2019年9月8日 更新

お金持ちになりたいならインド人の超ポジティブマインドを学べ!《野瀬大樹インタビュー》

経済成長の目覚ましいインドで誰よりも早く会社を構え、日本という枠に捕らわれずにビジネスチャンスを掴んできた会計士・野瀬大樹さん。お金の学校「ファイナンシャルアカデミー」で複数のスクールを受け持つ講師でもあります。

経済成長の目覚ましいインドで誰よりも早く会社を構え、日本という枠に捕らわれずにビジネスチャンスを掴んできた会計士・野瀬大樹さん。お金の学校「ファイナンシャルアカデミー」で複数のスクールを受け持つ講師でもあります。

そんな野瀬さんの新刊『お金儲けは「インド式」に学べ!』は、インドで仕事をする中で出会ったインド人のお金に対する驚きの思考・行動を拾い上げ、お金儲けに強いマインドを紐解いたもの。日本人なら思わず「ありえない!」と口にしたくなる、未知のスパイスを効かせた一冊を手に、さっそく著者の野瀬さんを取材してみました。

ビジネスも投資も、インド式マインドならうまくいく

マネラボ編集部:『お金儲けは「インド式」に学べ!』発売おめでとうございます。改めて、普段のお仕事やご活動についてお聞きしてもいいでしょうか。

野瀬さん: インドでは会計士と税理士の仕事をしています。1年の3分の2はインドにいまして、インドで日系企業の税金や会計をサポートをしています。
日本では、ファイナンシャルアカデミーで10年ぐらい講師をしています。もともとはファイナンシャルアカデミーの「不動産投資スクール」の受講生として通ってまして、その後講師として「株式投資スクール」や「会計のスクール」などを担当するようになりました。

マネラボ編集部:今回、出版の経緯はどのようなものだったのでしょうか。

野瀬さん:インドで会社を設立して8年ぐらいになるんですが、ずっと仕事やっているといろんなトラブルや問題に直面することがあって。その内容をずっとSNSでずっとしゃべっていたんです。そしたら出版関係の人の目にとまって、「インド人と日本人って考え方が真逆だからおもしろいですね」と。それをポジティブに考えられるような本を書きませんかというお話をいただきました。

マネラボ編集部:インド人と日本人、本当に性格が正反対ですもんね。

野瀬さん:そうですね。インド人は悪く言えば無鉄砲、良く言えばめちゃくちゃポジティブで。絶対「俺の人生うまくいくよとか。」とか、そういうスタンスで臨んでいるところがすごく羨ましいなと思う部分がありました。

やらない理由を探す日本人。適当でも突き進むインド人。

マネラボ編集部:本編では、日本人の完璧すぎる「100点主義」と、インド人の「60点主義」の比が様々な形で登場しました。改めて、インド人の「60点主義」の魅力ってなんでしょうか。

野瀬さん:60点はちょっと低いかな〜と思うところがあるので、個人的には「70点」がちょうどいいかなと思っています(笑)
インド人は、ちょっとでもいけると思ったら一歩踏み出すので、非常にいい考え方なんです。例えば契約書や予算書を出すときとかも、インドの経営企画の人に作ってもらうとすごい適当なんですね。もう、大外れ(笑)それでも「何が起こるかわからないんだから、ずれて当たり前。」と自信満々に提出してくるし、なにより、スピードが早い。

日本ならがっつり作るんですよ。「これはどこの費用ですか」「どこの部門ですか」みたいなことを事細かに確認して作ると。そしてわずかなずれが生じたときに、その担当者を激詰めするような環境、ちょっとこれはどうなんだろうと思います。

私も日本のお客様から「税務上のリスクをゼロにしてください」とよく言われます。でも「こういう場合は税金とられる可能性がありますし、こういう課徴金がとられる可能性がありますので、厳しいですよ。」と話をしたら、「それはゼロにならないと困る」と。
これがもし投資で、「100%儲かる」とか言う人がいたら、もう詐欺師なんですよ!絶対に。
だからインドのリスク(不確実性)はあって当たり前という60点主義のマインド。これはビジネスや投資の原点としていいと思いますね。

