世界のトップリーダーに学ぶ新しい時代の働き方とは

世界の第一線で活躍するトップリーダーは、どんな働き方をしているのでしょう。トニー・ブレア元英首相ら3,000人を超すVIPにインタビューしたフォーブスジャパン副編集長の谷本有香さんの「世界のトップリーダーに学ぶ 一流の『偏愛』力」から、新時代の働き方を考えます。

2018.12.20
谷本さんが記す、世界の第一線で活躍する経営者にある共通点は以下3つの共通点がありました。これらが新しい時代で活躍するための鍵になるようです。

世界の第一線で活躍する経営者にある共通点3つ

1.仕事を誰よりも楽しんでいる

仕事と家庭、趣味といったカテゴリー分けをせずに、仕事の時間もプライベートとして楽しめる趣味の時間のように過ごしている。
なぜ、そこまで楽しめるのでしょう。それは彼らが好きなことを仕事にしているからです。仕事の時間がプライベートと同化し、趣味の時間になっています。仕事がプライベートであり、同時に趣味でもあるのです。
好きなことをしているのですから、熱中して取り組め、実績も自然と上がってきます。

2.企業に属する働き方でなく、プロジェクト単位の働き方をしている

プロジェクト単位の働き方とは、最近の映画で目にするようになった、製作委員会の方式です。多額の費用がかかる映画を複数の企業や人が集まって進めます。
プロジェクト単位で仕事をする場合、会社の垣根を超えて人を集め、成果を出して利益を共有します。
こうした手法は今後、他の分野にも広がっていくと考えられています。
その際、どのプロジェクトに参画するかを決める要素の1つが、好きかどうかです。プロジェクト単位の仕事は積極的な参加が前提になります。好きではないからという理由でモチベーションを欠く人は必要ありません。
谷本さんはこの、「好きなことを明確に持たないと仕事を選択できなくなる時代が来る」と感じています。
そのキーワードになるのが「偏愛」だそうです。「どうしてもやりたい」「とにかく好き」という思いを持って生まれた仕事には、同じ思いを共有する仲間が集まります。その結果、高い信頼を持つ商品、サービスが誕生するのです。

ホリエモンから学ぶプロジェクトプランナーの仕事術

そんな、プロジェクト単位の働き方で活躍する人物の例として、ホリエモンこと元ライブドア社長の堀江貴文さんの例が挙げられています。
堀江さんは今、30近いプロジェクトとかかわっています。そこでは自分自身にハブ的役割を担わせ、人と人をつなぐ拠点にしています。谷本さんはこの働き方を「プロジェクトプランナー」と呼んでいます。プロジェクトプランナーとして、新しいプロジェクトを企画する、精鋭のメンバーを集め、ディレクションして作っていく。
これこそまさに、好きなことを仕事にしている、代替不可能な人材と言えます。
経営者、サービス開発者、投資家、講演家と時代に合わせて役割を変えながら、好きなことをやり続けているところは、谷本さんがいう新時代のリーダーそのものです。

未来の働き方に必要なのは偏愛力

これからの時代はAI(人工知能)と共存していかなければなりません。そんな時代のビジネスシーンを生き残るリーダーは、AIに代替不可能な人材であることが求められます。
谷本さんは「それを可能にするのが好きなことを仕事にすることだ」と考えています。
新時代のリーダーが果たすべき役割は、好きなことをする仲間たちと高いレベルで仕事し、新しい価値を創造するために組織やチームを編成することです。
これはAIには決して担えないものです。谷本さんは「そんな働き方ができる人こそが代替不可能な人材であり、これからの時代に活躍できるリーダーだ」と断言します。
AIが普及すれば私たちの仕事がなくなるといわれますが、谷本さんは「技術や論理など生産性に直結する要素から偏愛、共感、信頼などへ求められるものが変わっている」と指摘します。AIが普及すればするほど、好きなことを仕事にしながら、誰もが成功できる社会がやってくる。というのが、谷本さんの主張です。
谷本有香(たにもと・ゆか)

谷本有香(たにもと・ゆか)

経済キャスター/ジャーナリスト 証券会社、Bloomberg、日経CNBCなど金融経済番組のキャスターとして従事、日経CNBCでは初の女性経済コメンテーターに。2011年からフリーランスで活動中。英ブレア元首相やマイケル・サンデル ハーバード大学教授の独占インタビューはじめ、マレーシアのマハティール元首相やハワード・シュルツ スターバックス会長兼CEOなど世界の1000名を超える著名人にインタビュー。テレビ朝日「サンデースクランブル」にゲストコメンテーターとして不定期出演中。2015年4月~日経CNBC「夜エクスプレス」アンカー。 谷本有香オフィシャルサイト http://www.yukatanimoto.com
]]>