2018年2月1日 更新

〈西野亮廣〉後編・ウソをつくな、信用の面積を広げろ。常に新しいものを仕掛けるために

「お金とは、信用。(西野 亮廣)」

2017.8.17

■西野亮廣にとってのお金とは?

STAGE編集部:個人で活動されたりクラウドファンディングでお金を集めたりされているからこそわかる、西野さんにとってお金とはなんでしょうか?
「信用」ですね。みんな言ってますけど、それでしかないですね。信用の面積を数値化したものがお金なんだから、信用の面積がないことにはお金になりませんね。お金がない人、お金をつくりにくい人は、信用がないということです。逆に信用があれば、お金はつくりやすいということです。
STAGE編集部:信用というのはどのように築いて、お金に替えていくものなのでしょうか?
ホームレス芸人の小谷(こたに)(真理(まこと))というやつがいるんですけど、そいつは自分の1日を50円で売っているんですね。今の社会で言ったら、1日50円って超ブラック企業じゃないですか。みんなぶうぶう言うじゃないですか。でも小谷は全然それでよくて何でもするんですよ、本当に。
例えば草むしりを依頼すると、小谷は朝から一生懸命草むしりをするんですね。本当に一生懸命草むしりをするので、昼頃になると小谷のことを買われた方は、さすがに最初50円で買ったけど申しわけないからって昼ご飯ぐらいごちそうされると思うんですよ。で、小谷は昼ご飯をごちそうになって、そこからまた夜まで一生懸命草をむしるんですね。さすがに朝から晩まで、30越えたおっさんを50円で買っちゃったら申しわけないって、多分夜ご飯もごちそうされると思います。
で、昼も夜も一緒にいると仲よくなっちゃって「飲みにいこうか?」みたいな話になる。昼代出しているし、夜代出しているし、飲み代出しているし、結構お金出しているんですけど、最終的に小谷を買った人の中に何が残っているかといったら、「小谷君、今日50円でこんな働いてくれて、本当にありがとうね」みたいな気持ちです。
もし入り口の設定を1万円にしていたら、ごはん代も出ていないし、それぐらいやって当たり前でしょうという関係で終わっていた。でも小谷は値段と全然合わない、もうとんでもない働きぶりをするするから、すげえ感謝されて、すげえ恩を受けて、どんどん信用の面積を広げていったわけです。
その生活をずっと続けていって、半年経ったときに名古屋で鬼ごっこの人数合わせで来てくださいという依頼があって50円で名古屋まで行ったんですよ、ヒッチハイクで(一同、笑)。
そこで鬼ごっこをして、そのとき会った女の子と結婚することになったんですよ。でも結婚式を挙げる費用がないと。1日50円だから1ヵ月マックスで働いても1,500円なんですよ! 無理ですよね。「じゃ、クラウドファンディングで結婚式の費用を集めようか?」となって、「浅草の花やしきを貸切にして、ホームレス小谷の結婚式をやります」と1口4,000円で募集したら、2、3週間で250万円ぐらい集まったんですね!
小谷はお金持ちではなかったけれど、“信用持ち”だったわけです。今、僕が一番面白いアーティストは誰ですか?と聞かれたら、間違いなく「小谷」と答えます。お金というものが生まれて、初めてお金の正体を自分の生き方で体現したんですから。こんなに面白いアートはないですよね。だからお金は信用だというのは、小谷を見たらすごくわかりやすいと思います。
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