若き起業家研究 仲暁子 Wantedlyの女社長のゼロイチな生き方とその歩み

生き方
ゴールドマン・サックス、Facebook日本法人立ち上げを経て、ビジネスSNS「Wantedly」を立ち上げた仲暁子さん。2017年夏にはウォンテッドリーのIPO(株式公開)が大きく注目を集めました。彼女の生き方はIPO以前から注目を集めていますが、そこには育った環境とそこで培われた価値観が大きく影響しています。
2018.3.15

両親から与えられた「モノ作りする喜び」

ご両親が研究者の仲さん。ゲームやテレビは禁止という環境で育ちましたが、ご両親はその代わり彼女に「モノ作り」に没頭できる環境を与えました。段ボール、はさみやのりなどの画材は何でも豊富に与えられ、壁や炊飯器に絵を描いてもOK.。オセロが欲しければ、お小遣いで買うのではなく自分で作ったというから驚きです。
仲さんはご自分を「物心ついたころからゼロイチ(ゼロから何かを生み出すこと)に夢中でした」と振り返ります。
彼女の特技「漫画」のスキルもこの時養われます。幼いころの夢は「漫画家」だったという彼女、なんとゴールドマン・サックス退社後、好きな漫画で生計を立てていこうと8か月間漫画の執筆に没頭した時期もあるのです。(鳴かず飛ばずだったとのこと)また幼いころから親しんでいたパソコンで、小学生時代にホームページを開設したというからすごいですね。
自身のキャリアパスも「ゼロイチ」への挑戦と語る仲さんですが、早くから自立心が芽生えていたのも、このように何でも自分で作りだす環境にあったからだと振り返っています。

引用元:「日経ビジネスOnline」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/090600161/090800003/?P=1

小学校はアメリカ、高校はニュージーランドと海外経験に恵まれた

小学校時代をアメリカで過ごした仲さんは、日本に帰国後、高校はニュージーランドに進学するという選択をします。
この海外経験で、彼女の大きな武器でもある言語力と国際性を培なっています。
京大卒業後ゴールドマン・サックス証券入社、後にFacebook日本法人立ち上げに参画といった輝かしい歩みは、この海外経験なしには成り立たないでしょう。

世の中には「立ち上げる」人が少ない

再び「日経ビジネスOnline」から引用しますが、仲さんは、インタビューでこのように自己分析しています。彼女が半年に1つのペースで新事業を立ち上げていた京大時代を振り返っての言葉です。
「立ち上げが得意な半面、育てるのは苦手で、悪くいうとやりっぱなしみたいな感じでもあったのですが、世の中、立ち上げる人の方が希少価値が高いということが分かってきたのもその頃です。」
仲さんが、自身の持つ無から有を生み出す能力(ゼロイチ)に、自覚した瞬間だったのでしょう。Facebook日本法人立ち上げ時にも、アメリカから来たスタッフがサクサクと決断する姿に触れて、大きく影響を受けたと言う仲さん。
自らを立ち上げ屋気質と語る彼女ですが、日本人の得意技が模倣して発展させることであるのに対し、彼女のスタイルはまさにゼロイチ、大きく違いますね。

これから増える形との予測も?様々な波紋を呼んだウォンテッドリー IPO

「Wantedly」の運営会社ウォンテッドリー株式会社のマザーズ上場が、2017年8月10日に承認されました。
HRtech(ITテクノロジーによる人事業務をすること)の雄と呼ばれ、かねてから注目された企業の上場でしたが、その上場スタイルに賛否が集まったのです。批判的なブログが一時閲覧不可になったりと話題になりましたが、ここでは批判に対して彼女の経営手腕を評価するブログを紹介します。

「WantedlyのIPOを現役CFOが勝手に斬る!」

①ダウンラウンドによるIPO

買い付けより公開時の株価が下がっていれば、普通は株主の大反対にあい上場は見送られます。しかし、今回のIPOの優先は株主の理解を得られたと見られるので問題が無いこと、またその後の資本準備金の扱いや株の買い付けの仲さんの手腕を「さすがゴールドマンサックス出身」と評価しています。

②従業員の株式保有比率が低い

創業の貢献度に鑑みると妥当ではないかという意見です。

③4000万という少額の調達金額

こちらについても擁護があり、IPO時の時価総額40億円は、彼らにとって想定外に低い評価であったとの意思表示ではないかと言います。
起業に要する経費が昔であれば10億は必要であったが、今は1000万程度で済むという時代背景の変化もあり、今後こういったIPOは増えるのではという声もあります。
ウォンテッドリーは2010年創業のまだまだ新しい会社であり、仲さんも若干32歳です。彼女のファンが多いスタートアップ界隈のみならず、日本の経営スタイルにも、彼女の生き方が影響を与えていくのは間違いないでしょう。

https://www.wantedly.com/companies/dfree/post_articles/73237

しーな

システム開発業の夫を手伝いながら身に付けた知識で、2017年からIT業界を中心に扱いラ
イティングをしています。3児の母です。IT業界や成功者に興味があります。

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