トランプ大統領の就任式に注目が集まるワケ

「額歴」がぐんぐん上がる経済ホットレ
2017年がスタートしましたね。さて、2017年はどんな年になるのでしょうか。お金についてのトピックスは、毎年目まぐるしく変わっていきますので、なかなか予想するのは大変です。だた、今年は、年明け早々の1月20日にお金のトレンドに大きな影響を与えるイベントが控えていますので、そこに注目するとヒントがあるかもしれません。
2017.1.14
2017年がスタートしましたね。さて、2017年はどんな年になるのでしょうか。お金についてのトピックスは、毎年目まぐるしく変わっていきますので、なかなか予想するのは大変です。だた、今年は、年明け早々の1月20日にお金のトレンドに大きな影響を与えるイベントが控えていますので、そこに注目するとヒントがあるかもしれません。
そのイベントは、米国の第45代大統領トランプ氏の就任式です。あれっ?政治の話だからお金のトレンドには関係がないのでは?と思った人も多いのではないでしょうか。いいえ、実は今後のお金のトレンドに大きく影響してくるのです。
しかも、皆さんの生活にかなり直結しそうです。少しもったいぶりましたが、答えは金利です。金利。自分にはあまり直結していないと思った人は、ちょっと待って下さい。これから金利が皆さんの生活に深く関わっていることをお伝えしたいと思います。
では、そもそもトランプ新大統領の就任と金利にどんな関係があるのでしょうか。トランプ氏は、積極的な公共投資と大規模な減税策を選挙公約に掲げ当選しました。この公約を就任後に実行すると、難しい話はさておき、米国経済は好景気となり、金利が上昇する可能性が高いと思われます(金利は、景気が加速しすぎてバブルが起きないように、金利を上昇させることで景気をコントロールする役割を持っています)。その結果、2017年は米国発で世界的に金利が上昇しはじめるのではないかと予測されています。
トランプ氏の具体的な政策を見ていくと、公共投資は10年間で1兆ドル(約120兆円)と言われています。1年換算で約12兆円。インフラ投資は、建設企業、素材会社、雇用者数の増加などのプラスの効果が期待されます。また、法人税を中心とした減税規模額は10年間で5兆ドル。その規模は危機ではない平時の経済状況では類を見ないほどの規模で米国の年間国民総生産(GDP)の2.8%に相当します。
このような2つの施策により景気は大きく浮揚し金利が上昇しそうです。
アメリカの経済規模は日本の4倍もあり、世界に与える影響は非常に大きく、金利上昇の流れが世界に広まる可能性が高くなってきました。2017年1月20日にトランプ氏の就任式で言及されるのか、実際に実行されるかといった1点に注目が集まっています。
さて、アメリカの金利上昇は、日本にどのような影響を与えるのでしょうか。アメリカの景気が良くなり世界的に物価が上がってくるとします。そうなると、日本へ輸入する価格も上昇することになり、日本もいずれゼロ金利やマイナス金利を終了し徐々に金利が上昇する可能性があります。
皆さんの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。
まずは、定期預金をしている人。その人には、嬉しい影響がありそうです。定期預金の金利が上がるかもしれないからです。一方であまり望ましくないこともあります。輸入に依存する日本ではガソリン価格や電気代は値上がりしそうです。
また、住宅ローンの金利が上がるかもしれません。住宅ローンには、主に変動金利と固定金利の2種類がありますが、金利が上昇し始めると固定金利は変動金利よりも先に上昇する傾向にあります。長い人は、35年にも及ぶ付き合いになる住宅ローン。将来を見据えて上昇する前の固定金利を選択するのか、今の返済額を少しでも抑えたい変動金利を選択するのか、今まで以上に難しい選択を迫られる可能性が高そうです。これが、トランプ大統領の就任式演説に注目が集まる理由です。

渋谷 豊

ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所(FAG総研) 代表 ファイナンシャルアカデミー執行役員

シティバンク、ソシエテ・ジェネラルのプライベートバンク部門で約13年に渡り富裕層向けサービスを経験し、独立系の資産運用会社で約2年間、資産運用業務に携わる。現在は、ファイナンシャルアカデミーで執行役員を務める傍ら、富裕層向けサービスと海外勤務の経験などを活かし、グルーバル経済に関する分析・情報の発信や様々なコンサルティング・アドバイスを行っている。慶応義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所 http://fagri.jp/
ファイナンシャルアカデミー http://www.f-a
cademy.jp/

STAGE(ステージ)