2019年10月15日 更新

〈堀古英司〉「リスクを取った人にお金が降ってくる」。アメリカ金融界で20年以上戦ってきた男の結論

「お金とは、努力とリスクテイクの結晶。(堀古英司)」

2015.9.14
ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC最高運用責任者。ニューヨークに住み、生き馬の目を抜くと言われるアメリカの金融界でヘッジファンドのファンドマネジャーとして活躍し続けている。堀古が肌身に感じた、アメリカ人の金融感覚とは。

■アメリカ金融のルーツはユダヤにあった

日本人とアメリカ人の「お金の捉え方、考え方」になぜここまで差がついてしまったのかというお話からしたいと思います。日本にはそれほど宗教はないといわれていますが、もともとは儒教の影響を受けて、「士農工商」という制度があったとされ、そのなかで商売人は一番下でした。当時はそもそも、「金融」に関して世間の見る目もそれほど良くないし、金融に対する教育もされていませんでした。

アメリカも例外ではありません。アメリカにはキリスト教徒が圧倒的に多いですが、中世キリスト教では人にお金を貸して儲ける「金融」を禁じていました。ニューヨークはいま世界の金融の中心ですが、なぜここまで金融が育ってきたかというと、この地で「金融」を仕事にしたユダヤの人がいたからです。

当時のユダヤ人たちは迫害を受けていたため、「金融」で生きていくしかなかった。だから、ゴールドマン・サックスとか、ソロモンブラザーズとか、ウォール街の一流の銀行や証券会社のツールは、ユダヤ系が多いんです。

日本では、人前でお金のことを話すことはすごく下品なことと思われてきましたが、これはアメリカでも同じなんです。

■資本主義が優れたシステムである理由

いま世界を見渡してみると、世界経済のシステムは8割がた資本主義です。日本は非常に社会主義的の色彩が強い資本主義です。フランスはもっと社会主義の側面が強い。先進国の中ではアメリカが一番純粋な資本主義に近いといっていいでしょう。

何でいま資本主義が世界の大勢を占めてきているかというと、資本主義というシステムが一番、人間の生活水準を上げるのに優れているからです。なぜかというと、たくさんの人が集まって生活して経済が繁栄するには、まず治安が維持されていないといけない。皆さんが生きていくにあたって、いきなり殺されたり、物を盗られたり、ということがないようにしないといけない。ですから、まず国防は国が発展するための大前提です。それから、警察・治安のシステム。そして、外交や国や市役所などでやっている事務も必要です。教育や医療も必要ですね。

ところが、日本はここしばらく、ほとんど経済成長をしていない状態です。財政赤字も大きくなっています。国民が資本主義の中で生きていくにあたって、必要最低限な公的サービスとベネフィットを維持していくためには、経済成長も必要ですし、生まれた果実の中から税金を払っていかないと成り立たなくなってしまいます。

■空からお金が降ってくる法則

世界経済を見渡すと、あることが得意な国があれば、それが不得意な国もあります。土地が余っている国なら農業が得意だし、日本みたいに製造業が得意な国や産油国もあり、それぞれが自分の得意分野に特化し、分業することで国際経済が成り立っているわけです。

そして、こういった分業がなぜ成り立つかというと、貨幣(お金)があって、それを仲介にして、交換が成り立っているからです。それぞれが自分の得意なところを活かして、それをお金に交換していくというのが経済の基本的な流れなのです。

では、この資本主義のシステムの中で、どういう人のところにお金が降ってくるのでしょうか。今までの経験から、次の2つのことをやっている人のところに、お金は空から降ってくる法則があると感じています。

■人がやりたがらないこと、できないことを探す

それは何かというと、まず第1に、人がやりたがらないこと、人ができないことをやることです。

人間は弱いものです。しんどい時は働きたくないし、できればサボりたい。でも、そんなことをしていたら、お金は生まれません。資本主義では、頑張った人・努力した人のところにお金が行くようになっているのです。アメリカがその象徴です。頑張った人・努力した人、経済の発展に貢献するようなものを発明した人、そういう人のところに莫大なお金が流れるシステムになっています。

よく「自分のやりたいことをやれ」と「好きなことをやれ」という人がいますが、私は全く反対です。やりたいこと、好きなことというのはかなりの確率で他の人にもできるので、結果、競争相手は非常に多くなります。ですから、「人がやりたがらないこと」とか「人ができないこと」を見つけていただきたいです。

■リスクを取った人に、お金が降ってくる

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