たくましく強く生きるニューヨークで働く人の考え方

生き方
自信を持って幸せに生きていく秘訣があれば、ぜひ知りたいものです。世界一生きるのが厳しいといわれる街・ニューヨークで起業家として活躍しているエリカ著『ニューヨークの女性の「自分を信じて輝く」方法』 第2章から、ニューヨーク流・考え方のコツをご紹介します。
2019.4.2

嫉妬の意地悪はまともに相手にしない

なぜ、この人は自分に対して意地悪なのだろうかと思うようなシーン、日常によくあるものです。もしかして自分は嫌われているのだろうかと考え始めると、気が重くなってしまいます。
著者がニューヨークで長年通っているブティックでのことです。そのお店の店員は、皆、接客の仕方がよいため、著者も心地よく買い物を楽しんでいたのだとか。
ある日、以前にこのお店で買ったワンピースを着ていったところ、多くの店員が「素敵」と口々に褒めてくれました。そんなとき、インターンとして働き始めたある店員と出会います。
イネスという名の店員は、その後、店に訪れた著者に対して、ちょっとした嫌がらせを繰り返すようになりました。著者にあったサイズの洋服をごっそり別の場所に持っていってしまったり、他のお客様の取り置きだと言ってラックに下げてしまったり。明らかに著者に洋服を買ってほしくないという意地悪をしてきたのだというのです。
そのようなことをされる身に覚えのない著者は、彼女の行動を不可解に思い、ファッションモデルの友人に相談。すると、それは女の嫉妬だというのです。
意地悪をされるのは、自分に非があるとは限らないもの。意地悪は、まともに受けないのが一番であると著者はいいます。
もし、身に覚えのない意地悪をされたとしたら、いつも通りに振舞いながら、その人と距離を作ることも大切なようです。

辛いときこそ投げ出さない

ニューヨークで事業を展開している著者。必死に頑張って、限界を感じながらやり続けていると、「本当にこの頑張りが何かにつながるのだろうか」と思うこともあるようです。日本の一般社会で頑張っている人たちも、同じような思いになることがあるのではないでしょうか。
しかし、著者は、辛いときこそ投げ出さないことが大事だといいます。
うまくいかないこと、辛いことに取り組み続けるのは、何ら特別なことではなく日常のこと。そう考えて目の前の課題に取り組み続けていると、いつしか、自分を信じて突き進んでいこうと思えるようになるのだといいます。
大変なことをやり続けるということは、ただ単に夢の実現のためだけではない。諦めずに取り組んでいくことで、継続力や粘り強く努力する力が身についてくるようです。
そして、頑張らなくていいいう風潮が色濃い日本の雰囲気に驚いたという著者は、自分の癒しすぎに注意だと語ります。ニューヨークは自分に厳しく生きる人の街。競争の激しい大都市では、へこたれずにたくましく突き進んでいかなくてはなりません。
もちろん、体を壊したりしては元も子もありませんが、ニューヨークで活躍する人が持つ、前に突き進んで頑張る力は、私たちも参考にしていく必要がありそうです。

今、できることを後回しにしない

24年という短い人生を終えた俳優ジェームス・ディーンの言葉に、「永遠に生きるかのごとく夢を見ろ、今日死んでしまうかのごとくに生きろ」というものがあります。
「生きる」ということは不思議なもので、意識せずとも心臓は動き、呼吸をしてくれるように感じてしまいます。健康であれば、体は生き続け、明日も明後日も、今日と同じ日が延々と続くような気がしてしまうものです。私たちは、つい時間のありがたみを忘れてしまいそうになります。
たとえば、仕事が忙しいと「時間がない、忙しい。今日はもう疲れた、明日にしよう」といった言い訳をして、今日できることを先送りにしてしまいがち。明日という日が必ず来ると何の疑いもなく思っているから、このように考えてしまうのかもしれません。この思いが貴重な時間をおろそかにして、夢を遠ざけてしまうのだと著者はいいます。
今、生きていることに感謝し、今、できることを後回しにしないこと。時間や人生を大切に考えて、当たり前にしない姿勢を見習っていきたいですね。

タイトル: ニューヨークの女性の「自分を信じて輝く」方法
著者: エリカ
発行: 大和書房
定価: 734円(税込)

ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター 。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。

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