2019.7.8
眠っている筋肉を鍛えて冷え解消
体温の半分以上は筋肉が作っています。そのため、冷え解消のためには筋トレで筋肉をしっかり働かせると効果的です。中でも、使われずに眠っている筋肉や、筋肉自体が大きくポンプ機能が強い脚の筋肉を鍛えることがポイントです。普段の生活はもちろん、運動の際も使われにくい筋肉には、腹筋の奥にある腹横筋や腸腰筋、足の指先からふくらはぎにかけてある長母指屈筋などがあります。
腹部のインナーマッスルを鍛える方法から説明します。
腹横筋は、ロッキングプランクで鍛えましょう。やり方は、まず床にうつ伏せになります。次に、両ひじを床につけて体を浮かせ、頭からかかとまで一直線になるようにしてください。この体勢のまま、体を前後に動かしましょう。10~20cmほど体を揺らすイメージです。はじめは20秒を3セット、慣れたら30秒、40秒と増やしていきましょう。
腸腰筋にはバイシクルクランチがおすすめです。腹直筋や腹斜筋など、腹筋全体も鍛えられる方法です。やり方は、まず床に仰向けになります。次に、両手を頭の後ろに当て、腹筋に力を入れて上体を少し浮かせてください。そして、自転車を漕ぐように脚を回転させましょう。この時、腸腰筋にしっかり効かせるため、脚の動きに合わせて上体をひねることが大切です。このトレーニングも、20秒3セットからはじめましょう。
長母指屈筋のトレーニングを説明します。まず、裸足になってからイスに座り、床の上に置いたタオルに足を乗せます。そして、足の裏全体の筋肉を使うように、足の指を使ってタオルを手繰り寄せてください。足首から上はできるだけ動かさないことが大切です。30秒3セットからはじめましょう。
最後に脚全体の筋肉量を鍛えましょう。トレーニング種目は、太ももやお尻の筋肉をはじめ、内股、腹筋、アキレス腱周辺も同時に鍛えられるサイドランジがおすすめです。
やり方は、まず直立して両手を腰に当ててから、肩幅より広く足を広げます。そして、右に上体を移動させましょう。右ひざを曲げて腰を落とした状態で3秒キープし、右太ももに負荷を与えます。この時、つま先は前を向け、上体はやや前傾姿勢にしてください。ゆっくり元の位置に戻り、反対の左側に上体を移動させます。このトレーニングを、左右10回ずつ3セット行いましょう。負荷が足りない場合は、回数を20回まで増やしたり、キープする時間を5秒以上に延ばしたりしてください。
ウォーキングで全身運動
冷え改善のために、生活習慣の中でできるだけ取り入れたいのが全身運動です。たとえば、ウォーキングやジョギングは、簡単に全身運動ができるおすすめの方法です。専用の時間を確保しなくても、通勤やショッピング時に大股で姿勢をよくして歩くだけでもよいでしょう。歩いたり走ったりすることは、全身運動だけでなく腸腰筋にも効かせることができます。
体を冷やさない食生活にする
生活の基本となる食事は、冷え解消のために重要な要素です。栄養バランスのよい食事内容にすることはもちろん、生姜や唐辛子のような血流アップや体温上昇に効果的な食材を使うようにしてください。また、発熱に重要な筋肉量の維持のため、タンパク質の摂取量を増やしましょう。
反対に、食生活で冷えを促すものは排除するようにします。たとえば、冷たい料理をできるだけ食べないこと、アルコールの摂取を控えること、過度なダイエットはしないことなどです。
冷え解消のためにはストレスをためない
ストレスによって自律神経が乱れて血管が収縮すると、冷えの症状が出ることがあります。そのため、定期的にストレスを解消するようにしましょう。趣味に打ち込むこともよいですが、時間がない場合は全身運動とストレス解消を兼ねたウォーキングがおすすめです。
半身浴よりも全身浴
冷え性対策で半身浴を行う人は少なくありません。しかし、長時間の半身浴は上半身の冷えや肩周辺の血行不良を招くことがあるため、逆効果になる可能性があります。そのため、半身浴を行う場合は、毎日ではなく週1~2回にとどめてください。
冷え改善のためには、全身の筋肉をほぐすことができ、体の修復作用を促進できる全身浴がおすすめです。全身浴の際は、シャンプーをしたら42度前後のお湯に3~5分浸かり、体を洗ったら再度湯船に3~5分浸かる、といったように交互に行うとよいでしょう。
まとめ
運動不足やストレス、食生活の乱れなど、冷えを促す習慣を送っている人は少なくありません。ただし、間違った冷え性対策では改善できないだけでなく、様々な症状を増やす原因にもなります。そのため、適切な対策することが大切です。筋肉は体温を生み出す組織です。冷えで悩んでいる人は、日常生活の改善に加え、今回解説したような筋力トレーニングを続けてみてください。