オーストラリア留学「TAFE」、短期間で技術が習得でき、更に大学進学も可能

こんな留学あったんだ
高校を卒業すると就職するか進学するかの選択に迫られますね。オーストラリアでも同じですが、オーストラリアで進学する場合には、大学とは違った選択肢もあります。
2017.1.11
州立のTAFE(Technical and Further Education)という教育機関で、日本語に訳すと「高等職業訓練専門学校」になります。日本の専門学校に似ていますが、日本の専門学校では調理師専門学校とか自動車整備士専門学校のように学ぶ学科ごとに分けられていますよね。でもTAFEは総合大学と同じで、一つの学校の中にたくさんのコースを備えています。今回はこのTAFEでどんな留学ができるのかをご紹介します。

TAFEの概要

TAFE(テイフと発音します)はオーストラリア全国で100校以上あり、最北のノーザンテリトリーを除く全州の主要都市にあります。オーストラリアでは教育に関しては各州が独自の政策を打ち出し実践しているので、一口にTAFEと言っても、実際の内容は州毎に違い、また細かい点では学校間でも違います。そのため、ここではTAFEの概要ということでお伝えしたいと思います。
TAFEの一番の特徴は、実践的な勉強ができることで、しかも学べるコースが多いことです。大きく分野別に分けると次のようになります。
・ホスピタリティ、観光学
・ビジネス
・映像、メディア、アート、デザイン
・教育、コミュニティサービ
・動物、漁業、水産
・美容、健康
・通訳、翻訳
・コンピューター、IT
・園芸、農業
・建築、エンジニアリング
・科学、環境  ・開示、船舶
・食品、調理  ・工学、電気工学
・図書館    ・建築、土木
・自動車整備  ・物流
・ファッション ・馬術
・ワイン醸造学     
勉強できる分野は以上のように多いのですが、各分野にはさらに細かいコースが用意されています。ただ、すべてのTAFEにすべての分野が整っているわけではないので、どの学校に自分の勉強したいコースがあるかは学校ごとに調べる必要があります。TAFEに入学するためのにはオーストラリアの学生ビザを取得する必要があります。また入学の条件は英語力がIELTSで5.5(コースによっては6.0 ~ 7.0)に達していることと高校を卒業し最終成績が60%に達していることです。

オーストラリアで人気のある留学のやり方

オーストラリアに留学し、本格的に勉強したい人に今一番人気があるのは3つのステップ 「ステップ1:語学学校」「ステップ2:TAFE」「ステップ3:大学」をふむやり方です。このやり方が人気なのは、TAFEという実践的な勉強をすることで、英語力と学力を上げることができ、大学での勉強にスムーズに移行できるからです。では具体的に見ていきましょう。
まず、ステップ1の語学学校についてです。これまで説明したように、オーストラリアでTAFEに留学するには一定の英語力が必要とされます。ですので、その時点で「私には・・」とあきらめてしまう人もいるかもしれませんね。でもTAFEに留学するすべての人が最初から英語力があるわけではないのです。英語が一定以上ない時は、TAFEに行く前に語学学校に通うことができます。そしてその語学学校を卒業すればIELTSの点数は関係なくなるのです。語学学校は独立した民営の語学学校もありますが、TAFEの中に英語コースを持っているところもあります。
語学学校を卒業すると、次はステップ2のTAFEに進みます。たくさんあるコースの中から希望するコースを選び願書を出します。TAFEのコースには6カ月、12カ月、18カ月の3つのタイプがあるため、入学願書の受付は毎年2月と7月です。
次は大学ですが、オーストアラリアでは大学の学部は3年間ですが、TAFEで1年のコースを勉強し卒業すると、大学の2年生に編入できます。ただ、TAFEに入学するときに、TAFEで勉強するコースの単位が目指す大学で受け入れてもらえるかどうか確認する必要があります。TAFEと大学の間には単位や編入に関する契約がありますから、その契約がTAFEを卒業するときにも解約にならないかどうかも確認が必要です。

オーストラリアのTAFE留学に必要な費用

オーストラリアでTAFEに留学しさらに大学に進む場合、どれくらいの費用が掛かるか表にまとめてみました。なお準備費、渡航費、家賃、生活費などは、「ワーキングホリデー」の記事にありますのでここでは省きます。滞在する都市、学校、コース、学部になどによって変わるため大体の目安としてください。

まとめ

最近オーストラリアは留学生にとって人気があり、シドニーやメルボルン、ブリスベンなどの主要都市はいつも学生たちで賑わっています。
オーストラリアの留学にはいろいろなオプションがありますが、TAFEにはバラエティーに富んだコースを提供してくれるという魅力があります。またそれだけでなく、本格的に勉強したい人のために大学への布石の役割も果たしてくれます。

setsukoT

オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。

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