2018.3.23
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やあ、英資くん、さきほどはどうも。
君の成功と失敗の物語を聞かせてくれてどうもありがとう。
君の成功と失敗の物語を聞かせてくれてどうもありがとう。
まずは、お礼をいうよ。
それから君がここに来てくれたことも、ありがとう。
これは私とある小さな少女との約束だったんだ。
これは私とある小さな少女との約束だったんだ。
私はこの病院で彼女と知り合った。
私も一カ月前まで、この病院に入院していた。
個室で寂しく過ごしていたとき、彼女が私の個室に
間違えて入ってきたのがきっかけだった。
彼女はそれからもちょくちょく訪ねてきてくれたよ。
看護師の目を盗んで、間違えたフリをしてね。
心の優しい女の子だったんだ。私が寂しそうなのを
見抜いたんだろう。
個室で寂しく過ごしていたとき、彼女が私の個室に
間違えて入ってきたのがきっかけだった。
彼女はそれからもちょくちょく訪ねてきてくれたよ。
看護師の目を盗んで、間違えたフリをしてね。
心の優しい女の子だったんだ。私が寂しそうなのを
見抜いたんだろう。
彼女が見抜いた通り、私には最愛の妻がいたんだが、
一年前に病気で他界していた。
そして、私たちには子どもがいなかったので
私は本当にひとりになってしまっていたんだ。
身の回りのことは会社の人間が毎日やってきて、
世話をしてくれたから不自由はなかったが、
心を許しあうような家族というわけではない。
一年前に病気で他界していた。
そして、私たちには子どもがいなかったので
私は本当にひとりになってしまっていたんだ。
身の回りのことは会社の人間が毎日やってきて、
世話をしてくれたから不自由はなかったが、
心を許しあうような家族というわけではない。
君のことは、愛子ちゃんから聞いて知ったんだ。
彼女は君の事をとても好いていたよ。
でも、事業を始めたことで、彼女とほとんど会えず、
毎日忙しそうにしているといっていた。
彼女の話の断片から、僕は君のことを類推していた。
きっとお金に支配されているんだろう、と。
彼女は君が来ることを毎日待っていたよ。
私は、彼女に対して何もしてあげられないことに胸が傷んだ。
彼女は君の事をとても好いていたよ。
でも、事業を始めたことで、彼女とほとんど会えず、
毎日忙しそうにしているといっていた。
彼女の話の断片から、僕は君のことを類推していた。
きっとお金に支配されているんだろう、と。
彼女は君が来ることを毎日待っていたよ。
私は、彼女に対して何もしてあげられないことに胸が傷んだ。
私のような独り者の老人に対しても、こんなに優しく
接してくれる彼女を不幸にしていいわけはない。
私は自分が退院するとき、彼女に約束したんだ。
”君のお父さんを、きっと、ここに連れてくる”と。
その頃、彼女の体調は日に日に悪化していた。
接してくれる彼女を不幸にしていいわけはない。
私は自分が退院するとき、彼女に約束したんだ。
”君のお父さんを、きっと、ここに連れてくる”と。
その頃、彼女の体調は日に日に悪化していた。
そして、退院したとき、私はあらゆる手を使って、
その存在を探し当てた。
私も君と同じ事業家だったんだよ。何度も何度も失敗したが、
その度に学び、やがて大きな成功を手に入れることができた。
お金に支配されることも何度かあったが、
その支配から脱却して初めて、私は成功を手に入れることが
できたのだと思う。
成功に必要なのはチャレンジ精神と経験だ。お金じゃない。
そして、いろいろ経験させてくれる環境もとても大切なんだよ。
その存在を探し当てた。
私も君と同じ事業家だったんだよ。何度も何度も失敗したが、
その度に学び、やがて大きな成功を手に入れることができた。
お金に支配されることも何度かあったが、
その支配から脱却して初めて、私は成功を手に入れることが
できたのだと思う。
成功に必要なのはチャレンジ精神と経験だ。お金じゃない。
そして、いろいろ経験させてくれる環境もとても大切なんだよ。
君はその環境を自分から、壊していった。
君のやったことは、ほとんど間違いじゃないよ。
ただ、少し運がなかっただけさ。
君のやったことは、ほとんど間違いじゃないよ。
ただ、少し運がなかっただけさ。
君はその経験を持ってどこに行くんだい?
まさか、墓場に行くんじゃないだろう。
私は、失敗を経験した人間を高く評価する。
失敗とは、決断をした人間だけが得られるものだからだ。
まさか、墓場に行くんじゃないだろう。
私は、失敗を経験した人間を高く評価する。
失敗とは、決断をした人間だけが得られるものだからだ。
もう一度、やってみる気はないかい?
私の会社にも飲食部門がある。
もともと飲食から始めて大きくした会社なんだ。
そこでマネージメントをしてみないか?
私の所で働けば、少しずつだが借金も返していけるだろう。
何より、彼女をこれ以上悲しませないで欲しい。
私の会社にも飲食部門がある。
もともと飲食から始めて大きくした会社なんだ。
そこでマネージメントをしてみないか?
私の所で働けば、少しずつだが借金も返していけるだろう。
何より、彼女をこれ以上悲しませないで欲しい。
君のことはもう調べてある。経歴は申し分ないね。
だけど、君はお金の持つ不思議な力について知らなすぎた。
だから、少し君に対して、お金について教える必要があった。
だけど、君はお金の持つ不思議な力について知らなすぎた。
だから、少し君に対して、お金について教える必要があった。
君が心を開いて、私の話を聞けるかどうかが入社試験だ。
そして、この病院にやってきたことで、君は人間関係の
新しい扉を開いた。
そして、この病院にやってきたことで、君は人間関係の
新しい扉を開いた。
明日から、下に書いたオフィスに来て欲しい。
ジョーカーより
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この手紙を読み終えた時、僕は過去のことを振り返り、幾筋もの涙が流れた。不運を嘆いて、周りを恨んでばかりで、何もできなくなっていた自分を心底情けないと思った。僕は、お金に支配されて周りが見えなくなっていたという意味を初めて理解した。
第38話へ続く
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