マネラボ編集部:日本人の100点主義はムチャなんですね。どうしたらそこから抜け出せることができるのでしょう。

野瀬さん:日本人はもう一回、「自分がやっている作業は、どれぐらいのお金として返ってくるのか」というのを考え直した方がいいかなとは思います。
投資の話ではよく言っているんですけど、20点や30点主義はもちろんだめです。しっかり投資の勉強してくださいと。ただ、それも70点までです。投資なんだから。「いま日経平均高いし」とか「円高傾向にあるし」とか、やらない理由を探してたら、一生買えない。

やると結構楽しいんですよ。今まで勉強してきたことが「ああこういうことか」ってわかるので。とりあえずリスクに一度お金をさらす経験をして慣らしてみるという経験をしてみれば、「意外といけるじゃん」ってなりますよ。

マネラボ編集部:「リスクにお金をさらす方法」としておすすめはありますか?

野瀬さん:2万円とか3万円とかの小さな株を買ったり、あとはiDeCoも悪くないかと思います。将来年金としてもいいですし、当然、所得控除がきくというのも。やっている人は備え感覚でしてやっているんですけど、中身はあれ投資ですからね。

グローバル社会で、違う人種・価値観の人と良い関係を築くには?

マネラボ編集部:インド人のような、真逆のタイプの方たちと一緒にビジネスをしたり、協力しあうって大変なことだと思います。どうしたら上手に付き合えるのでしょうか。

野瀬さん:最初の入口で大事なのは、期待しすぎないということですね。全面的には信頼せず、いつ裏切られても大丈夫なようにはしておく。ただ、8年もインドでやっていると信用している人も何人もいます。そこで結局、最後に大事なのはやっぱり「長く付き合うこと」なんですね。

よくインド人から聞かれた質問は、「あなたは何年いるんだ」なんです。「こいつは2・3年で商売をぽんとやって帰っていくやつなのか、それともずっと根を下ろしてやるやつなのか」っていうのを彼らは敏感に見ていますから。

マネラボ編集部:人間関係は慎重なんですね!意外でした。

野瀬さん:そうなんです。なのでそこは「あなたとは長い付き合いになるんですよ」ということを、しっかり醸し出す必要があるかなと。
実際、インドには毎年家賃が10%上がっていくルールがあるんですが、僕は住んでいるところの大家さん家族と一緒にゲームしてずっと仲良くしてたら、5年間くらい全然家賃上がらずにすんでます。まあ、毎回買うゲームは経費で落としたいぐらいですけどね(笑)

老後2000万円問題、インド人ならどう考える?

マネラボ編集部:いま日本では「老後2,000万円問題」が話題になっていますが、そのニュースはインドにも届いてますか。

野瀬さん:はい。でもあのニュース、20年・30年前から言われている話であって、いまさら感はすごくあります。そもそも、ファイナンシャルアカデミーの講座で聞いてましたから。
でも数字で考えるということはやっぱり大事だなと思いますね。「2,000万円足りないから備えてください」と、具体的な数字で言われるとやっぱり意識の持ち方って変わる。数字を出した政府の判断はいいと思います。そしてお金が足りないんだったら、それを今から準備をすればいい話ですから。

マネラボ編集部:インド人だったら、このニュースに対してどんな反応しそうですかね?

野瀬さん:たぶんインド人だったら、「どうやって2,000万稼ごう」だと思います。今の仕事じゃだめだからもっと給料のいいところに転職するかとか、利回りのいいファンドに一回切り替えるかとか。
おもしろいなと思ったのは、日本人の考え方って「どうやってじゃあ60歳までに2,000万貯めよう・・・」「どうやって生活切りつめよう・・・」なんですね。でも2,000万だったら、投資の知識とか保険の知識とかがあれば全然カバーできる範囲だと思いますし、どうせだったらインド人の考え方を取り入れた方が、楽しいんじゃないですか。

老後2,000万円に限らず、「日本人はもうちょっと気楽に考えましょうよ。」というのが、この本を通じて私の言いたかったことです。仕事で「こういう提案しても大丈夫かな」「転職しても大丈夫かな」と悩んでいる方や、投資をなかなかはじめられない方、一歩踏み出せば意外とうまいこといくことって多いので、勇気を持って欲しいですね。

マネラボ編集部:インド人マインドがあれば、お金の問題もポジティブに解決できそうですね。野瀬さん、本日はありがとうございました!


『お金儲けは「インド式」に学べ!』
出版:ビジネス社
定価:¥1,400(税別)

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