2017年8月28日 更新

「金融リテラシー格差」で、人生がうまくいく人とそうでない人が決まる

私たちをとりまく社会は、大きく変化している。大企業に新卒で採用され、そのまま定年を迎えるまで勤め上げれば定年後は安泰。そんな少し前まで当たり前だった人生はもう夢物語だ。【連載】金融リテラシーで変わる社会(第1回)

2016.12.9
企業年金は確定給付型から確定拠出型へと変化し、会社が準備してくれるはずの年金を自分で運用しなければならない時代。老後にいくら貰えるかは運用成績次第、老後にちょっと贅沢な生活ができるか、貧しい生活をしなくてはならないかは自己責任と言われてしまう。そんな金融や投資に対する知識、まさしく金融リテラシーが私たちの老後の生活に直結してしまう時代に変化しつつある。
老後だけではない。私たちが日々接している金融も大きく変化しつつある。例えば日常の買い物では、現金が使われる機会が減少し始めている。例えば電車や地下鉄に乗るときはSUICAやICOCAを利用し、買い物をするときもイオン系ではWAON、セブンイレブンではnanacoの電子マネーを利用する人が多くなってきている。買い物ではコンビニでもクレジットカードを使うことが増えてきた。また近年では「いくら使ったかわかりにくい」・「使いすぎてしまう」といったクレジットカードのデメリットに対応するために、デビットカードも普及が進み始めている。また、今までは一家に一台あるのが当たり前であった自動車も、リース契約によって購入して所有よりも安価で利用できるようになり、カーシェアリング等による時間単位での利用もできるように変化しつつある。金融に対する知識の有無で日々の生活が変化し、金融リテラシーが高ければ高いほどよりお得に、より便利な生活が可能となる社会となりつつある。
金融のシステムも根本から大きく変化している。世界の基軸通貨として君臨していた米ドルの権威は金融危機以降大きく揺らぎ始め、ユーロも大きく後退した一方で、中国元が国際通貨として躍り出た。また、数年前まで詐欺の様にも思われていたビットコインをはじめとする仮想通貨が、金融市場で大きな存在となりつつあり、米国では上場投資信託でもビットコイン投資をはじめつつある。また、仮想通貨の基礎技術であるブロックチェーンを利用して、日本国内でもSBIが主導して新しい形の金融決済システムの構築も模索し始めている。
金融の世界が今、大きく変化し始めている。この変化についていく為には、利用者である私たちも金融リテラシーを高め、上手に利用をしていかなければならない。金融リテラシーにより社会が変わる未来はそう遠くない、おそらく5年後には「お金」や「金融」は今日と大きく違う形で利用されていることだろう。これからどの様に金融が変化していくか、また金融リテラシーで社会がどのように変わっていくのかについて、これから月に1回連載をしていく。

岸 泰裕 金融工学MBA、大学非常勤講師

大学卒業後、Citiグループの日本における持株会社に勤務。在籍中に金融工学MBAを取得する。その後スタンダードチャータード銀行の東京支店に転職。現在は金融機関を退職し、明治大学、名古屋商科大学、龍谷大学や企業研修・セミナーなどで金融論等について各種講義を行っている。
10 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

金価格が示す市場心理

金価格が示す市場心理

実は、あまり認識されていませんが金価格が上昇しています。2018年8月以降、徐々に値段を切り上げて約半年で約10%を超える上昇です。今回の金相場は市場の見通しと心理を示している可能性が高いため今回は分析をしてみたいと思います。
資産を10倍に増やす堅実な投資スタイルとは(前編)

資産を10倍に増やす堅実な投資スタイルとは(前編)

私の基本的な投資スタンスについては、2007年に出版した『株式市場「強者」の論理』という著書のなかの「長期的な計画を立てる」という項目のなかで、その原型ともいえる文章を書いております。
投資の世界のFACT

投資の世界のFACT

2019年の投資環境は目まぐるしく変わりそうです。英国ブレグジット、米国の金融政策、米中貿易問題などに振り回されそうです。それでも、投資の世界にはFACTがあります。今話題のFACTを見ていきましょう。
Omise長谷川氏ブロックチェーン技術で起業家ランキング9位に 

Omise長谷川氏ブロックチェーン技術で起業家ランキング9位に 

経済誌Forbes JAPAN日本の起業家ランキング2019で日本を動かす起業家20名に選ばれた長谷川潤氏。2度の起業と、仮想通貨OmiseGOの発行を経て、2018年12月7日にブロックチェーン関連の新会社BUIDL(ビルド)を設立。さらに注目を集めています。
お金 |
ゴーン氏逮捕で考えた「日本の刑事司法は異常なの?」

ゴーン氏逮捕で考えた「日本の刑事司法は異常なの?」

>日産のゴーン社長が逮捕され、その後、長期間勾留されています。さらに、再逮捕との報道がありました。これに対して、海外のメディアから、日本の制度はおかしいのではないかという声が聞こえてきます。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

岸 泰裕 岸 泰裕