2018.1.2
ドル高・円安派だらけの座談会
Aさん:いやぁ〜、年末どうにか米国で大型減税法案が可決されましたね。こうなると、来年はほぼ間違いなく米経済が堅調に推移するでしょう。だって30年ぶり大型減税だもんね。ということは、2018年は複数回の利上げになるだろうから、ほぼ「ドル高」で予想して間違いないだろうね。だだし、FRB(米連邦準備制度理事会)が金利を引き上げることにより、株価が調整されたり、世界経済へのブレーキ役となったりしなければいいですけど。
Bさん:まさに同感ですよ。私は、それに加えて黒田さん(黒田東彦日銀総裁)の緩和策がまたもや炸裂するのではないかと思っています。というのも、2018年4月が総裁任期でしょ。その任期終了前に、自分の存在価値や安倍政権への忠誠を示すために何かすごいバズーカーを爆裂させるかもしれませんね。
Cさん:そんなことは可能ですか?
Bさん:何でもありだと思いますよ。政府の後ろ盾があるから。ちなみに、2018年度の日本の税収見込みは約58兆円なんですが、これは、バブル最盛期の1991年度の59.8兆円以来の額です。なんだかんだ言われながら絶好調なわけで、政府も黒田さんも元財務省だから心の中ではダンシングヒーローを踊ってるんじゃない?
Cさん:そうなると、結構な円安で120円近辺までありそうですね。
Dさん:ところでみなさんは、米国の来年の利上げは年何回だと思いますか?今年は、年3回と過去2年の年1回から相当増えましたよね。私は、市場の予測は年3回かもしれませんが、原油高などによるインフレ懸念で年4回の利上げもあるかもと見ています。ドット・プロットでは年3回を示しているからこそ、4回になるとサプライズで大幅上昇なんかもあり得るよね。
Eさん:私も同感です。なので、米国の物価には私も注目しています。CPIなどは2018年の要注意指標の一つですね。投資家のみなさんには、米国10年金利と、物価に注目してほしいです。
Aさん:これだけ条件が揃えば、ドル高行けそうじゃないかなぁ。ドル安派の意見も聞いてみたいもんだね。
ドル安・円高派だらけの座談会
Fさん:私はズバリ100円近辺までのドル安を見ています。
一同:おお〜〜っ。さすがFさんは、円高派の大御所ですね。
Fさん:円高の理由は簡単です。実は正確には円高ではなく、ドル要因によるドル安ですが。さて、ではなぜドル安なのか。それは、米国の金融政策が正常化する、つまり金利を上げることで景気に息切れ感が出るでのはないかと見ているからです。景気循環は、量的緩和&低金利という株価にはぬるま湯な金融相場から、金利を正常化する業績に頼る相場に移行する際に必ず株価が下落することが歴史的に証明されています。つまり、2018年は株価に調整が入る可能性が高いといえるわけです。そんな調整が入っても、引き続き金利を引き上げるかというとそれはないはず。(FRB)新議長のパウエルさんは、イエレン現議長と同じぐらいハト派だから、そんな無理はしないはず。
Gさん:そうなると年3回を織り込んだドル高派がポジションを減らして、円高になりそうですね。
Fさん:そう。ドル高を諦めた人の円買いが円高の一番の要因ですね。でも、それだけじゃないと思います。実は、日本の機関投資は最近積極的に外貨投資を増やしています。これは、外国債券投資は、金利が高い、外貨が値上がりするということを狙った投資なんです。
しかし、ドル安になり、また、金利も上がらないようでは対外証券投資をするモチベーションがなくなるわけです。そうなると、2017年までドル買いに積極的だった機関投資家が投資を控えることでドルが安くなると見ています。
しかし、ドル安になり、また、金利も上がらないようでは対外証券投資をするモチベーションがなくなるわけです。そうなると、2017年までドル買いに積極的だった機関投資家が投資を控えることでドルが安くなると見ています。
Hさん:地政学リスクは間違いなく円高要因ですね。私の考える3大地政学リスクは、ロシアゲート疑惑、中国の景気後退、朝鮮半島リスクです。
Gさん:確かに、なんとなく株高や年末の高揚感で忘れているけど、そのリクスは日に日に増している印象ですね。
最後に一同で会したら
Aさん:お互いに意見が出揃ったね。結局は、どちらの要因も多いということだね。ドル高ドル高と決め付けては危険そうだね。2017年の為替の動き(ボラティリティ)が異常に低かったから、なんとなくのほほーんと2018年に入っていくとイケないということがわかりました。気を引き締めて臨みたいですね。
Fさん:確かに同感です。私も、ドル安と決めつけるのは少し危険だと思いました。刻々と変わる状況をしっかりと咀嚼しながら、しっかりとトレンドを見極めたいです。
A&Fさん:みなさんはどう思いますか?為替は楽しいので色々と考えてみてください!