2019.6.11
会社を休めないと思う心のメカニズム
仕事の合間に、この本を読みながら、「会社を休む勇気」を身につけ「会社を休む不安」を無くしましょう。中略
005ページより引用
この本は、大きくふたつの方向から徹底的に「会社を休む不安」という心のブロックを壊しにかかります。
はたらき方改善ナビゲーターとして活躍している著者は、メーカーの社員として中小零細から大企業まで1200社以上の取引先と接してきました。その際には、多くの違法現場を目の当たりにしてきたのだといいます。
自身も数年にわたる上司からのパワハラを経験。しかし、独学で社会保険労務士試験に合格したりと、労働環境を自ら変える努力をしてきました。
実体験から心理面でのフォローの重要性を実感し、実践的心理学であるNLP(神経言語プログラミング)マスタープラクティショナーを取得。会社員として働きながら、NPO法人POSSEで年間120件以上の労働相談等に応じています。
10数年前、著者が30歳になったばかりの頃は、仕事人間として日々仕事のことばかりを考える生活を送っていたようです。しかし、お腹に腫瘍が見つかって手術をすることに。著者は、この経験を通して心身の健康の大切さを思い知ることとなります。
本著は、会社を休む勇気を身につけて、休む不安を無くすための考え方が記されています。会社を休む不安という心のブロックを壊すためには、2つのポイントがあります。
一つ目は、実践的心理学であるNLPの考え方をベースに、自分の内面に起きる心理面での不安を解明すること。二つ目は、立ちふさがる会社からのプレッシャーや上司のパワハラなどに対して法律的な立ち位置を説明し、そのブロックに対して立ち向かって解決すること。
一つ目は、実践的心理学であるNLPの考え方をベースに、自分の内面に起きる心理面での不安を解明すること。二つ目は、立ちふさがる会社からのプレッシャーや上司のパワハラなどに対して法律的な立ち位置を説明し、そのブロックに対して立ち向かって解決すること。
休みたいのに休めないという心のメカニズムを解き明かすための心理的、実務的プロセスがわかる一冊であるといえるでしょう。
過去の記憶の蓄積というプログラムを意識する
この空気を感じとる何かしらのセンサーに引っかかり「空気を読む」ソフトを立ち上げる原因なるものがあります。その正体は、あなたの「過去の記憶」です。
025ページより引用
たとえば、体調が悪いのに会社を休めないと感じた体験。それは、無意識のうちに周囲の空気を読んでしまっているのかもしれません。私たちは、なぜ空気を読むことに支配されているのでしょうか。
人間は、過去の記憶を通して物事を理解しているのだと著者はいいます。考えるという作業は、自分の過去の記憶から回答をひねり出そうとする作業。良くも悪くも、過去の記憶の蓄積が今の自分自身を作り出しています。
そして、自分体験だけではなく、テレビや本、噂やネットといったさまざまな情報を、あたかも自分の体験のように記憶してしまっているのだといいます。それは、他人の体験も同様で、特に嫌な体験や自分にとって危険な体験は、優先的に脳の中にしまわれてしまうのだとか。
だから、同じような状況に遭遇した場合、即座に潜在意識から危険だというシグナルが発信され、空気を読んでしまうようです。
だから、同じような状況に遭遇した場合、即座に潜在意識から危険だというシグナルが発信され、空気を読んでしまうようです。
私たちの潜在意識は危険を避けるように身体反応を起こし、「休むと危険だ」と知らせている。これこそが休みたいのに休めないという心のメカニズムの真相であるといえそうです。
まずは、この超強力なプログラムの存在を意識し、認めることが重要。そして、「仕事をする人の代わりはいくらでもいるけれど、自分の代わりは自分しかいない」と、自分自身の中でしっかりと折り合いをつけていくことがブロックを破る入り口になるといえそうです。
まずは、この超強力なプログラムの存在を意識し、認めることが重要。そして、「仕事をする人の代わりはいくらでもいるけれど、自分の代わりは自分しかいない」と、自分自身の中でしっかりと折り合いをつけていくことがブロックを破る入り口になるといえそうです。
自分の人生をコントロールしようとする強い意志
潜在意識の存在を意識することで自分自身の考え方が変わったとしても、労働の現場では困ったことが当たり前にまかり通っているケースも多々あります。
最後の壁は、会社の違法行為であると著者はいいます。そして、私たちを最後に守ってくれるものは、法律の知識。最低限の知識を得ておくこと同時に、自分で考え込まずに解決能力を持つ人や外部組織に相談することが大切なようです。
最終的に自分の人生をどうしていきたいのか、しっかり見つめ、ときには立ち去るという強い意思を持つことも必要でしょう。
生きていく上で、他者との関わりを避けることはできないものです。だからこそ、自分の人生を自分でコントロールし、組織や他人に振り回されない生き方を模索していきたいものです。
生きていく上で、他者との関わりを避けることはできないものです。だからこそ、自分の人生を自分でコントロールし、組織や他人に振り回されない生き方を模索していきたいものです。
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タイトル: 頑張りすぎるあなたのための 会社を休む練習
著者: 志村和久
発行: イースト・プレス
定価: 1,300円(税抜)
著者: 志村和久
発行: イースト・プレス
定価: 1,300円(税抜)