2018年6月21日 更新

シリコンバレーに「陰」

アップルの時価総額が、未踏の1兆ドルに迫っている。しかし、フェイスブックの個人情報漏洩問題や、テスラの半自動走行システムによる死亡事故で、ミレニアルを中心にシリコンバレーに対する見方が変化している。

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2018.6.20

シリコンバレーに「陰」

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 ニューヨーク証券取引所の歴史で、時価総額が最高だった銘柄は、鉄鋼や銀行、エネルギー企業のものだった。今や、それらの銘柄の影は薄い。
 シリコンバレーで誕生したアップルは、同証券取引所で、コンピューター企業として初めて時価総額トップに。さらに、アップルは時価総額1兆ドルという、ニューヨーク証券取引所で未踏の水準を達成しようとしている。これを書いている6月11日時点で、9450億ドルに迫る。
 
同時に、アマゾンも時価総額8000億ドルにまで上昇しており、アップルに続いて1兆ドルの大台を達成するだろう。グーグルを所有するアルファベットは7750億ドル、マイクロソフトは7832億ドル、フェイスブックは5600億ドルで、アップル、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、フェイスブックの時価総額を足し合わせるとほぼ4兆ドルに匹敵する。
 時価総額で見ると、一見シリコンバレーが非常に好調なようにも思える。しかし、米国ではフェイスブック離れが目立ち、シリコンバレーに対する世間の目が厳しくなっている。
 

ミレニアル世代中心に起こった#DeliteFacebook運動

フェイスブック利用者の個人情報8700万人分が、第3者に使われていた情報漏洩問題が今年3月、明らかになったのがきっかけだ。#DeleteFacebookと呼ばれる運動が始まり、ミレニアル世代では、フェイスブックのアカウントをあっさり削除する友人が出てきた。
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 筆者は6月1日、バースデー・パーティを開き、フェイスブックでイベントページを作った。フェイスブックを離れた友人には、メールやショート・メッセージで個別に案内を送ったが、それでも漏れがあった。「インスタグラムで案内を送って欲しかった」とパーティがあることを知らなかった友人から言われた。しかし、インスタグラムもフェイスブック傘下である。ソーシャルメディアにおけるコミュニケーションをいかにフェイスブックが独占しているかが分かる。
 漏洩問題のスクープ記事に登場した内部告発者でカナダ人のクリストファー・ワイリー氏(24)は、髪の毛をショッキングピンクに染め、鼻にリングをしたミレニアルによくある出で立ちだ。彼の証言ビデオは、2016年の米大統領選挙が、フェイスブックなどの個人情報をもとに、いかにしてフェイク広告やフェイクニュースが、個人をターゲットに送られ、選挙結果に影響した可能性があるかを語っている。
「(フェイスブックのデータをもとにして)あなたが、どんな情報を信じやすくて、どんな文脈、話題、コンテンツに反応しやすくて、つまり、どんな情報に騙されやすくて、何回そういうことを考えてもらったらいいのか、そうして、ある事柄についての考え方を変えていくのです」
 ミレニアルのワイリー氏の証言は、同じ世代のミレニアルに、強く響いたに違いない。インターネットに常時接続した生活が当たり前の彼らは、幼い頃からオンラインの危険性はある程度許容して暮らしてきた。しかし、自分の情報が不正に使われたことには、憤りを感じ、#DeleteFacebookに敏感に反応した。
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