2019年5月1日 更新

糸井重里の考える働くとは これからの「ほぼ日」

これまで、どこかのシーンで「ほぼ日手帳」を手に取った学生や社会人は数多くいることでしょう。実際に「ほぼ日手帳」を使わずとも、「ほぼ日」や糸井重里の存在を知らない日本人は、もはや皆無といっても言い過ぎではなさそうです。 川島蓉子・糸井重里著『すいません、ほぼ日の経営。』 より、「ほぼ日」という企業がずっと続けてきたことと新たに始めたことをご紹介します。

やがて、ロフトでの販売がスタート。今では14年連続で、ロフトの文具における売上高ナンバーワンを獲得しているのだとか。社員がたくさんの意見を出し合い、一年がかりで次の年の手帳を作成する中で、その時々のアイデアを練り込みつつ、進化させてきました。
「ほぼ日手帳」は、既に手帳という範疇を超えて、「LIFEのBOOK」であると糸井氏はいいます。一日一ページに書かれたことが積み重なっていくと、それはやがて「LIFE=人生」になる。自叙伝にもなり、やがてBOOKにもなり得ることでしょう。
手帳に書かれた物事は、積み重なればLIFEであるという考え方はよくわかります。
糸井氏は、株式上場したことから経済系メディアの取材を受けたとき、経済人としてのコメントを求められている中にあっても、生活人として話そうとしているのだとか。
なぜならば「ほぼ日」は、買い物の場であり、それを楽しむ街だから。人が幸福に暮らしている状態や場を作るために「ほぼ日」をやってきたのだと糸井氏はいいます。
そこに、「ほぼ日」が現在に至る、一貫したコンセプトが通っていることがわかります。

質のいいアイデアを生み出すための働き方改革

「ほぼ日」では、2018年から働き方改革を始めました。
一般的な企業の労働時間は一日8時間ですが、「ほぼ日」は7時間に短縮。そして、毎週金曜日をインディペンデントデーとして、一人で考えたり自由に使ったりする時間に充てています。労働時間を減らしながら、給料のベースを上げることにしたのだというのです。
漠然と集まって話していても、何も生まれてこない。一人で考える時間が基礎であるということを、もっと前面に出してくのだと糸井氏はいいます。
そして、企業の風土を決めるのは、「なにがかっこいいか」ということ。「ほぼ日」でいえば、「人が羨ましがるようないい考えを出して、実行する」こと。それは、社長が決めるのではなく、みんなが作るのだといいます。
質のいいアイデアをたくさん生み出すための働き方改革。こんな新しい試みにも、「ほぼ日」という企業の経営スタイルが見えてくるようです。
タイトル: すいません、ほぼ日の経営。
著者: 川島蓉子・糸井重里
発行: 日経BP社
定価: 1,620円(税込)
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ナカセコ エミコ ナカセコ エミコ
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