2018年10月14日 更新

働き方改革で、副業を会社に宣言しても大丈夫になった?

「働き方改革」が叫ばれ、ライフスタイルに合わせたさまざまな働き方が選択できる社会の実現に向けて、官民一体となり進んでいるかのように見えます。

その中で、「副業」を解禁する会社も表れはじめました。これからは、副業していることを公言しても大丈夫なものでしょうか? 大山弁護士に聞きました!

働き改革で、会社員の副業が認められるようになったと聞きました。会社後に、アルバイトをしても問題ないということでしょうか?

また、いわゆる「サラリーマン大家さん」など、これまでは会社に黙って行っていた人がほとんどだと思いますが、今後は届け出たほうが良いのでしょうか?

今後副業をするときの注意点など教えてください。(20代男性)

正社員の副業は認められていなかった

公務員の副業は法律で禁じられていますが、民間企業の場合は副業を禁止する法律はありません。しかし、正社員の副業は認められてきませんでした。

これは、各会社が事実上認めてこなかったというだけではなく、役所や裁判所でも、「副業」に対しては厳しい判断をしていたという事情があります。

副業を理由に解雇まではできないが、会社が副業を禁止すること自体は問題ないといった判断もなされます。

法律の建前から考えれば、雇用契約の場合は一定の時間に限り、使用者が従業員に指揮監督できるにすぎません。つまり、休み時間や休日は、従業員が自由に使えるわけです。その自由な時間を、アルバイトに使っても、特に問題ないはずです。しかし、通常はかなり労働者側に立つ学者先生や裁判所さえ、この建前通りには考えてこなかったようです。

副業はなぜ認められなかったのか?

厚生労働省では、「モデル就業規則」というのを出しています。これまではこの中で、会社の許可がない限り副業はできない旨が明記されていました。

副業について争われてきた裁判でも、例えば副業に使われる時間が長いときには、本業に与える影響が大きいということで、副業は認められないと判断されていました。多くの学者もこれが当然のことだと理解しています。しかし、本業に影響するくらいテレビゲームしていても、それが禁止されるなど考えられないことです。副業の場合は、他の余暇時間の使い方とは違って、厳しい規制がなされているのです。

正社員の副業については、「武士が二君に使えるのは許されない」という考えが背後にあるのだと思えます。だからこそ、逆に単なるアルバイトの場合は、兼業も副業も、当然に自由にできたわけです。

副業は事実上できるの?

政府の副業推進策を受けて、厚労省はモデル就業規則を変更しました。その中で副業は、会社に届出をすれば原則として認められる旨、定められました。その意味では、正社員の副業も、以前よりは認められやすくなったと言えるかもしれません。

正社員が1日8時間働いた後に副業のアルバイトをすると、アルバイトの賃金は自動的に残業の割増賃金となるというのが、厚労省のルールです。たとえば、正社員として就職する以前にアルバイトをしており、社員となった後でもそのアルバイトを続けているような場合があったとします。会社は、先に契約したアルバイトの時間を前提に、そちらの時間を足して8時間を超えたら、割増賃金を支払うことになります。(常識的には考えられない結論です。)

こんなルールがあるなら、事実上正社員をアルバイトに雇う人などいませんね。(なお、アルバイト掛け持ちの場合でも、この残業代のルールは適用されるはずですが、事実上完全に無視されています。)

実際に「副業」を認めている会社の実例や、厚労省の発表している実例でも、アルバイトや大家さんを副業として認めているものなど一つもありません。社会貢献や新規事業の種になることを自分で考えるといった、「意識高い系副業」のみが取り上げられています。

アルバイトなどの副業については、特に変化なく、やるなら会社に隠れてやらざるを得ないという状況は、今後も変化ないと考えた方が良さそうです。

働き方改革といっても、進みはゆっくりですね。

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