そんなビリオネアの名だたる経営者には読書家が多く、ある調査によると、財を成した大富豪の読書量は、年収300万円の人の38倍という結果が出ているほどです。
では彼らは、忙しい毎日の中で一体どのようにして“本”と向き合い、何を大切にしているのでしょうか。
今回は、少しでもお金持ちに近づきたい方必見の、ビリオネアの「読書習慣」にスポットを当ててご紹介していきたいと思います。
ビル・ゲイツ氏×読書習慣
マイクロソフト社の創設者、ビル・ゲイツ氏は純資産900億ドル(約9兆7,200億円)もの資産を持つ、世界でも有数のビリオネアの一人です。
そんなビル・ゲイツ氏は、相当な読書家としても知られています。
読書は幼少期からの習慣で、腕利きの顧問弁護士である父と教員の母は、身近に書物を置き、平日はテレビ鑑賞を禁止することで、息子が本好きなるよう導いたといいます。また、読んだ本の感想から政治のことまで、あらゆる問題について、よく親子で意見を交わしていました。
現在では、就寝前の読書を習慣とし、毎日平均1時間、年間50冊以上の本を読み、そのほとんどはノンフィクション。公衆衛生、疾病、エンジニアリング、ビジネス、科学がテーマであり、7時間の睡眠は守りつつも、時々小説を夜遅く一気に読むこともあるそうです。
そんな彼の自宅には個人図書館があり、1万4000冊以上の書物が愛蔵されているのだとか。また、年に2回ほど休暇を取って別荘にこもり、外部との接触を一切断って過ごす、“Think Week(考える週)”という時間を設けていることでも有名で、食べること、寝ること以外はすべて、「読書」と「考えること」に時間を費やしています。
彼にとっては、日々の業務に煩わされず思考に専念し、一歩離れて問題を考える重要な時間なのです。
柳井正×読書習慣
ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長で、ユニクロの創設者である柳井正氏もまた、日本を代表するビリオネアの一人で、読書家としても知られています。経営の準備と勉強に重要なのは「読書」とする柳井氏は、有名経営者のビジネス書を読みあさり、中でも“最強の教科書”と豪語するハロルド・ジェニーン著「プロフェッショナルマネジャー」は繰り返し読み続けているそうです。
また、人生で最も大きな影響を受けた人物として、松下幸之助とピーター・ドラッカーの2人を挙げており、松下幸之助の著書に関してはほぼすべて読んだと公言しています。
私生活では朝の6時半に出社し、16時には仕事を切り上げてそのまま帰宅、帰宅後は読書に時間を費やしています。「会社が上場して一番嬉しかったことは、“これから本屋に行っても好きなだけ高価な本を買うことができる”」と、自身の著書でも綴っているほどの読書好きです。(柳井正著書:「柳井正の希望を持とう」より)
筆者の最も身近な富裕層Y氏×読書習慣
実は筆者のパートナーでもあるY氏も、学生時代から起業し、20代にして現在3社を経営する年商20億円の経営者で、かなりの読書愛好家です。
しかし、幼いころから読書好きだった訳ではなく、本を読みだしたのは大学生の頃でした。きっかけは単純で、自分の「知識の幅を広げる為」だったそう。徐々に読んでいくにつれ自分にとって必要・不必要な本を取捨選択できるようになり、今では楽しく生きていくための“情報収集”を目的に本を読んでいます。
今までに読んだ本の数は1000冊以上にものぼり、自宅には200冊を超える本があります。平日は移動時間を使って読書をし、休日は起床後、経済新聞2紙、経済雑誌3冊、その後1~2時間を掛けて成功者の自伝本や文学、またその成功者の薦める自己啓発本を読んでいます。
またこれは成功者に共通していることですが、Y氏もまた過去の成功者の自伝を読む際には、著者の成功談よりも失敗談を大切にするようにしています。
人生の大きな転機となっている本が、本田健著「20代にしておきたい17のこと」。年代別でシリーズ化され出版されているので、誰にでも読み始められそうな一冊です。
富裕層に共通する読書習慣とは?
①忙しくても「 読書をする時間」をきっちり作っている
最も分かりやすい共通点として、日常生活の中であえて「読書をする時間」を作っているということです。就寝前や帰宅後、休日や移動時間など、どの経営者も上手く時間を組み立て、読書をする時間を大切にしています。
② 何かを考える際のツールにしている
読書とは、自らの知識を増やす為だけのものではなく、そこから「新たな視点」や「洞察力」を鍛えることが出来ます。彼らは読書を習慣とすることで、日々物事に疑問や関心を持ち、本質を見抜く力を養っているのではないでしょうか。
私もY氏に出会うまでは読書に全く興味が無く、1冊も本を読んだことのない人間でしたが、「興味があればどの本から読み始めてみてもいい」という一言で、自分の好きな心理学や恋愛、料理の本など興味のあるジャンルから読み始めました。
そうすると少しずつ習慣となり、今では日常生活の中での“読書の時間”が自然に生まれるようになりました。本を読む習慣が無い人は、まずは好きなジャンルの書物を手に取り、5分でも10分でも読み進めてみることをお勧めします。
また現代では日々の生活の中で様々な情報が、携帯1つあれば簡単に手に入ります。ですが、やはり情報を得る事よりも「読書をする」、その行動自体に意味があり、自分自身の思考や人間性の成長にとても役立つものだと思います。
世界有数の経営者達が富裕層である訳にはこのような習慣が役立っているのではないでしょうか。