2019.8.21
ワインのマナー:ワインを尊重する
ワインが日常に深く根差した伝統的なワイン産出地においてワインは「必需品」となるのかもしれませんが、多くの日本人にとってワインは「嗜好品」に分類されると思います。嗜好品であるワインは、難しいことを考えずにお好きなように楽しむことが本来の姿だと思います。赤ワインに氷を入れて飲んだり、白ワインをソーダで割って飲んでも良いと思います。
しかし高品質なワイン造りを目標に、努力を積み重ねて1本のワインを生みだす生産者やそのワインそのものを尊重するならば、そこにはマナーが生じてくることと思います。
マナーと言っても難しいことはありません。ワインを尊重するために、そのワインに相応しいワイン・グラスを用いる、また適度な温度で楽しむといったこと位のものです。レストランにはワイン担当のスタッフが居ることでしょうから、全てお店に任せておけば良いのです。
このように、ワインそのものに対するマナーはシンプルです。
ワインを飲む時のマナー:同じ空間で過ごす人を尊重する
次に、ワインそのものというよりはワインを介して生じるマナーについてご紹介します。
5つご紹介しますが、根底にあるものは全て同じで「同じ空間で同じ時間を過ごす人を尊重する」ということです。
5つご紹介しますが、根底にあるものは全て同じで「同じ空間で同じ時間を過ごす人を尊重する」ということです。
・ワインを飲む時のマナー1:ワインを回す動作
例えば、ワインを楽しむ際にワイン・グラスを動かしてワインを回すという動作を見たことがある方もいらっしゃると思います。これは、ワインを空気と触れさせて香りを開かせることが主な目的です。何度も何度もワインを回す必要はありません。時折ずっとワインを回し続けている方を目にしますが、品の良い仕草とは言えませんので過度にワインを回すことは控えましょう。
・ワインを飲む時のマナー2:ワインの飲み方
ワインのテイスティングを勉強された方の中には、音を立ててワインをすする方がいらっしゃいます。ワインの生産者やソムリエが、仕事の現場で音を立ててワインを試飲することはありますが、この行為をレストランで食事をしながら行うことは本当にやめましょう。
・ワインを飲む時のマナー3:ワイン・リストを見るとき
レストランで食事を選ぶ際に迷ってしまって時間がかかることがあると思います。分厚いワイン・リストがあるレストランでは、ワイン愛好家としてはじっくり目を通してみたいところではありますが、ここも同席される方のワインへの興味度合によってワイン・リストを「読む」ことは控えた方が良いかもしれません。
・ワインを飲む時のマナー4:ワインのテイスティング
ソムリエが居るレストランで、ワインをボトルで注文した時にホスト・テイスティングを求められることがあります。これは、選んだワインがお連れ様に飲んで頂くのに問題(=ワインの欠陥。コルク臭やひどい酸化など。)が無いかどうかのチェックをするということです。接待の席で、ホストがワインを選んでおきながらゲストの方にホスト・テイスティングをして頂くという場面を何度か見たことがありますが、ホスト・テイスティングは上述のような目的のために行うものなので、特に接待の場合はゲストの方に味見をして頂くという行為は本末転倒です。
・ワインを飲む時のマナー5:ワインの味わい方
実際にワインを飲む場面では、是非ワインの欠点を言うことは避け、美点を褒めてあげましょう。本当に失望するようなワインに出くわしてしまった場合は別ですが、そのようなケースはとても稀なはずです。例えば、グラスの中のワインが思ったよりも薄く感じてしまっても「軽やか」ですとか「エレガント」と表現してみてはいかがでしょうか。
最後に、ワインに限ったことではありませんが、飲む強要はしないことです。
最後に、ワインに限ったことではありませんが、飲む強要はしないことです。
ワインのワン・ランク上の楽しみ方:「グラス」と「温度」
本当に大切なことはシンプルで、ワインは楽しむべきものです。
ワン・ランク上の楽しみ方ができるコツをご紹介します。
私は、ワインを最高の状態で楽しむ2大要素があると考えております。それは前述致しましたが「グラス」と「温度」です。レストランではワイン担当者がそれぞれ管理してくれますが、ご興味のある方はレストランでもご自宅でも、ひとつのワインを複数の異なる形状のワイン・グラスで飲んでみると同じワインが違った印象で感じられることと思います。このワインはこのグラス、という絶対的な正解は無いと思います。その時の気分や体調によっても変わるでしょう。いろいろ試してみることをお勧めします。温度
に関しては、低いと香りのヴォリュームが下がり、酸味が強めに感じられます。高いと香りのヴォリュームが増し、酸味が比較的穏やかに感じられます。温度が高すぎるとアルコールが強めに感じられ、香りも味わいも焦点が合わなくなりますので、25℃は超えない方が良いと思います。夏場の常温のワインは良くない、ということですね。
に関しては、低いと香りのヴォリュームが下がり、酸味が強めに感じられます。高いと香りのヴォリュームが増し、酸味が比較的穏やかに感じられます。温度が高すぎるとアルコールが強めに感じられ、香りも味わいも焦点が合わなくなりますので、25℃は超えない方が良いと思います。夏場の常温のワインは良くない、ということですね。
今回はワインのマナーについて書きました。ワインは難しく考えるべきものではありません。楽しんでください!