だれでもできる「仕組み」作り3つの黄金ルール

気合いと根性だけでは、仕事は長続きしません。では、どうするか?——おすすめは「自分が働かなくてもいい仕事は、『仕組み』に働かせる」という考え方です。効率化に悩むビジネスパーソンへ、泉正人のベストセラー『「仕組み」仕事術』よりスペシャル版としてお届けします!

2018.3.21
仕事ではひとりのプロフェッショナルな能力より、その能力を多くの人ができる仕事として「仕組み化」することのほうが社会から評価されます。なぜなら、世界一の才能や特許をとる発明ができるなどと並外れたものでないかぎり、ひとりのプロフェッショナルな才能よりも数で勝ることができるからです。

黄金ルール1 才能に頼らない

これをあなたが読んでいるということは、おそらくあなたは、仕事での能力が高く評価され、マネジメントを任される立場になっているということなのではないでしょうか。
マネジメントでは「仕組みづくり」が大切と言われますが、実は能力の高い人ほど「仕組みづくり」が苦手なことが多いようです。できる人はどうしても「自分でやったほうが早い」「感覚でやっているので明文化できない」などと思い込んでしまいがちだからです。
しかしそれは思い込みです。まず、いつまでも仕事を独占していたり、優秀なスタッフばかりに仕事を振って他のスタッフに不満が溜まってしまっては、マネージャー失格になってしまいます。
また、学生アルバイトなど誰でもその通りやればできるマニュアルやチェックリストを作る「仕組み化」に今すぐ取り組みましょう。はじめは面倒くさく、大変かもしれませんが、一度作ってしまえば、あとは自分を楽にしてくれるだけのツールになります。自分と同じような才能のある人ばかりが部下になることなどありません。特別な才能のない人でも結果が出せる「仕組み」を作ることこそが、大きな成果につながっていくのです。

黄金ルール2 意志の力に頼らない

誰しもが仕事は頑張ってくれるものという考えは今すぐ捨てましょう。人間は、基本的には怠け者です。「この仕事は大変だから、なかなか手がつかないな」と逃げていたら、締め切り間際になってしまって大慌て、という経験は誰しもがあるのではないでしょうか。また、「よし、やるぞ!」と気持ちは強く持っていたとしても、意志とは意外と不確かなもので、そのときの体調や気分に左右されたりします。
仕事は「意志の力」ではなく「仕組みの力」で自分を動かすのです。仕組みができれば、仕事のたびに強い意志をふりしぼらなくても、自動的に結果がついてくるようになります。
職場であれば「午前中は作業時間にあてる」「書類は1日以内に処理する」など、個人のことであれば「パラパラめくるだけでもいいので、週に3冊の本を読む」とルールを決め守ることです。それが習慣化され、やがて知識が身に付き、強い意志を持たなくても仕事が上手くまわるようになるのです。

黄金ルール3 記憶力に頼らない

人は1日の間に話した内容の9割を忘れていると言われ、自分も含め個人の記憶はあてにならないものです。パソコンや手帳を活用して「外部記録の仕組み」を作り、常に正確な情報を共有できるようにしましょう。例えば、会議のときは書記が議事録をとり、終わったらそれを関係者全員が参加するメーリングリストで流すといったようなことです。欠席者も会議内容が共有できますし、数か月前に議論したこともさかのぼって確認できる履歴にもなるので、不確かな記憶に頼らず生産性を上げて仕事を進められます。
マネジメントでいちばん必要な考え方は、「自分でできる仕事は他人でもできる」ようにすること。
自分がいなければこの仕事はまわらないという発想から、「自分がいなくてもこの仕事をまわるようにするにはどうしたらよいか」にアップデートしていきましょう。仕組み作りの経験を積んでいくと、「自分がこの仕事を責任を持って行う必要がある」ということは、「他人が責任を持ってこの仕事を行うにはどういう仕組みが必要か?」が考えられるようになっていきます。
この発想の転換があなた自身を強くし、仕事力を磨き、成長につながります。あなたの仕事を何倍もの結果につなげ、価値を高めてくれるのが「仕組み」づくりなのです。
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