マネージャークラスに読んで欲しい「仕組み」マネジメント術

仕組み仕事術
これまで努力を積み重ねた成果が評価され、この春、管理職に昇進するビジネスパーソンのみなさん、おめでとうございます。若きリーダーは不安も多いでしょうが、「仕組み」を使えば心配なし。チームをよりよく動かすにも「仕組み」のちからが生きるのです。

マネージャーの仕事に求められるスキル

仕事でキャリアを積んでいくと、いずれ部下を持つようになり、管理職として責任を持ってチームをまとめる立場になっていきます。そんなマネージャーに求められるのは、「自分の能力」だけを全開にして仕事をバリバリとやっつけていくことではありません。それよりも「他人の能力」を信頼してまかせられるようになることこそが、人を動かす立場にあるビジネスパーソンにとって必要なスキルなのです。

 とはいえ、少し想像してみてください。他人にまかせることは、自分ひとりでやるよりもずっと難しいような気がしてきませんか。部下がみんな優秀ならばまだしも、のみ込みの悪い部下に仕事の手順やコツを一生懸命教えながら、「本当は自分がやったほうが早くて正確!」と内心イライラしてしまってる自分……。よりストレスが溜まってしまいそうです。

マネジメントに役立つ「仕組み」

経験の浅いマネージャーが部下を管理するのは難しいことです。年功序列も崩壊しつつある昨今、年上の部下を持つ人も多いことでしょう。そこで有効なのが「仕組み」をつくること。「仕組み」さえでき上がっていれば、誰が、いつ、何度やっても、同じように効率的に仕事を進められるようになります。これは個人の仕事に関しても、人を動かすマネジメントにしても、それぞれ言えることです。

マネージャーになって、部下や同僚に「やっておいて」と言うだけでは仕事をまかせたことにはなりません。彼らがその仕事を問題なく実行できるような「仕組み」を作って、そのうえで仕事をまかせることが、役割なのです。さらに、身体を動かすだけで、しっかり結果が出せるような「仕組み」にすることが大切なのです。

 多くの人は管理職になり部下ができると、「人を管理するのは苦手」「上司らしく振舞うにはどうしたらよいかわからない」などと戸惑いを感じるようです。それまでは自分の仕事に専念していればよかったのに、いきなり「部下を指導するように」と言われても困ってしまうのは当然のこと。また、「マネジメントとは人を管理すること」ととらえている人が多くいますが、「人の管理」と考えてしまうと、無意識にその人物を好きか嫌いかで判断・評価してしまい、組織がどんよりしてきてしまいます。上司として部下を指導する立場になったからといって、急に部下の全人格を理解することはできませんし、無理矢理コミュニケーションの達人になる必要もありません。部下のスキルややる気にかかわらず、仕事を問題なく動かせる「仕組み」を作って、みんなが働きやすい職場にしていきましょう。

新人や若手にも「仕組み」をすすめる

マネージャーになると、新人や若手社員の部下が仕事で伸び悩むのを目の当たりにすることもあるかと思います。そんなときは、仕事のできる人、つまり成功者の真似をすることをすすめましょう。つまり、そういったビジネスパーソンは、自分の仕事に「仕組み」をつくり生産性をあげることができている人ですから、その「仕組み」を真似するということを教えるのです。他人の「仕組み」をベースにして、それを自分なりにバージョンアップし、自分の「仕組み」にしていけば、新人や若手社員も成長の速度がぐんと上がり、仕事ができるようになるでしょう。仕事ができる部下が増えれば、マネージャーの自分もどんどん楽になり、事業部の成績も上がって社内の評価が高まります。まさに成長への好循環が生まれるのです。