中国の世界遺産「万里の長城」、自分の足で登って「英雄」気分を味わおう!

城壁として世界最長を誇る中国の世界遺産、万里の長城。万里の長城は、スケールも大きいですが、長い歴史も持っています。万里の長城に死ぬまでに一度は行ってみたいと、「バケットリスト」に入れている人も多いのではないでしょうか。万里の長城の登城体験をお伝えします。

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万里の長城の特徴

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中国の世界遺産と言えば、すぐ頭に浮かんでくるのが万里の長城。宇宙のサテライトからもはっきりと見えるほど、くねくねと曲がった城壁が長く続いています。その距離約3000km、日本列島の長さとほぼ同じ。城壁の跡まで入れると総延長距離は約20,000kmにもなります。万里の長城がどれほど長いか想像がつきますね。しかもその歴史は2000年以上。こんなにスケールの大きい万里の長城、一度は登ってみたいと思いませんか。

万里の長城を登る2つの方法

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万里の長城に登る方法は2つあります。一つはロープウェイで、もう一つは自分の足で登る方法です。もちろんロープウェイで登れば楽で簡単ですが、昔の人がどんな気持ちで登っていたかを知りたければ、歩いて登るのが一番かもしれません。でもこれ、意外に大変なんですよ。
登城ポイントはいくつかありますが、ここでは北京に近い「居庸関(きょようかん)長城」についてお伝えします。

居庸関(きょようかん)長城にある石碑

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居庸関長城ではふもとに着くと、石碑が見えます。何の石碑なの?と思うかもしれませんが、そこには「不到長城非好漢(長城に到らずんば好漢に非ず)」という毛沢東の言葉が刻んであります。この「好漢」、いろいろな訳がありますが、英語ではHeroを使っているので、「英雄」と訳しておきます。つまり、いくら英雄気取りでも万里の長城を登っていなければまだ英雄だとは言えないということになります。登城前には、この石碑をよく見えおいてください。長城を登るときの励みになります。そして、その石碑の背後には、あの万里の長城が龍の背中のようにくねくねと曲がりながら上がっていくのが見えます。「さあ、がんばって登って英雄になるぞ!」とばかり、誰しも勢いよく登り始めるのです。が・・

段差に悩まされる長城の登城

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でもすぐにそんな甘いものではないことに気付くのです。なにしろ段差がバラバラ!段の高さが10センチくらいの低い所もあるかと思えば、30センチくらいの高い所もあるのです。段差がバラつく階段を登るのがこんなに大変だとは想像もつきません。とにかく登るリズムがつかめないのです。もちろん日頃体を鍛えている人にとっては何ともないことかもしれません。実際、中には簡単に登っている人もいます。でも普通の人にとっては、かなりの体力が要求される登城です。
でも段差の違いが激しい階段をかなり高い所まで登った時に、後ろを振り返ってみてください。これまで登って来た城壁が下の方に龍の背中のように見えます。なんだかこの壮大な万里の長城を「克服している!」という達成感でいっぱいになるのです。そしてこの長城を築いた昔の人たちや、この城壁に頻繁に登らなければいけなかった人たちの苦労がひしひしと伝わってくるのです。

ヒーローズポイントに到達

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さて、かなり高いところまで来たし、壮大な景色も見ました。次に来るのが「ヒーローズポイント」です。ヒーローズポイントとは、この地点まで来たら、毛沢東の言葉の中に出てくる「英雄」として認めてあげるという地点のことです。実際には城壁の一番上まで行きたいところですが、そこまで行くのはかなりの時間がかかり、特にオプショナルツアーで来ているときには時間切れになることが多いのです。これには、途中2カ所に作られているヒーローズポイントが助けになります。ここでおすすめなのがそこのお土産売り場で売っている記念プレートに自分の名前と日付を刻んでもらうことです。もちろんただではありませんが、そんなに高くないし、万里の長城登城の良いお土産になること間違いなしです。

万 里の長城 登城時の注意点

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万里の長城の登城はぜひやっておきたい体験ですが、もし体調がすぐれないとか心臓などに問題がある場合は要注意です。登り始めた後も気分が悪くなったり自信がなくなったら、登るのをやめて地上に戻りましょう。
もう一つ注意する事は、万里の長城は山地にありますから天候が急に悪くなることもあります。特に雷が発生した場合は、落雷を避けるためにスマホを使用しないようにしてください。
■基本情報 
公式名: 居庸関長城
住所: 北京市昌平区南口鎮居庸関村居庸関管理処
参考サイト:http://japan.visitbeijing.com.cn/sightseeing/n214678564.shtml
アクセス: 北京市内からバスでも行けるが、乗り換えが複雑なため、タクシーまたはツアー参加が望ましい。

まとめ

数ある中国の世界遺産の中でも特にその名前を知られているのが万里の長城です。現存の長城は日本列島と同じくらい長いと言われていますが、その長城の中で北京近辺にある居庸関長城を実際に歩いて登ってみました。途中段差の大きさに悩まされましたが、なんとかヒーローズポイントまで登ることができ達成感がありました。万里の長城を観光するときはロープウェイではなく、ぜひ実際に歩いて登り「英雄」になった気分を味わってください。
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オーストラリアのメルボルン在住。現地の日系企業で翻訳・通訳をする傍らフリーランスライターとして記事を執筆。2017年からはフルのライターに。カルチャーや社会に関心があり、趣味は旅行とアート。旅行はほとんどの場合、自分たちで計画して旅している。
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