資産を10倍に増やす堅実な投資スタイルとは(後編)

前編で取り上げた私の原型ともいえる投資スタンスについて書いた文章から11年あまりが経過しましたが、それから試行錯誤を繰り返して学んだ結果、基本的に次のような投資スタンスを勧めるようになっております。

主に昼間は仕事で株価が見られないという人たちに対して、基本的に次のような投資スタンスを勧めるようになっております。

すなわち、上昇トレンドでは積極的な投資を心がけ、年率30%で増やしていく一方で、ボックストレンド・下降トレンドでは大きな損失を抱えることのないように注意し、年率5%程度で満足する投資をしていくということです。

かつてはボックストレンドや下降トレンドではリスク回避を優先するために、株式の代わりに外貨や外債での投資を勧めていましたが、今では株式のままでも十分に目標が達成できる手法を実践しているので、いっそうシンプルに、かつ柔軟に対応できるようになっています。

この仮定に基づいて計算通りの運用を進めていけば、2007年から2026年までの20年間で投資資金は9.6倍に増加することになります。大きなリスクを取って1年、2年といった短期間で資産を10倍に増やそうと一か八かの勝負をせずとも、堅実なプランのもとで10倍という目標を達成するのは十分に可能なことなのです。

それに加えて、私がこれまで申し上げ続けてきたのは、世界の政治・経済のリスクを考慮に入れながら、投資のリスクをコントロールするということです。リスクをコントロールするには様々な方法がありますが、私が考える簡単なリスク・コントロールの方法は、株価トレンドや経済金融環境に応じて、運用ポジションの比率を柔軟に変えていくということです。

実際のところ、景気拡大期と金融緩和の双方が続く局面では、「暴落時に買い、上昇時に欲張らずに売る」のが基本としてきました。次に、景気拡大期と金融引締めが進む初期の局面では、同じ対応となりますが、「ポジションは控えめに(たとえば、3分の1あたりに)する」のが肝要であるとしてきました。

そして次にやってくる、金融引締めと景気後退が相次ぐ局面では、「ノーポジション(現金比率は100%)で余裕を持って待つ」のが賢明であるとしています。そういった意味では、2019年後半~2020年には積極的な投資のチャンスがやってくると睨んでいます。

なお、私のブログ『経済を読む』においては、大事な局面では株価の流れを分析していることもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

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中原圭介(なかはら・けいすけ)

中原圭介(なかはら・けいすけ)

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。 主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『ビジネスで使える 経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)、『日本の国難』『お金の神様』(講談社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点で日本の将来を考える』を好評連載中。
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