金を守ってくれるのが「結婚式総合保険」です。入院や自然災害等により結婚式を中止した場合の違約金やキャンセル費用、結婚式当日における会場や衣装の修理費用、新郎新婦自身の入院や招待客が救急搬送された場合の見舞費用を補償してくれます。これから結婚する人は結婚式プランニングのひとつとして、この保険の加入も検討してみてはいかがでしょうか。
楽しみなライブやコンサートに行けない時のための保険「チケットガード」
損失額は結婚式ほどより大きくなくても、突然の病気やケガ、交通機関の遅延などで予約していたコンサートに行けなくなるというのは、多くの人の身に起こりそうな出来事ではないでしょうか。そんな時にチケット代金を補償してくれる保険が「チケットガード」です。
本人の病気やケガはもちろん、家族が病気やケガで病院に行くことや入院することもあり得ます。また、会社から突然出張に行くように言われたり、一緒に行こうと約束していた人がこれらの事情で行けなくなり、自分もコンサートに行くのをあきらめる……という場合にも補償されます。
保険料はチケット代金によって変動し、たとえばチケット代金5,000円なら保険料は560円、15,000円のチケットなら保険料は1,170円が目安です。地震や津波によりイベント自体が中止・延期等になった場合、さらにイベントチケットの破損等によりイベントを観覧しなかった場合には保険金は出ませんが、 何が起こるかわからないご時勢。チケット代金が高くなるほど、検討の価値はありそうです。
宇宙人に誘拐されたら「宇宙人拉致保険」
これまで紹介した保険とはユニークさの格が違う海外のユニークな保険を紹介しましょう。そのひとつが「宇宙人拉致保険」です。
宇宙人に誘拐されたり、食べられてしまったり、妊娠させられてしまったりした場合に補償するというこの保険。初めて発売されたイギリス の保険代理店(※)では販売停止されてしまったものの、アメリカや他の国では今現在も実際に販売されています。
たとえば、AIG香港保険会社では「Alien Protection Ransom Insurance」という名称で販売中。補償範囲も広めで、たとえば宇宙人に拉致誘拐された場合の身代金の補償や、拉致されている間の収入補償、拉致されたという事実を上司に信じてもらえず失業してしまった場合の補償など。
日本では同様の保険を販売している会社はないようですが、宇宙人を信じている人にはぜひとも加入したい保険かもしれませんね。
そもそも保険は誰にでも必要というわけではないものの、必要な人にとっては加入していれば経済的に助かるというものです。日本でも、少額短期保険の開発・発売が進み、保障(補償)範囲を絞ったさまざまな保険が少しずつ増えてきています。
もしかすると、あなたの「こんな保障(補償)があればいいな」という保険も、探せば見つかるかもしれませんね。
(※)UFO拉致保険を提供した最初の会社は、フロリダ州アルタモンテスプリングスの保険会社「セントローレンス社」で、それをイギリスの「GRIP」という保険代理店が販売しました。