2017年12月21日 更新

〈奥山泰全〉赤字会社を1ヶ月で黒字化し上場させた社長の「Don't stop」

赤字続きだった会社を、社長就任の翌月には黒字化させ、さらに上場へと導いた奥山泰全氏。外貨取引サービスを提供するマネーパートナーズグループの代表取締役社長です。人生を振り返り、企業を成長させ続ける秘訣や、「カスタマーファースト」「お金」について語っていただきました。

■遠回りでも、歩みは遅くても、止まらず進めばたどり着く

STAGE編集部:「お客さんのために」ということを常に重視されていますよね。

そうですね。サブプライムショックで損を出したお客さんに「100万円入金してくれたら1万円をプレゼントします」というキャンペーンを実施したことがあります。入金目的ではなくて「サブプライム、大変でしたね」というねぎらいを伝えたかったので、新規で口座を作る方は対象外。

数十万円、数百万円を損した人が1万円をもらっても、本当は焼け石に水なんです。砂漠でペットボトルの水を1本もらったところで、すぐになくなる。でも、荒涼とした砂漠の中で「あのときになけなしの水、ペットボトル1本だったけど、もらったな」って、僕なら覚えているなと思ったんです。

なかには、がめつく1万円だけもらってすぐに出金する人もいましたが、結果的にはどこの会社よりも早く売上が回復しました。

今、お客さんはどう思っているだろう。喜んでいるのか、悲しんでいるのか。どうすれば笑顔にできるだろう。そんなことを考えながら取り組むことが、ここまでの道のりに、プラスになっています。
STAGE編集部:イノベーションを起こすってとても大変だと思うのですが。

ビジネスって、予定調和でうまくいくものじゃないですよね。でも、どこがだめだったんだろうって考えて直していくと、少なくとも前よりよくなります。またうまくいかなくなって、また直して、またよくなる。直し続けると、よくなり続けるんです。止めると次はないですよね。最初から成功する人なんていない。今できることのすべてを、やり続けていけば必ずいい結果が手に入ります。
STAGE編集部:社是「Don’t stop」にも共通しそうですね。

これは「shouldn’t stop」でも「wouldn’t stop」でも「won’t stop」でもない。「never」でもなく、「Don’t」です。「進め進め」じゃなく、「止まらない」っていう社是です。

リーマンショックや東日本大震災など、今までたくさん「諦めなきゃいけないのかな」と思う瞬間がありました。でも 時速1キロでもいい。進んでさえいれば、必ずいつかゴールにたどり着けます。やめたり、止まることが一番ダメだと思います。シンプルだけど、「Don’t stop」っていう社是に込めた想いは強いですね。

ビジネスはとにかく速く、と言われますよね。でも、即断即決が必ずしも正しいわけではない気もするんです。熟慮して判断しなければならないときもある。とくに、管理職や経営層やマネージメント層は、スピードより、いかに英断をするかだと思っています。

■「お金より大事なものがある」と誰もが胸を張れる社会へ

STAGE編集部:これまで個人投資家として、金融機関のトップとして過ごしてきた中で、ズバリ「お金」とは何だと思いますか?

お金がすべてではないですよ、世の中。お金より大事なものなんて山ほどあります。ただ、満足にご飯が食べられない、住む家がない、子供の養育費用が用意できない状況で「お金がすべてじゃない」とは言えないですよね。お金の話をするのは下賤なことだという人もいますけど、生きていく上で基本となるのがお金なんです。

お金はただの紙切れだけど、その紙切れにプライドを乗せなきゃいけない。自分の力で、社会に胸を張れる状態で、フェアにお金を稼げて、お金に困らない状態を作り出せている。そうなってはじめて「お金より大事なものはいっぱいある」と言えるのではないでしょうか。

だから、自分の力で、自己責任で稼いで豊かになる人が、ひとりでも多く育ってくれたらというのが僕の願いです。資産運用を通じて、日本人全員が自己責任の感覚をきちんと持つ。この文化が根付けば、社会はとてもよくなると思っています。

株式会社マネーパートナーズグループ代表取締役社長 奥山 泰全さん

1971年8月生まれ。三重県出身。慶応義塾大学商学部卒。個人投資家から金融業界へ転身。日本で初めて日経平均先物・オプションのインターネット取引システムを生み出す。現在は、株式会社マネーパートナーズグループ代表取締役として外国為替証拠金取引(FX)をビジネスの基盤とし、個人投資家へのサービスの提供および他金融機関への自社システム提供やASPビジネスを展開している。 株式会社マネーパートナーズグループ http://www.moneypartners-group.co.jp/
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