「すまない大谷、今は本当にキツいんだ。踏ん張りどころなんだ。こないだ、銀行からの追加融資も受けたばかりなのに、もう資金が回らないんだ。大谷と交わした売り上げの五%を支払う約束を、せめて利益の五%にしてくれないか?
今の店舗全体の月の売り上げはおよそ五〇〇万円だ。でも、家賃や人件費、廃棄損などを合計すると月四〇〇万円支出がある。この場合、売り上げの五%は二五万円だが、利益の五%なら五万円になる。およそ五分の一ですむ。今の米角では、この二〇万円の差が大きいんだ。以前の米角だったら、コストは同じで、売り上げは倍だったから、ここまでの差はなかったんだが、今は状況が違う」
今の店舗全体の月の売り上げはおよそ五〇〇万円だ。でも、家賃や人件費、廃棄損などを合計すると月四〇〇万円支出がある。この場合、売り上げの五%は二五万円だが、利益の五%なら五万円になる。およそ五分の一ですむ。今の米角では、この二〇万円の差が大きいんだ。以前の米角だったら、コストは同じで、売り上げは倍だったから、ここまでの差はなかったんだが、今は状況が違う」
「そうか。でもそれは、こちらとは関係のない話だ、……と言うと多分、人でなし扱いをされるんだろうな。なあ、約束ってなんだろうな?」
第30話へ続く
(毎週金曜、7時更新)
via amzn.asia
泉 正人
ファイナンシャルアカデミーグループ代表・一般社団法人金融学習協会理事長/日本初の商標登録サイトを立ち上げた後、自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年にファイナンシャルアカデミーを創立、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークの3つの学校運営を行い、「お金の教養」を伝えることを通じ、より多くの人に真に豊かでゆとりのある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着をめざしている。『お金の教養』(大和書房)、『仕組み仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書は30冊累計130万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。一般社団法人金融学習協会理事長。