可愛いままで年収1000万円!ゆるふわ系「ワークライフスタイル」とは?

著者の宮本佳実さんですが、ごく普通の高卒OLから個人向けのスタイリストに転身。現在は名古屋を中心にワークライフスタイリストとして公演活動などを行っている方。自身の体験をもとに『可愛いままで年収1,000万円になる』という本をヒットさせた経歴の持ち主です。

2018.1.9
今回は普段あまり読まないジャンル、というか自分としては、ほぼ初ジャンルの本に手を伸ばしてみました。タイトルは『WORK LIFE STYLE BOOK』。最近はインスタグラムの流行などでスタイルブックを出版するモデルや芸能人たちが人気を博していますが、こちらは女性起業家の働き方を切り取る形式で紹介したスタイルブックという位置づけですので、写真メインの一般的なスタイルブックよりは文章が多いタイプの書籍です。
自分のイメージ通りのスタイルで、やりたい事だけをテーマに働くことは誰にでもできると断言する彼女の主張とはどんなものなのでしょうか? その中身に迫りたいと思います。

私の毎日を私が決める!理想のワークスタイル!

高校卒業後、アパレル企業に就職して働き始めた彼女の月収は15万円程度。それでも深夜まで残業する日もあれば、上司に理不尽に怒られる日もあったそうです。さらに、自分より高学歴の社員には「できない子」認定されてしまうほど。つまり、周囲が驚くような才能があったわけではなくごく普通の女性でした。
そして「必死で働く」という状況は独立後も大きく変わらなかったそうですが、こんな時、同じ状況に置かれた人の多くは、①「お金のために耐えて働く」②「転職して働く環境を変える」③「逃げ出す」という選択肢をイメージするのではないでしょうか? しかし彼女は違いました。彼女がとった行動は「自分の生活スタイルを自分が決める」ことだったのです。
具体的には、理想とする日々の働き方を文字に書き起こして意識しながら生活すること。会社勤めの場合、早起きして出社前にお気に入りのコーヒーショップで読書すること…などでもOK。どんな小さなことでも実現するとそれが成功体験となり、積み重ねることで理想に近づくことができたのだといいます。
この考え方にはまだ現実離れしていて抵抗がある人もいるかもしれませんが、個人的には、いま実際に様々な企業が「働き方改革」で会議の時間を短縮するといった改革を行っているのを考えると、「働き方は変えられる」と意識することはとても重要だと感じます。ですので、この方法は非常にためになるというのが率直な感想でした。

すごい人と自分は大差ない!

会社員時代、周囲から「できない子」と思われている自分がはがゆかったそうですが、彼女が今になって思うのは「すごい人」と「普通の自分」に大差はなかったのではないか?ということ。
彼女の分析によるすごい人の特徴は、
・自分の得意なことが分かっている
・行動量が多い
・自分のことを「すごい」と思っている
の3点に絞られるのだとか。
中でも「自分の得意なことが分かっている」というのは、勉強やスポーツなどの分かりやすい才能はもちろん、「人の話を聞くのが得意」「整理整頓が上手」といった気が付きにくいものもあり、出来る人ほど自分の細かい長所に気が付いているのだといいます。
学校では習わないような社会的スキルも十分仕事の長所になりえるので、いちど注意深く自己分析をしてみる価値がありそうですね。

「全部、自分でやらなきゃ」を卒業する!

自分の得意なことが見えてくると、おのずと苦手なことも見えてきます。彼女の場合、それは「整理整頓」。
予定が立て込むと部屋が散らかりがちでしたが、あるとき思い切って家事代行サービスを利用してみたのだそうです。すると、感動するほどきれいな部屋になり、仕事がしやすい環境に。さらに「支払った金額以上の仕事をしよう」というポジティブな感情も生まれました。
日本人は真面目で、苦手なことから逃げずに頑張るのを美徳にしがちですが、ときには「やらない」と選択することで期待以上の効果を生み出すこともあるのです。
「やりたいことだけを仕事にして1000万円稼ぐ」という彼女の働き方は、会社勤務のサラリーマンには参考にならないような気がしてしまうかもしれません。しかし、読み進めるうちに働き方に問題があると自覚するサラリーマンこそ参考にすべき点があるのではないか?とも感じました。実践編というよりはモチベーションに関する記述が多め、写真と本文に「♥」も多めですが、女性の発想や考え方を知る上でも貴重な読書の機会になりました。
横山ケン太

横山ケン太

趣味はアウトドア、興味は財テク。フリーの作家として活動中。
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