2019.8.30
ブランディングは重要な経営戦略である
世界の経営者たちは、ビジネスを成功させるためにはブランディングが必要不可欠な経営戦略であると認識しています。
17ページより引用
クリエイティブ・デイレクター、アートディレクター、グラフィックデイレクターとして、HI(NY)の共同代表を務めている著者。NYの美術大学を卒業後、MTV等を経て現在に至ります。
現職では、米国コカコーラの新商品ブランディングやパッケージデザインに関わったりと、幅広い活躍をしています。
現職では、米国コカコーラの新商品ブランディングやパッケージデザインに関わったりと、幅広い活躍をしています。
ブランディングというと、ハイブランドや大手企業が手がけるロゴなどのデザインというイメージがあります。しかし、ブランディングとは経営戦略。最終ゴールは顧客ロイヤリティの獲得であり、ファンになってもらうことなのだとか。
事業を立ち上げたら、まずブランドの構築=ブランディングが重要。しかし、その本質が日本ではまだまだ理解されず、経営戦略として浸透していないのが実情であると著者はいいます。
たとえば、ブランディングする前にロゴやウェブサイトなどの内容を作り始めてしまうと、一貫性のない世界観とメッセージになってしまいがちです。その状態では、ブランドとしてのグローバルな成功はないといえるでしょう。
たとえば、ブランディングする前にロゴやウェブサイトなどの内容を作り始めてしまうと、一貫性のない世界観とメッセージになってしまいがちです。その状態では、ブランドとしてのグローバルな成功はないといえるでしょう。
世界のビジネスは、今、優しい方向に向かっていて、キーワードは「Connection繋がり」。働く人がやりがいを持ち、自己実現していくことをビジネスでサポートしていくためには、ブランディングが必要不可欠です。
どんな職業、立場であっても、愛されるブランド構築でビジネスを成功させる考え方を知っておきたいものです。
どんな職業、立場であっても、愛されるブランド構築でビジネスを成功させる考え方を知っておきたいものです。
モノよりビジョンを買う時代
商品のスペック(機能的価値)だけでなく、商品やそのつくり手に共感できるか(情緒的価値)が重要になってきている時代。中略
56〜57ページより引用
それは、これらの情緒的価値をアウトプットしていくということ、伝えていくことです。
今までは標準的で似通ったビジネスが多く、会社の規模が大きいことで優位に立てる傾向があったと語る著者。ITの進化やソーシャルメディアの普及によって、誰もが受信発信できるようになった現代。世界の消費者は、社会に対する意識が高くなり、企業に対してもビジョンやミッションを求める傾向が高まっているといえるでしょう。
その会社らしさとしてのコアバリューに焦点を当て、価値を押し出したビジネスが増えている昨今。だからこそ、大企業よりも中小企業の方が、ビジョンの共有がスムーズなのかもしれません。
企業独自の強みを活かした商品やサービスにおける情緒的な価値、ビジョンやミッションを知ってもらうためには、戦略的なコミュニケーションが必要になってきます。
企業独自の強みを活かした商品やサービスにおける情緒的な価値、ビジョンやミッションを知ってもらうためには、戦略的なコミュニケーションが必要になってきます。
たとえば、視覚・聴覚・嗅覚など、相手の五感で感じられるものすべてが、コミュニケーションになり得ます。
情緒的価値を消費者に伝えることが重要な今だからこそ、記憶に残るビジュアル、視覚的コミュニケーションは有効なツールであるということがわかります。
情緒的価値を消費者に伝えることが重要な今だからこそ、記憶に残るビジュアル、視覚的コミュニケーションは有効なツールであるということがわかります。
自分の感覚を疑ってみる
ブランディングは、人の感覚に訴える経営戦略であり、ターゲット・オーディエンスを理解することが大切であるという著者。その際に、自分がターゲット・オーディエンスではない場合、「自分を疑う」ことが重要なようです。
マーケット調査などの一般的な動向をもとにするだけでは、実感のないものになってしまいがちです。有効なのは、ターゲット・オーディエンスに属する人をチーム内に置くか、ターゲット・オーディエンスと人間関係を築いて理解するところにコツがあるようです。
自分の軸を持ちつつも、自分が「違う」ということを認識していく。自分の感覚を疑うことが、良いブランディングを作るために必要な考え方であるといえるでしょう。
自分の軸を持ちつつも、自分が「違う」ということを認識していく。自分の感覚を疑うことが、良いブランディングを作るために必要な考え方であるといえるでしょう。
「ブランド」という形を持たない資産を作り上げるための「ブランディング」。その必要性を理解し、さまざまな仕事の中に活かしていくことは、これからの時代で生き残っていくために重要な考え方であるといえそうです。
タイトル: ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと
著者: 小山田育・渡邉デルーカ瞳
発行: クロスメディア・パブリッシング
定価: 1,680円(税抜)