2019年2月5日 更新

資産を10倍に増やす堅実な投資スタイルとは(前編)

私の基本的な投資スタンスについては、2007年に出版した『株式市場「強者」の論理』という著書のなかの「長期的な計画を立てる」という項目のなかで、その原型ともいえる文章を書いております。

あれから11年あまりを経て、その文章を改めて紹介したいと思います。

【以下、『株式市場「強者」の論理』218~220ページより転載】

あと20年以内に大きな上昇トレンドを2回経験できれば、資産を数十倍にできるチャンスは十分あります。それまでは、焦らず、少しずつ増やしていくことなど、心の余裕が求められます。仮に次のようなトレンドをシミュレーションしてみましょう。

2007年~2013年(7年間) ボックストレンドまたは下降トレンド
2014年~2016年(3年間) 上昇トレンド
2017年~2023年(7年間) ボックストレンドまたは下降トレンド
2024年~2026年(3年間) 上昇トレンド

ボックストレンドまたは下降トレンドでは、できるだけ安全な投資を心がけなければなりません。具体的には年率10%の利益で満足しなければなりません。それでも年率10%の複利で増やしていけば、7年目の2013年に資金は約2倍(1.95倍)になります。

そして、2014年から始まる上昇トレンドにおいて年率50%で複利で増やしていくとしましょう。10年目の2016年には元本の6.58倍にまで増えている計算になります。さらに、この仮定で計算を進めると、2007年から2026年までの20年間で投資資金は43.3倍に膨らみます。

よりリスクを軽減し、安定的なリターンを求めるのであれば、ボックストレンドまたは下降トレンドでは株式の代わりに外貨や外債で5%程度の利回りを目安に運用し、上昇トレンドのときだけ株式で30%のパフォーマンスを目安に運用するという方法もあります。なるべくリスクを避けたいという投資家向けの方法です。

このシミュレーションは決して楽観的なシミュレーションではありません。過去のトレンドなども加味して中立的な立場で想定したものです。1年、2年といった短期間で数十倍に資産を増やそうとせずとも、長期的・継続的に資産を増やすことができれば十倍、数十倍という目標も夢ではないでしょう。

【以上、転載終わり】

景気の変動

この本が出版された2007年6月当時は、経済メディアでは「過去数十年で世界経済が最も好調な時期」と囃され、株式市場では「株価はあと数年上がり続けるだろう」といわれていました。しかし実際には、2007年8月にパリバ・ショック、2008年9月にリーマン・ショックが起こってしまいました。

それではなぜ、私は2007年~2013年(7年間)をボックストレンドまたは下降トレンドと設定することができたのでしょうか。それは、『株式市場「強者」の論理』の前の2冊の著書のなかでも触れていたように、2007年頃には米国の住宅バブルが崩壊することやその後の金融危機を予見していたからです。

さて、転載した文章から11年あまり経っていますが、それから試行錯誤を繰り返して学んだ結果、少なくとも過去5年間の私は、転載した文章から多少アレンジした投資スタンスを提唱し続けています。次回の記事では、そのスタンスについて紹介したいと思います。

なお、私のブログ『経済を読む』においては、大事な局面では株価の流れを分析していることもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

http://blog.livedoor.jp/keizaiwoyomu/

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中原圭介(なかはら・けいすけ)

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。 主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『ビジネスで使える 経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)、『日本の国難』『お金の神様』(講談社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点で日本の将来を考える』を好評連載中。
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