著者は営業マン、営業コンサルタントとして約20年以上の経験があるそうだが、そのうち7年もの間は、ダメ営業マンだったという。しかし、8年目にして突然トップセールスマンになったそうだ。なぜ突然トップになれたのか。その秘訣についてまとめられている。
会社員と違いフリーランスになるには、自分で仕事をとってくる営業が重要である。相手の困っていること、また面倒だと思っているような悩みを理解し、解決する方法を提示できるかが、鍵なのだ。そのため常日頃からどのような人が、どのような悩みを持っているのかを知ることが大切だ。
さらに、仕事をする上で第一印象を良くすることも大切だ。初対面の人を短時間で見抜く人事担当者も「見た目」で採用を決めているという企業は非常に多い。評者も仕事で定期的に面接官を行っているが、その際も同じく「見た目」で判断している。
それはもちろん、顔の作りやスタイルがいいかということではなく「見た目」でその人が誠実な人なのか、または、いい加減な人なのか、仕事ができる人かなど、その人の「見た目」や雰囲気にすべてが表れているということだ。それほど印象は大事なのだ。
しかし、中には面接で不採用になったことが納得できず「あんな短い時間で何がわかるのか」「不採用の理由を教えろ」とクレーム電話をしてくる人が度々いるが、ある意味そういうことをしそうな人ということが、事前にわかったから不採用にしたのだ。それは、判断が間違っていなかったという証明にもなった。
また、ビジネスにおいては「雑談力」も不可欠なスキルだという。特に会社の名前や後ろ楯のないフリーランスは、初めて仕事をする相手から警戒心を持たれやすいため、雑談が緊張感を緩和させることになる。
さらに、相手が興味を持っていることや相手にメリットがある情報を提供し、いい距離感でコミュニケーションがとれれば「雑談から仕事が生まれる」こともあると著者はいう。
著者自身は理系出身で、意外にもコミュニケーション能力が低いそうだ。人前に出て話したり、懇親会などで知らない人と雑談するのも緊張するという。仕事のできる人や営業、コンサルタントの仕事を選ぶ人は、ある意味コミュニケーション能力に長けている人がほとんどだと思っていたが、苦手意識を持っているとは非常に驚いた。
本書では著者の経験から成功例や失敗談、うまくいく人、いかない人の具体例が書かれているため、とてもわかりやすい。また、ビジネススキルはスポーツなどと同じように、日々練習することで鍛えることができるという。そのため本書を読むことで、誰でも今からスキルアップすることが可能なのだ。
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