【論語】仕事で評価されないと感じたときに思い出したい孔子の言葉

カルチャー
頑張って仕事をしているのに、なかなか評価されないと行き詰まりを感じてしまうときはありませんか。論語には、そんな時にこそ心がけたい孔子の教えが記されています。今回は、仕事で評価されないと感じたときに思い出したい、心を奮い立たせてくれる論語を紹介します。
2018.11.24

関心を自分から他人へ移してみよう

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■人の己れを知らざることを患えず、人を知らざることを患う。(学而第一)

(意味) 自分を分かってもらえないことを嘆くより、自分が人を理解していないことを気にかけよう。
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人の己れを知らざることを患えず、人を知らざることを患う。(学而第一)
(意味) 自分を分かってもらえないことを嘆くより、自分が人を理解していないことを気にかけよう。
人には承認欲求というものがあり、誰かに認められたい、褒められたいと思う性質があります。認められたい気持ちは悪いことではありませんが、度が過ぎると、自己中心的な言動を引き起こす恐れがあります。
場合によっては、周りの人からも、「あの人は自分のことしか考えない人物だ」と思われているかもしれません。
自分のことを分かってくれないと不満に思うのは、意識が自分ばかりに向き、物事や状況を広い視野で見ることができていないからではないでしょうか。
評価されないと悩んだときは、視点を変えて、職場の人への気配りや関心を示したり、長所を探してみたりすることをおすすめします。
仕事は個人の力でなく、職場の人との協力で成り立っています。職場の人に視点を向けることで、自然と仕事は自分だけで回っているのではないことに気づき、職場の人への感謝の気持ちも沸いてきます。
それでもどうにもいかないと思ったとき。そんなときは、仕事だけではなく、趣味や習い事など、仕事以外のことを充実させ、広い視野で自分を見つめてみるのも一つの手です。
自分の居場所を会社の外にも作ることで、新しい視点を仕事に取り入れることもできます。思いがけず自分の能力が認められ、気持ちが満たされる、ということもあるでしょう。

自分を腐らせるか、活かすかは自分次第

三軍も帥(すい)を奪うべきなり。匹夫(ひっぷ)も志を奪うべからざるなり。(子罕篇第九)
(意味)数万の大軍を率いる総大将でも、その大将の身を奪うことはできる。しかし、一人の人間といえども心の中にある志を奪うことは誰にもできない。
肩書きや地位以上に、志を高く持って生きることは大切です。 社会人となったときの意気込み、あるいは目標を今でも持ち続けているでしょうか。
経験を積めば積むほど、初心が薄れていくこともあるでしょう。初志を貫徹するのは難しいことです。入社当初、やる気に満ちあふれ、「社会の役に立ちたい!」と発奮していたものの、環境に慣れると、「まぁこんなものか」と妥協することもあるのではないでしょうか。
次第に待遇面や給与に不満が出たり、仕事に身が入らなくなったりすることもあるでしょう。
しかし、環境を言い訳にして自分を腐らせていいはずはありません。志は自分次第でどうとでもなります。職場で自分を輝かせられるかどうかも、結局は自分の行動や気の持ちようにかかっているのです。

評価されないことに焦りは禁物

速やかならんと欲することなかれ。小利を見ることなかれ。速やかならんと欲すれば則ち達せず。小利を見れば則大事ならず。(子路第十三)
(意味)早く成果を挙げようとするな。目の前の小さな利益に目を奪われるな。成果を急げば達成しない。小利に気をとらわれれば大事を成し遂げることはできない。
上記の言葉は、「急がば回れ」、「急いてはことを仕損じる」ということわざにも通じる格言です。
物事を達成するのに近道はありません。実績を出すにも時間がかかり、その実績に評価がつくのもさらに時間がかかります。場合によっては、評価を得るのに数年はかかるものもあるでしょう。
評価されたいのであれば、評価を出すために何が求められるのか考え、今できることとできないことを冷静に分析したほうが建設的です。そして、できないことをできるようにするために、今目の前にある仕事を地道に一歩一歩進めていくことが大切なのです。
与えられた仕事がどんな仕事であれ、情熱を持って取り組むことが、何においても評価される一番の近道だといえるでしょう。

まとめ

仕事で評価されないと感じたときに思い出したい論語
を紹介しました。
華やかで評価されやすい仕事は全体のごく一部にすぎません。そしてその仕事は、地道な仕事をコツコツと積み上げ、信頼を得た先で任される仕事なのです。
論語の教えに習い、物事や状況を広い視野で見る習慣をつけ、目の前の仕事に精一杯取り組むことが、成功への近道と言えるでしょう。

ユキヨシ

大学院修士課程修了(歴史学)後、そろばん指導講師、教育系のベンチャー企業を経験し副業ライターに。会社員時代に経営者の経営哲学に関心を持ち、中国古典思想の勉強を始め今に至る。

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