高級マンションコンシェルジュが見た 富裕層のお金の法則

お金
筆者は以前、高級マンションのコンシェルジュとして働いていました。お支払いなどで、居住者の方のお財布を目にする機会も多かったのですが、お金の扱い方で共通している点がいくつかありました。今回はその中から、すぐにでも実践できるシンプルなルールをご紹介します。
2018.12.5

新札を持ち歩いている

マンションコンシェルジュは、クリーニングや宅配便の取り次ぎ、ハウスクリーニングの清算などで、居住者とお支払いのやりとりを日常的に行ないます。

そこですぐに感じたのは、新札でお支払をする方が非常に多かったことです。最初は偶然かと思ったのですが、同じ方が毎回新札でお支払いになるので、偶然ではないことに気付きました。

いつでもきれいなお札でお支払いいただく方に、古いお札でお返しすることはできないので、フロントでも常に新札を用意するようにしました。

すると、「きれいなお札で返してくださってありがとうございます。」とすぐに気付いて声をかけてくださる方もいらっしゃいました。

日頃から気遣っているからこそ、こちらの対応にもすぐに気付くことができるのだと感激した出来事でした。

決して、新しいお札しか持ちたくない、古いお札を大切にしないという意味ではなく、受け取る相手に対しての配慮だという点が素敵な心がけだと思いました。

それ以来、筆者は今でも新札を持ち歩くようにしています。たとえ相手が気付かなくても、自分の気持ちの中でスッキリするような感覚があります。

長財布と小銭入れを愛用している

2つ目の富裕層のお金の法則は、お財布についてです。もちろん、じっくり観察しているわけではないのですが、毎日やりとりをしていると、どなたがどんなお財布を使っているか、自然と覚えてしまうものなのです。
まず、長財布を持っている方が圧倒的に多く、2つ折りなどのタイプを持っている方はほとんど見かけませんでした。そのため、お札は常にピンとしたきれいな状態で出されることになります。
また、意外に感じたのは、長財布と小銭入れを別々に持ち歩く方も多かったことです。これは男性に多い傾向があり、長財布はこまめに取り替えて、小銭入れは大切に同じ物を愛用している方も多く見受けられました。
一度ある方に「なぜ別々に持ち歩いていらっしゃるのですか?」と伺った時は、「僕は面倒くさがりだから、すぐに小銭がたまってしまうんだよ。長財布がパンパンになるのはみっともないので、長財布に入れる小銭は500円玉とか、必要最低限にしているんだ。仕事の時は小銭入れは持ち歩かないようにしているよ」と話してくれました。

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小銭入れを持ち歩かないまでも、領収書やカードをたくさん入れないなど、長財布をスッキリさせるように心がけている方はとても多いようでした。

お金の払い方は常に丁寧

レジには、お支払いの際にお金を乗せるトレーがありますが、あのトレーの正式名称を「カルトン」と呼びます。

カルトンにお金を置く所作一つでも、その方が普段どんな風にお金を扱っているかが分かる気がします。

無造作に差し出す方や、丁寧に相手側を正面に置く方、相手が取りやすいよう、お札と小銭を別にして置く方などさまざまです。

居住者の方で多かったのは、扱いは丁寧に、向きは受け取るこちら側に向けてくれて、お札を先に出し、その上に小銭を乗せる払い方でした。おつりが極力少なくなるように、500円や50円でお返しできるよう、瞬時に計算できる方も多かったです。

金額があらかじめ分かっている場合は、毎回おつりのないように封筒に入れて支払ってくださる律儀な方も。

丁寧に支払うことが習慣化している方は、たとえ高級レストランでもコンビニでも、お金の扱い方は同じように丁寧なのだと思います。

些細な行動ですが、これこそが「お金に好かれる人」の振る舞い方なのではないでしょうか。富裕層の方々を見習って、これらの行動を実践してみると、すべて自分自身に戻って来るということに気付きます。

丁寧な扱いをすれば自分が穏やかな気持ちになれたり、相手を思いやって取った行動も、いつしか自分が相手から受けるようになる。

お金という誰もが扱う身近なものだからこそ、心がけ一つで変化も起こりやすいのではないでしょうか。

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長谷川 チエ

富裕層向けの不動産販売と、都心マンションでのコンシェルジュ業務を10年経験したのち、フリーランスライターに転身。
個人投資家としても行動心理学を学びながら、10年間トレードを継続中。

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