2019年10月15日 更新

〈堀古英司〉「リスクを取った人にお金が降ってくる」。アメリカ金融界で20年以上戦ってきた男の結論

「お金とは、努力とリスクテイクの結晶。(堀古英司)」

第2に挙げられるのは、「リスクをとった人に、お金が降ってくる」ということです。

金融機関が利益を得られるのは、リスクを取っているからです。皆さん、銀行に預金していると思いますが、銀行が融資をしている相手先が潰れたからといって、皆さんの預金がなくなることは通常ありません。ということは、金融機関が保険のような役割を果たし、リスクを取ってくれているわけです。だから安心して貯蓄ができる。

あと、株主ですね。日本では株主の重要性がほとんど理解されてないといつも悲しくなります。リーマン・ショックの後、日本の株価は3分の1ほどになりました。では、誰があの時リスクを取ったのかというと、株主です。もし、株主資本が全部尽きて会社が清算されてしまったら、従業員も全員解雇になったかもしれません。そこで株主がクッションの役割を果たしてくれたから、従業員は解雇にならなかったし、金融システムも保たれた。株主の役割というのは、少なくともアメリカではそのように認識されています。資本主義社会において、株主というのはリスクを負うという非常に重要な役割を果たしているんです。

■人は誰しもリスクを取ることを嫌う

保険会社もそうです。自分に何かあったときに子どもが困らないようにと生命保険に入って保険料を払い、何かあった時には保険金が下ります。このシステムがあるから、保険料を払うことでいろいろなリスクがカバーされているわけですよね。もし保険というシステムがなかったら、何千万円というお金を日頃からとっておかなければならなくなります。当然、消費に使うお金がなくなってしまいます。

世の中の景気がドーンと落ち込むのは、「リセッション」といって、消費が落ち込み、貯蓄率が上がったときです。リーマン・ショックの時に、AIGという世界最大の保険会社が潰れそうになりましたけど、まさにこのパターンです。世界中の人がこの世界最大の保険会社の保険に入って「安心」と思っていたけれど、潰れるかもしれないと思ったので一気に貯蓄率が上がり、消費がされなくなり、世界中がマイナス成長になったわけです。

人は誰しもリスクを取ることを嫌います。当然、十分なご褒美をもらえないと、リスクはとらない。生命保険会社であったら、「人間が死ぬ」という100%起こることに対して保険金を支払うわけですから、必ずそのリスクに見合う以上の保険料を報酬としてもらっているはずです。でないと、ビジネスとして成立しません。

株主も同じです。リスクを取って投資するのは怖いけれど、そのリスクを我慢することによって、例えば、リーマン・ショックを経てもし今まで待っていたら、株価は3倍程度になっているわけです。

「人間は弱いものだからこそ、努力した者、頑張った人のところにお金がいく」。そして、「リスクを取った人のところにお金がいく」。アメリカの長者番付のトップクラスに出てくる人たちはこの二つを理解し、必ずやっているんです。

「 お金とは、努力とリスクテイクの結晶。(堀古英司) 」

ホリコ・キャピタル・マネジメントL L C 最高運用責任者 堀古英司さん

東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)為替資金部ドル・円ディーラー、部長代理、同ニューヨーク支店バイス・プレジデントを歴任した後、ニューヨークにてファンドマネジャーとしてヘッジファンドの運用に携わる。関西学院大学経済学部卒、ニューヨーク大学大学院(ビジネススクール)にて金融を専攻、経営学修士(MBA)。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」をはじめ、テレビやラジオに多数出演。著書に『リスクを取らないリスク』(クロスメディア・パブリッシング)。
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