2017年12月21日 更新

〈藤原美智子〉こだわること、執着しないこと。自分を高めるための生き方とは

さまざまなモデルの新たな魅力を引き出し、常に最前線で活躍するヘア・メイクアップアーティスト藤原美智子さん。自らも美しく歳を重ねていく様を体現されていて、そのライフスタイルは世の女性たちの憧れとなっています。人生を美しく、幸せに生きるために必要なこととは。藤原さんに伺いしました。

ためになるお金の使い方とは

STAGE編集部:藤原さんにとってのお金の使い方といいますと?
お金は、価値観がどんどん変わってくるので、お金の使い方もどんどん変わっていますね。例えば、20代はやっぱり自分の価値観がまだわからないから、お金の使い方もわからなかったんです。30代になってくると、だんだん仕事も確立し出して、自分らしさというものが何か模索し始めて、どんどんお金を使うようになりました。40代は、自分らしさとか自分の価値観というのがだんだん芽生えてきて、自分にとって大事なもの、必要なもの、価値のあるものがわかってくるので、自然と絞られてきました。50代は、もうそれこそ自分の生き方にお金を使うようになる、というふうに思っています。
STAGE編集部:20代、30代の頃は、いろんなものに使っていたんですか。
20代は自分が何が好きなのかも、何が美味しいのかもわからないので、いろんな経験にお金を使ってきました。私の20代は時代がバブリー全盛期だったから、いろんなところに旅行に行ったり、いいレストランに行っていいワイン空けちゃったり(笑)。そんなふうに消えるものにお金を使っていました。いろんな体験にお金を使ってきたんですけど、すごく感受性が豊かな20代のときにそういう体験にお金を使ってよかったなと思います。その体験が今に影響していると思います。

自分を高める物の価値

STAGE編集部:モノにお金を使うことに関してはいかがでしょうか。
モノに関してもやっぱり20代では選べません。私がモノに目覚めたのは30代になってからです。高級なものには訳がある、美しいものには訳がある、とわかってきたんです。
20代の頃エルメスのバッグとかシャネルのジャケットとかいいなと思っていても、価値もわからず持っていても恥ずかしいと思っていました。それでやっと価値がわかってきた34歳のときに、エルメスのバッグを買っちゃいました。でも何かエルメスのバッグに自分が「持ってもらっている」感じがして、恥ずかしくて知り合いに会う時は使いませんでした(笑)。しばらくして、緊張感がなくなった頃に、普通に持ち歩けるようになりました。緊張感がなくなって、自分になじんだということは、そのモノと対等になったということです。
だから私は車やジュエリーなどは「ちょっとドキドキするもの」を買うようにしていました。そうすると、最初は「私にはちょっと不相応かしら?」と思うんですが、だんだん自分になじんで来て、ある時にモノを「越える」瞬間があるんです。だからこそモノには価値があるんだと思います。「モノが引き上げてくれる」というのは、そういうことなんです。だから、「ちょっとモノに助けてもらおう」というものを買うときは、「私に大丈夫かな?」と「ちょっとドキドキするもの」にお金をかけるべきだと私は思います。
だからといって、ただ単に高ければいいというものじゃありません。自分がこれは美しい、これはいい、と思うものでなければいけません。
STAGE編集部:ドキドキする何かを買った後、緊張感がなくなり自分になじんできた頃というのが、モノを越えた時期ということなんですね。
でも、モノっていつか卒業すべきだと思うんですね。でないと、縛られちゃいます。私、40前後ぐらいの頃にエルメスのバーキンを買ったんです。最初はもう「バーキンだー!」って感じで(笑)。あるとき、映画の授賞式で、女優さんのメイクをしていたんですが、夜中に撮影が終わって車に戻るとバーキンがないんです! ホテルの控え室に忘れてきちゃったんですね。すぐに電話をしたんですけど、もうなくなっていました。
でもそのとき、私、ほっとしたんです。何でかというと、自分で「バーキンを使っている私」に縛られていて、他のものを使えなくなっていたんです。バーキンがなくなったことで、これでかわいいバッグも持てるって、ちょっとほっとしたんです。モノの呪縛から解き放たれたわけですね。
だから私はモノというのはそういうものだと思っています。そのモノを越えるためにそのモノがあるし、そのためにお金を払う。モノの価値があるというのはそういうこと。だからといって、雑にするとかではないんです。後生大事にと思っても、モノというのはあくまでもモノ。モノ自体の価値ではなくて、それに似合う人になれたかどうかというところにお金を払うべきじゃないかと思います。
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